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素直に受け入れられない #KuToo について

 予めお断りしておくと、私は #KuToo の理念には概ね賛同しています。色々と疑問点はありますが、パンプスやハイヒールで女性特有の健康被害が出ているのは事実ですし、企業による強制はなくてもフォーマルな会合では履かざるを得ない空気があるのも事実。そういう常識や社会規範に異議を唱える事自体はとても良いことだと思っています。要は選択肢の問題で、これをきっかけにフォーマルな場における服装の選択肢が増えると良いなと。CA業界でもスニーカーを取り入れる動きは出ているようですね。

 ただ、ZIPAIRに関してはどちらかと言えば、#KuTooよりも#スニ活の影響が強いようで、女性の健康被害を考慮したというより機能性を重視した結果、男女共にスニーカーを導入したという流れの様です。

 個人的には#KuTooよりも#スニ活の方がコンセプトが明瞭かつ建設的で好感が持てます。経済に貢献出来ることで企業とwinwin関係が結べる点も良いですね。なので皆さん、ハッシュタグは #KuToo から #スニ活 に切り替えましょう。

 と、ここで話を終わらせても良いのですが、今回はこの#KuTooが真っ当な主張であるにも関わらず、何故素直に受け入れることが出来ないのか。その点について雑感をまとめます。

■誰に強制されているのか

私が思う問題点は二つ。
一つ目は同じ職場・仕事内容なのに性別によって許される服装が違うということ。
二つ目は、効率の悪い・あるいは健康に害があるにも関わらずそれよりもマナーを優先させること。
▼この署名が求める要望
これらを解決し、全ての人が今よりももっと働きやすく、それによって職業選択の幅が狭まらず、無駄な負担のないような労働環境を目指すため、厚生労働省へ署名を提出し、会社へ性差によるハイヒールやパンプスの強制を禁止するように通達をしてもらうことを目的とします。
▼日本でどのように変えたいのか?
雇われる立場から上に要望を出すのはとても難しいことです。意見することによって、仕事での人間関係や扱いが不利になる可能性があるからです。なので会社に通達をしてもらい、会社側から「今後は女性のみヒールやパンプスを強制することをやめます」と言ってもらえるような職場環境づくりを目指します。

 以上が#KuToo運動の概要ですが、ハイヒールやパンプスを強制している企業がどれほどあるのか疑問です。確かにほとんどの女性はフォーマルな場ではヒールの高い靴を着用しているのですが、私の経験上ローファーやスニーカーを履いている子もいましたから。しかしそれによって会社から彼女たちに訓戒処分などが下ることはありませんでした。それよりも職場における女性同士の同調圧力のほうが遥かに厄介だと感じていました。逆に男性はローファーとパンプスの区別も付いていないくらい女性の足のことなんて無関心な人が多い印象があります(同時に外反母趾など健康被害についても無関心な人も多いと思いますが)。お年寄りばかりの男性役員なんて言わずもがな。言い換えればそこまで靴に拘っている人もいないので法規制なんてしなくても自身の健康被害について総務などに相談すれば普通に配慮してくれると思います。それよりも女性社員の服装や規律にうるさいのは決まって女性上司(お局様)でした。

 なので安易に女性差別問題を全面に打ち出すのは戦略的によろしくないかなと。現状でも普通に配慮してくれるであろうレベルの問題をわざわざこじらせているとしか思えません。女性差別ではないと否定する気はありませんが、その構造的な部分を今更SNSで訴えたところで不毛ですし、少なくとも #KuTooにおいては明らかに蛇足 です。今回はシンプルに「パンプスで仕事をするのは苦痛」という意思表明だけで良かったのではないかと。

 仕事に限らず、冠婚葬祭に参列する時はヒールの高い靴を着用しますが、これも誰かに強制されているわけではなく、あくまでTPOをわきまえているだけですよね。スニーカーやローファーで参列するのは勝手ですが、社会的な信用を失う可能性があるからヒールの高い靴を着用せざるを得ないのです。そしてそれらをサービスする接客スタッフ側もお客様のTPOに合わせた格好をせざるを得ない。

