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高齢者が輝いて生きる環境づくりを

米コロンビア大学・国際長寿センター長のジョン・ビアード氏は、2023年11月20日と21日に行われた「超高齢社会の課題を解決する国際会議」において、高齢者を生かす環境づくりについて言及しています。ビアード氏は、高齢者を一括りに見るのではなく、彼らを能力に基づいて分類し、それぞれに適した社会の対応を考えることの重要性を強調しました。

高齢者は大きく3つのカテゴリーに分けることができます。

  1. 健康な高齢者

  2. 能力が低下しつつある高齢者

  3. 日常的な活動が困難な高齢者

まず、「健康な高齢者」のグループです。彼らは活動的で、社会においても重要な役割を果たしています。このグループに対しては、彼らの健康を維持し、可能な限り社会参加を促進するような支援が必要です。具体的には、健康増進のプログラムや生涯学習の機会、ボランティア活動などが考えられます。また、定年制度の見直しによって、彼らが長く働き続けられる環境を整えることも重要です。

次に、「能力が低下しつつある高齢者」のグループです。彼らは、慢性疾患を持ちながらも、ある程度の自立生活が可能です。ここでは、個々の健康状態やニーズに合わせたケアやサポートが求められます。医療だけでなく、日常生活における小さな支援が、彼らの生活の質を大きく向上させることができます。

最後に、「日常的な活動が困難な高齢者」のグループです。このグループの人々には、より手厚い介護や医療サービスが必要です。家庭や地域社会によるサポートの他、介護施設での生活が必要になることもあります。彼らのニーズに合わせた、多様なケアオプションの提供が求められます。

高齢者を年齢で括る一つの大きなグループとしてではなく、個々の能力や状況に応じた多様なグループとして認識し、それぞれに合った支援を提供すること。これが、高齢化社会を迎える現代において、私たちが目指すべきケアのあり方と言えそうです。それによって、高齢者それぞれが輝いて生きる人生を送り、社会においても積極的な役割を果たし続けられると言えでしょう。


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