今年観た映画メモ


年末なので、今年観た映画をまとめます。

3月『ラ・ラ・ランド』(IMAX)

→オープニングだけで「チケット代の元を取った!」という気持ちになった。トランプ政権時代にこの映画が公開されたこと自体が「おまえのいう“偉大なアメリカ”は間違っている、本当に素晴らしいアメリカはこういう文化のことだ」というメッセージだと勝手に感じてしまった。あと、ラストシーンのライアン・ゴズリングのあの笑顔!北野武の「メリークリスマス!ミスターロレンス!」に匹敵する、わすれられない笑顔だ。


3月『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』

→最初にこのエントリーを更新したとき、うっかりこの作品のことを忘れていた。でもなかなかよかった。父親との葛藤をちゃんと描く作品は結構少ない(母親ばかり)のでポイント高い。自動運転車と2020東京オリンピックという現在進行形の話題を作品にするのはかなり勇気のいることだけど、そこはさすが神山健治監督、しっかり地に足についたSFに仕上げていた。でも基本はハートウォーミングな作品。沖浦啓之監督における『ももへの手紙』(←これも良作)みたいな立ち位置の一本だ。

4月『T2 トレインスポッティング』(極上音響@立川シネマシティ)

→まぎれもない、あの『トレインスポッティング』の続編。「アイツらにまた会えた!」と嬉しくなった。ただ、ひとつ言っておきたいのは、自分の周りで『T2』を観にいった人がほとんどいないということ。学生時代に「『トレスポ』最高~!観てないヤツとは話できないよね」とかほざいてた連中が、ことごとく『T2』を観ていない。あんなに『トレインスポッティング』をアイコンとして振りかざしていた連中が『T2』を観ていないという事実に怒りを覚える。20年の時を経て“あの連中”はみんな映画をファッションとして消費するだけのクソだったということを証明してくれた一本。

4月『ムーンライト』

→あまり事前情報を知らず、BGMでヒップホップがぶんちゃかぶんちゃか鳴っているような黒人映画を想像していたら、完全に真逆。非常に静謐な映画だった。人格者の売人・フアンのキャラクターがとても良かった。

4月『GHOST IN THE SHELL』(MX4D・吹き替え版)

→時間の都合で、よりによってMX4D・吹き替え版で観た。結果的に、アニメの声優陣で観たのはよかったかもしれない。良くも悪くもアニメの実写再現(トグサの俳優さん、似すぎ!)。あと、ラストは『ロボコップ』を彷彿とさせた。ぶっちゃけ、音楽を川井憲次のサントラに差し替えたら3倍面白くなると思う。

5月『夜明け告げるルーのうた』

→湯浅版ポニョなどと言われた本作だが、中身は細田守監督作品みたいだった。映像的な快感はさすがの湯浅監督。ただ、この映画、どういう客層をターゲットにしているのか……。評価の難しい一本。

6月『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』

→最高のパーティームービー。スターロードの「やっぱり俺の父親はデビッド・ハッセルホフだったんだ……」という台詞は笑いながら泣いた。なんとなく、『ギャラクシークエスト』(大傑作!!)を彷彿とさせるものがあった。ただ、この「リミックス」なんて邦題をつけた担当者は反省してほしい。意味合い変わっちゃってるじゃん!

7月『メアリと魔女の花』

→うーん、全体的に惜しい!という感じ。「いい感じの描写」が連なってはいるんだけど、もうちょっとストーリーに芯が通っていてほしかった。「ぼくのかんがえたメアリ」の展開は以下の通り。

 1・庭師ゼベディさんの手伝いをしようとしてメアリがバラの花を折ってしまうシーン。ゼベディさんから「いまの気持ちを忘れないように」と言われてバラを支えるはずだったリボンをもらう。

 2・メアリがピーターを助けに行くと決心するシーンで、そのリボンで髪の毛を縛る。

 3・クライマックス直前、メアリがホウキを置いていく場面。「ごめんね。今までありがとう」と言って折れたホウキをそのリボンで縛って置いていく。

 4・最後、メアリとピーターがピンチのところで、ホウキに結ばれたリボンを見たフラナガンさんが「ようやくホウキの気持ちが分かってきたみたいじゃないか」と言って、助けに来る。

こーゆー展開だったらよかったのに! ブルーレイ出すときに直してほしい!