 就活についても大半の企業は就活生のリクルートパンプスに拘っていない様ですが、「相手を不快にさせない服装」の選択肢は限られていますし、女性の服装のチェックに厳しい面接官がいると、敢えてリクルートパンプスを選ばない女性就活生は低く見積もられる可能性があるので、これも無難なリクルートパンプスを着用せざるを得ない状況です。

 つまり「会社へ性差によるハイヒールやパンプスの強制を禁止」したところで、現状のTPOが変わらない限り根本的な解決にはなりません。社内規定がどう変わろうとハイヒールを履いた方がスマートに見える限り女性社員は自主的にパンプスやヒールを選び続けるでしょう。そうなると自然に「あの人は何故パンプスを履かないのだろう?」という同調圧力も発生してしまうので、元の木阿弥です。

 そもそもリベラルな立場の私からすれば「お上から企業にパンプスやハイヒールの強制禁止を謳ってもらう」という公権力頼りなところが気に入らない。この問題はそういう次元の話ではないだろうし、さらに言えば企業がハイヒールを制服に採用する自由もあると思っていますから。そういう企業に入社したい女性だっているんですよ。ハイヒールも含めたスラッとした制服に憧れてCAやウエディングプランナーになった知人が何人かいますが、靴が自由になった時点で規律が乱れてしまったり、逆にスニーカーを強制的に履かされるのではないかと不安な気持ちになるかも知れません。現時点では何も言わないでしょうけど「ヒールの高い靴が嫌なら何でフォーマルな接客業を選ぶんだよ」と内心思うでしょうね。

■法規制より選択の自由を

 ではどうするべきなのか。個人的には冒頭でも述べたように選択肢を増やすことが重要だと考えています。素敵な代案を提示し「私はこれを履く」という意思表示で周りを感染させていく方が建設的かと。Perfumeも既に靴ずれしにくいダンスヒールを開発していて売れ行きも好調な様です。何よりその方がwinwinじゃないですか。ただ単に「ハイヒールは辛い。だからやめさせるべき。」と法規制を主張するだけでは何も解決しないどころか、かえって女性に不自由を強いることになりかねない。なぜならスーツにスニーカーやローファーって普通にダサいから。正直ZIPAIRの新制服も理念はともかくデザインは全然洗練されていないと思っています。逆に言えばそれだけハイヒールは格好良いんですよ。それを踏まえた上で新たなデザインを考えなくてはならない。主観的かも知れませんが、結局はそこが一番のネックだと考えています。

「クールビズ」の先駆けとなる「省エネルック」もその見た目のヤバさから全く定着することはありませんでした。オリンピックボランティアのユニフォームや「クールジャパン」にしてもそうですが、行政主導だとこういうセンスの欠片もないロクな事にならないケースが多いのです。もう既に野党が#KuTooを政争の具にしている様ですが、あーあという感じです。そう言えば #MeToo も野党による茶番パフォーマンスで元々悪かったイメージをさらに台無しにしてくれましたね。なので行政頼りにすべきではなく、あくまで民間の努力で健康被害を起こさないセンスの良い靴のデザインと導入を訴え、世間に定着させることが重要だと思います。身も蓋もないことを言うと、既に #スニ活 があるのでこちらを発展させる方が現実的かなと思っているのですが。

■#KuToo運動の行き着く先

#KuToo 批判で多いのは「いたずらに女性差別問題と絡めるな」というもので、私もそれには同意するのですが、それよりも違和感を覚えるのはジェンダー云々が絡んでいることよりも、表面的にはリベラルな主張なのに中身が全然伴っていないところでしょうか。

 どうも #KuToo に賛同している人たちの意見を見ていると、TPO(一般常識)と法律の区別がついていない印象があるのですが、「ヒール何センチ以上の靴の販売利用そのものも法的に禁止してしまえば一般常識も変わるのではないか?」という極端な考えに行き着くのではないかと懸念しています。

