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選挙を楽しむための小さな行動。カルチャーパスは日本に導入されるか。

 フランスに続いて、スペインも10代の人々に、400€(52865.12円)のカルチャーパスを配布したという記事を、友人の木内さんのサイトで発見しました。本を買ったり、映画やコンサートやオペラに行ったりするのに使えるそうです。

 給付金というと、日本では、まっさきに子育てをしている家庭へとの政策が浮上します。もちろん、困窮している世帯への助成は必要です。ですが、富裕層にまで、子供ひとりあたりいくらの助成が、果たして必要でしょうか。

 それに対して、カルチャーパスには、未来への投資という夢があります。大学から小学校まで、PCやモバイルツールでの受講を強いられているのが現状です。このデジタルによる講義や授業が、いかに不毛なのかは、まだ、社会に広く知られていません。まず、授業をする側に、過度の負担がかかります。一時間半の講義の準備をするのは、対面でも用意ではありません。そこに、PowerPointの作成、映像の準備、著作権の検討、配信への配慮、そして、万一通信状態がよくなかった場合のバックアップまで考えると、通常の対面授業の10倍、いや20倍の労力がかかり、現場の疲弊は深刻です。

 また、ZOOMやTEAMでの受講も問題です。現時点では、カメラをオフにして、画面は真っ暗、名前だけ表示している状態で受講する学生が後をたちません。学生の反応がまったくわからない状態で、講義をしている無力感をどうか想像してみてください。

 さらに踏み込んで言えば、この真っ暗の向こう側に何が起こっているかを想像してください。発言を求めても反応が返ってこない。他のことをしていたり、移動中だったりと受講態度に問題のある学生が後を絶ちません。このような状態で、出席を認め、単位を出し、しいては学位を与えるのは、無責任きわまりないと私は思います。

 こうした暗黒状態は、感染者数の減少と、学内での規制緩和によって、これから改善されていくのだろうと思います。そんな時期に、学生が容易に文化にアクセス出来るカルチャーパスには、大きな意味があります。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。