8月『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか』

→広瀬すず、声だけでも素晴らしく魅力的。彼女が旧・清水市という港町育ちであることもこの作品のヒロインとしてふさわしかったのでは。菅田将暉くんは圧倒されてた。

8月 『きみの声をとどけたい』

→隠れすぎた良作アニメ。高校時代、放送部だった自分としてはたまらない。初々しい声優陣の演技もこの作品にとっては最高の演出。おなじく江ノ電沿線を舞台とした文化系部活モノ『TARI TARI』にも通じるものがある。

9月 『ルパン三世 ルパンVS複製人』(MX4D)

→この機会を逃したら一生スクリーンで観ることはできないと思い劇場に駆けつけた。綺麗にブラッシュアップされた映像で映される脳みそロケットは圧巻。“テレビスペシャル”ではなく、“映画”としての『ルパン三世』がそこにあった。

9月 『ダンケルク』(IMAX・字)※二回観た

→最初はTOHOシネマズ新宿のIMAXで観る。映像体験としてあまりにも素晴らしかったので、文学フリマ大阪で大阪へ行ったタイミングで109シネマズエキスポシティのIMAX次世代レーザーのスクリーンでもう一回観た。そして見終わってこんなにへとへとに疲れる映画は珍しい。

10月『ドリーム・イズ・アライブ』(フィルムIMAX)

→閉園間近ということで、北九州のスペースワールドのギャラクシーシアターへ観にいった。上映開始の瞬間、頭上からフィルム映写機の回転音がかすかに聞こえてきて感動。もう30年以上前の映像なのにあまりの美麗さに、IMAXの凄さを再確認。ただ、ギャラクシーシアターのスクリーン中央のヨレがかなり気になった。

11月『ブレードランナー 2049』

→ライアン・ゴズリングは『ドライブ』の時から不器用な恋愛をする男を演じてきていたが、今回はとうとうデジタル彼女に愛を捧げる男となった。あれこそオタクの夢であり、悲しき末路でもある。あと、ハリソン・フォードの立ち位置が『スターウォーズ/フォースの覚醒』とほとんど一緒。ともあれ、本作の渋いトーンは好み。実写版『GHOST IN THE SHELL』はこういうカンジで作って欲しいと思った。

11月『GODZILLA 怪獣惑星』

→序盤、あまりにスピーディーなストーリー展開に「あれ? これって全24話のテレビシリーズの総集編劇場版だったっけ?」と思ったほど。しかし、テンポ良く展開する話はよくまとまっていて、期待以上に楽しめた。続編もあるようなので「地雷臭がする」とか言わないでみんな観ましょう。主人公のゴジラへの妄執は『白鯨』のエイハブ船長を思わせた。

12月『スターウォーズ/最後のジェダイ』

→2時間40分のうちで、「ああ、そろそろ終わりかな」というクライマックスが3回くらいある。あと、ワープをしてもファーストオーダー(帝国軍)がぴったり追跡してくるというくだりは、てっきりレイアとレイが持っているビーコンを傍受されているという展開かと思ったが、ただ単にファーストオーダーの新技術だったので逆に驚いた。だったらあのビーコン必要なかったんじゃないの? そして、ルークすごすぎ。塩の大地に赤い跡をつけるカイロ・レンに対して、ルークは足跡がつかないのでまさかと思ったけど、板垣恵介版『餓狼伝』の松尾館長の域に達していた。それにしても、レイ(デイジー・リドリー)の顔が好きなんだよね。あと、レイの出生の秘密は明かされたの、明かされてないの、どっち? 結局、次回作も絶対観にいくヤツですね、これは。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?