#KuToo はそのネーミングからも「ハイヒール・パンプス狩り」のニュアンスを強く感じてしまうんですよね。建前的には「ハイヒールを履くことを禁止するわけではない」と主張していますが、ハイヒールに対するネガキャン的イメージは否めない。全体的に前向きな印象を受けないのです。そのうちPerfumeがハイヒールを履くことも「非人道的なハイヒール強要を助長する」という因縁を付けかねないとすら思っています。そうなると「服装選択の自由を求める」という本来の趣旨とは真逆になってしまう。

 何故私がこういう考えに至ってしまうのかと言うと、

 3ヶ月前にTwitterでも述べましたが#KuToo運動を行なっている人たちのTLを覗くと、自分たちはTPOからの解放を求めているくせに他人にはやたらとTPOやらゾーニングを押し付けているんですよね。そこに大きな矛盾を感じていたのですが、実際のところ求めているのは自由や解放ではなく、男叩きを兼ねた「現代の纏足である女性蔑視的なハイヒールを粉砕せよ!」なのだろうなと。少し乱暴だけどそれで説明が付く。選択肢を増やすどころか減らす方向にベクトルが向いているのです。本人たちにその自覚があるのかどうかは分かりませんが、いつもの表現規制問題と同じ構造なのです。

■他人には配慮しない#KuToo主催者

 話は少し逸れますが、 #KuToo 主催者である石川優実氏も『プロ奢ラレヤーとフェミニスト達』というloft9のイベント開催前に、プロ奢氏に対してとんでもないローカルルール(コルセット) を押し付けようとしていました。

他の出演者の方からえらてんさんの登壇に強い反対意見があったため、えたてんさんの今回の登壇は見送りとさせてください。加え、この件に関して、プロ奢さん側からえるぽよ氏、石川氏への煽りがあった場合、ご両名とも出演キャンセルもしくは即刻退場するとのことです。えるぽよ氏、石川氏ともに壇上においてセカンドレイプ、ハラスメントが発生しないか危惧しておられます。そちらにおいても発生次第、退場するとのことです。あくまで相互理解のための討論を目的としたイベントであることをご理解ください。平和なイベント開催のためご協力をお願い致します。えらてん様へはこちらからご連絡させていただきます。わざわざお誘いいただいたのにすみません・・・当日、招待客として会場へお越しいただければと思います。
(loft9のDMより引用)

 上記はloft9がプロ奢氏に送ったDMの文面ですが、「煽りがあったら即退場する」ってどんな八百長かと。言い換えれば「当日は気持ちよくマウントを取らせてくださいね。でなければ帰りますから。」という要望(脅迫)ですよね。お金払って見に来ているお客さんを何だと思っているのでしょうか。しかもこれloft9側が話を盛っているとは思えないんですよ。loft9側の仕事のやり方もありえないとは思うのですが、石川氏側から言われたことをそのままプロ奢氏に伝えているだけだと思います。話を盛ったところでloft9側に何のメリットも無いのですから。結果的にプロ奢氏は、えらいてんちょう氏がハラスメントを起こしかねない人物扱いされたことに気分を害し、イベントをキャンセルしてしまいました。

