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出血性貧血と希釈性貧血を見分けるポイント!!



こんにちは、まっしゅです。



出血性ショックで入院している患者🙍‍♂️


止血処置を得て、
数単位の輸血をして、
数リットルの補液もして、
数時間後の血液検査でHbが下がっていた場合、

本当の出血によるHb低下か、
補液によるHbの低下か、気になるところですよね!



今回は、

出血性貧血と希釈性貧血の見分けるポイント


についてお話ししていきます。


今回のお話は、
当院の集中治療医に聞いた内容になってますので、
医師がどういう目線で見分けているのかが分かるものとなってます。


参考にしていただければ幸いです!



本当の出血だった場合、、、


本当の出血だった場合、

【検査データ】

・Hbはもちろん下がります。
・赤血球ももちろん下がります。
・血小板も下がります。
・PT、APTTは延長します。(止血に時間がかかるため)

【バイタルサイン】

・頻脈になる(循環血液量低下のため)
・血圧低下する(循環血液量低下のため)
・SPO2低下する(酸素運搬能が低下するため)
・自覚症状がある(腹痛、目眩、吐き気etc、、、)

上記の変化を認めます。



希釈性貧血の場合、、、

Hb低下は認めますが、
バイタルサインに変調をきたしません。


また、

輸血による予想Hb上昇値

(投与Hb量(g)÷循環血液量(dl))×100

循環血液量 →   kg×70/kg/100
投与Hb量 →   1単位あたり26、5g


上記の計算式から予想Hb上昇値を割り出し、

かつ、循環血液量に対しての補液量が何%に相当するのか(循環血液量5Lに対して、1、2Lの外液負荷があった場合、約25%の血液量に相当)を計算した上で、
現在のデータから大きく逸脱がないことを確認します。


例)

60kgの患者でHb 8 。

・RBC 4単位
・ソルアセトF 2L投与


循環血液量→4200ml
投与Hb量→106g

(106÷4200)×100=2、5

予想Hb上昇量→2、5

ということは、輸血後の検査でHbは10、5になっているはず!!

ソルアセトFは、500mlあたり125mlが血管内に残るため、
2000ml投与ということは500mlが血管内に残ります。

500mlは循環血液量の約11%に相当します。

そのため、予想Hb量も約1割ほど減少している可能性があります。

つまり、採血データにてHbが“9”であっても、
自覚症状なく、バイタルサインにも変調がなかった場合、
希釈性貧血と考えるのです!!




少し難しい話になってしましましたね😢

集中治療医でも、
「希釈性貧血の判断は難しい!!」
といっていました。



「バイタルに異常ないのにHb下がってるな」
ということがあったら、参考にしてみてください!



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