 これに対して石川氏は

最初にオファーをいただいた時に、「プロ奢さんがフェミニズムを学ぶイベント」と聞いておりましたので、なかなかそんな機会ってないかな、と思って受けさせていただきました。フェミニストって男性のこと嫌ってると思われてるし、優遇されたいと思われてたりするなぁと感じていて、そういうところをじっくり話せたらいいなぁと感じていました。
すると、告知文が来た時に「プロ奢さんVSフェミニスト」となっており、「フェミは男性嫌悪?」など、煽るような文章でびっくりしました。そして、中立の方にお願いすると言って佐々木さんにお願いされていて、正直私の中で佐々木さんは全然中立とは思えなったので(そもそもフェミニストは男女平等を目指す人で、そうじゃない人と2択しかないと思ってますが)そこでも「そちらの感覚で中立な方を勝手に選ばれて、すごく嫌だしVSみたいになっていて男性嫌悪みたいなイメージにされてすごく不快です、とのことはお伝えしました。小川たまかさんが「フェミニストは誤解や中傷を受けやすいので、安全に配慮したイベントにしてください」とLOFTさんにお伝えしてくれて、その際に気をつけると仰ったそうです。なんですが、直前になってゲストが急に増えたこと、(私は失礼ながらこの方を存じておりませんでした)でしたら私たちももう1人呼びたいですと言ったところ、断られたこと。それに不信感を抱き、このイベントはちゃんとセカンドレイプやセカンドハラスメントなどの二次被害の認識や説明をしてくれているのだろうか?と不安になりました。フェミニズムのイベントなので性暴力、セクハラなどの話になることもありえます。その際に、セカンドレイプやハラスメントをされてしまったらまた自分は自分を責めながら生きていかなければなりません。普通そのようなセンシティブな話をする現場ではそれは徹底されておりますが、ちゃんとその辺りは大丈夫なのかしら?と不安になり「もしそのようなことがあれば、その場で帰らせていただきます」とお伝えしました。言われてしまってからでは取り返しがつかないので。
それをプロ奢さんにお伝えしたところ、お断りになられたそうです。その後のプロ奢さんとゲストさんのツイートを見たところ、セカンドレイプやセカンドハラスメントがなんなのか、あまり分かってないように思えてしまいました。(女性と二人きりにならないとか、握手しないとか書いてあったので、?となりました)そのような経緯です。

「えらいてんちょう氏への敵意に基づいたものではない」など色々と誤解を解こうとしているようですが、loft9がプロ奢さんに送ったDMの内容そのままです。誤解でも何でもない。仮にえらてん氏への敵意が無かったとしても、プロ奢氏やloft9側に足枷を強制した事実は変わりません。これも要約すれば「当日は気持ちよくマウントを取らせてくださいね。でなければ帰りますから。」です。何故なら人によって基準の異なるセカンドレイプ、ハラスメントを未然に防ぐことは不可能であり、真っ当な批判でも自分たちが不快に思ったり都合悪いと感じたらセカンドレイプやハラスメントということにして退場することが可能だからです。この様にハラスメントやセカンドレイプのレッテルをいつ貼られてしまうのか分からない地雷原のようなイベントに出演するメリットはありませんし、何よりお客様を呼ぶわけにはいきません。プロ奢氏が出演キャンセルするのは当たり前です。それ以前に「セカンドレイプやセカンドハラスメントなどの二次被害の認識や説明」って、それ石川氏本人たちがイベントで行うべきことですよね。何故石川氏側とloft9側の認識が事前に共有されていると当然のように思えるのか不思議でなりません。そもそも「プロ奢さんがフェミニズムを学ぶイベント」と最初にご自身で仰っているではありませんか。話が支離滅裂です。

 そしてこのプロ意識の無さはすごい。いや、プロじゃなくてもloft9側の事情を察する気持ちがあれば、集客のために多少誇張した煽り文を入れることや集客できそうなゲストを呼ぶのは容易に想像できるでしょう。そういう思いやりを一切持たないくせに相手にのみ過剰な配慮を求める姿勢はいかがなものでしょうかね。学校の講義じゃあ無いんですよ。イベントですよイベント。『そこまで言って委員会』という関西ローカルの右派番組に10年以上サンドバック役として準レギュラー出演している田嶋陽子氏の爪の垢を煎じて飲めと言いたい。

 このloft9のフェミイベント騒動を #KuToo 運動に置き換えると「私はハイヒールやパンプスを履く気は無いけど、私の結婚式やお葬式にはペタンコ靴やスニーカーで参列しないでね。TPOをわきまえないのは失礼だから。」と言ってるようなものです。自分本位もいいところ。こういう人が#KuTooの主催者だから素直に受け入れることが出来ないんですよ。

■むしろプロフェミになろう

「#KuTooは石川氏の売名行為ではないか?」という声もあるようですが、個人的には、むしろもっと上手く売名してマネタイズしろよと言いたい。要は田嶋陽子氏の様にプロ意識をもってフェミニストをやりなさいと。売名行為にしては自分の名前を売るためのフェミイベントを盛り上げる気概がなさ過ぎでしょう。そんなことだからいつまで経っても日本のフェミニズムは低レベルだし男女間格差が埋まらないんですよ。

 この件に関してもプロ奢氏は興味深いことを仰っていました。

 これもloft9のフェミイベントを盛り上げるための煽り文の一つだったと思うのですが、目論見通り(?)派手に炎上した様です。ただ、この意見そのものはツイフェミを買いかぶり過ぎだった様ですね。私も前回のnoteで資生堂アネッサ炎上は「フラワーデモ」のプロモーションではないか?と述べましたが、ツイフェミたちはそこまで計算高くないのだろうなと今回の件を見て思いました。マネタイズの術まで身につけているツイフェミなんて皆無で、小銭を稼ぐことが目的ではなく、あくまで日夜怒る(怒らせる)ことこそが目的なのだろうなと。綺麗事ばかりのツイフェミはおそらく「小銭稼ぎ=悪」という観念にも束縛されていると思います。だからダメなんですよ。小銭稼ぎしている人はまだ救いがある。

 この件に関して勝部先生は

 勝部先生が言うと説得力があります。なんか癪に障りますがこれには同意出来ます。彼の活動が正しいかどうかは別として、誰かがちゃんと儲かる仕組みを作らないとより良い社会規範なんて定着しませんから。私が#KuToo よりも #スニ活 やPerfume推しなのはそれが理由です。#KuTooも上手くやればビジネスに繋げられたと思うのですが、そのあたりのセンスが無いから日本のフェミニズムは蛸壺化する一方なのでしょう。

 かくいう私もメリット・デメリットのみで行動するのは好きではないのでプロ奢氏はフォローしていないのですが、ツイフェミはもう少しフェミニズムで稼ぐ努力をした方が良いのではないでしょうか。そうすることで少しは社会の仕組みであるとか他者への想像力が身につき議論の質も上がるだろうし、何よりもまずは前向きにお金を稼げるようにならないと自信も身につかないだろうし心も自由になりませんから。現状のツイフェミは所詮一人一派の野良フェミに過ぎず、妄想上の仮想敵を作り出して「いいね争奪戦」に過ぎないSNS上でのお遊びを行っているだけです。ツイフェミでも勝部先生やマルクス氏の様にマネタイズしようとするケースも見受けられますが、売上が芳しくないのはレベルが低くてつまらないからですよ。単純な話です。主張に一貫性がなく、傍から見ているとただのクレーマー。稼げるのはいいねの数だけ。石川氏はタレントだし、有料イベントにフェミニストとして呼ばれるくらいだから多少はプロ意識を持っているのかなと思っていたのですが、この方も野良フェミのクレーマーに過ぎませんでしたね。loft9イベントでのやり取りを見て、あまりの想像力の無さに愕然としました。悪気は全く無いのかもしれませんg、そこが#KuToo運動の脆さにも繋がっていると思います。

■断絶が加速する #KuToo

 そこまで深くは追っていませんが#KuTooに対して批判的な人が男性だけではなく女性たちにも広がっている様です。

 これも当然の流れだと思うんですよね。ヒールの高さを「無駄な負担」と思っていない女性もいるのですから。#KuTooはフォーマルな現場で働く女性たちのプライドまで考慮していないんですよ。おそらく石川氏はパンプスやハイヒールに対する個人的な不快感をそのまま言葉にしただけなんでしょうけど、それこそ現場のプロからすれば1ヶ月程度バイトしただけの素人に代表面されたらたまったものではないでしょう。

 とは言え、冒頭でも述べたように問題提起としての #KuToo は間違っていなかったと思っています。3ヶ月前はこうやってメディアに取り上げられるほど大きな運動になるとは想像もしませんでしたから。企業や政府が動き出したことは大きい。根本匠厚生労働相の「足をけがした労働者に必要もなく着用を強制する場合などはパワハラに該当しうる」という言質を引き出せただけでも大したものだと思います。そこは素直に石川氏を讃えたいし、もっと自信を持ってほしい。しかし、だからこそ私も「もっと上手くやれ」と#KuToo を批判しているわけで、このnoteは激励と受け取っていただけると幸いです。ハイヒールを着用する女性も着用しない女性も働きやすい職場環境作りを目指しましょう。

おわり

(2021.6.8修正済)

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