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『きく』創作日誌 Day 11:身体で『きく』ダンサー木皮成さんとの稽古

どうも。長谷川優貴(@hase0616)です。クレオパトラというお笑いコンビでネタをしたり、エンニュイという劇団を主宰して脚本演出をしたりしています。

『きく』について

「きく」は元々、2019年5月に三鷹SCOOLで公演した演目です。去年は、それを再構築し、かながわ短編演劇アワードに参加。しかし、陽性者が出てしまい出場できず。

で、今年リベンジしようと思っていたのですが、まさかの応募締め切りのど忘れで応募さえできずに終わりました(笑)なにしてんねん!

でも、僕はきりかえがはやいので、だったら出場するはずだった期間のあたりで普通に会場を借りて公演してしまおうということに至ったわけです。

この作品は大切な作品です。そして今回、最高のメンバーがそろってくれました。台本も叩き直しています。初演とも、去年のコンクール用のやつとも違う新しい「きく」が出来上がります。

今エンニュイは良い流れの中にいると思います。この公演に全力をかけて挑みます。たくさんの方に観ていただきたいです。

どのように作っていくのか、「きく」とはなんなのかなど、公演まで毎日のように創作日誌的なものを書こうと思います。


木皮さんによる振り付け

昨日から、『きく』の最後のシーンの動き相談役を担当してくれるダンサーの木皮成さんが稽古に参加しています。

KIGAWA SEI 木皮 成
​​振付家・映像作家・パフォーマー
1990年生まれ、和歌山県出身。
合同会社フットワークス代表社員。
2010年から8年間、演出家 宮城聰がプロデューサーを務めるAsian Performing Arts Festivalに関わり、
アジア圏のアーティストと積極的な交流を図る。

2015年には、ダンス講師としてカンボジア・シェムリアップに滞在、カンボジアエンタメ業界の黎明期を支える。
帰国後、自作を発表するユニットDE PAY’S MAN(デペイズマン)を立ち上げ、映像・演劇・ダンスとジャンルを問わないアプローチで身体をテーマにした作品を発表し続けている。

また、パフォーマーとして、ロメオ・カステルッチ(ソチエタス・ラファエロ)、クォ・ヨンシム(韓国舞踊協会会長)、ソ・ヒョンソク(延世大学教授)、佐々木透(リクウズルーム)​、近藤良平(埼玉芸術劇場 芸術監督)、ピチェ・クランチェン(ピチェ・クランチェンダンスカンパニー)、ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ(劇団ル・トロワジエム・スペクタクル)など、世界各国を代表とするアーティストの作品に出演。

現在は、多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科 非常勤講師。
北区文化振興財団から委託を受け、区内小中校の芸術鑑賞事業も担当している。
2019年には、インドネシア政府が主催する国際ダンスフェスティバル GOYANG KARAWANG INTERNATIONAL 2019に日本代表のカンパニーとして招聘され、「STREET STORY Indonesia Ver.」の上演が評価され新人振付家賞を受賞。
翌年、継続可能な国際交流の基盤づくりを実践するため、
韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシアのアーティストと共作「MOON CHILD」を発表。
​世界の舞台芸術界の未来を担う人材として注目をされている。

木皮成 公式ウェブサイト より

木皮さんとは、福島県のいわき総合高校の生徒と作品を作った時に出会いました。前の年に創作に関わっていた木皮さんを先生が紹介してくれたのです。元芸人というのと、誕生日が一緒ということで仲良くなりました。

その後、NON STYLE石田さん脚本の舞台の演出をした時に、木皮さんに振り付けをお願いしました。あと石川の公演の時も。

木皮さんは、その人の身体の癖を利用し、無理がない自然で楽しい振り付けをするのでエンニュイと凄く相性がいいです。一見無駄に見えるようなことを積み上げて、みんなで答えを探す感じ。僕が演出する時もそうですが、先導する人が答えを持っていな方が面白いものができます。その方が、出演者も不安になり、能動的にクリエイションしてくれます。ある程度の不安が「自分がやらないと」という気持に繋がり一丸となれる的なことを萩本欽一さんが言っていました。

↓萩本欽一さんのドキュメンタリー。


木皮さんが参加してくれることにより、この作品のテーマである「きくこと」を、身体表現で言葉以外の「きき方」を提案できます。

今回の稽古では、木皮成さんが提案したゲームを何個かやりながら、徐々に身体で聞き、身体で覚え、身体で伝えるという流れを馴染ませていきました。反応を身体で表現することで、「きく」ことの本質を深く理解することができたと思います。

作品を表現する際に、身体表現方法を取り入れることは、作品の幅を広げ、観客により深い体験を提供することができます。

今回のように、外部のアーティストを招いてコラボレーションすることで、作品がより深く掘り下げられ、完成度が高まることも期待できます。僕一人の脳みそじゃ限界があります。なので、常に出演者やスタッフからの意見やアイデアを織り交ぜて作っています。その中で、更に別のプロフェッショナルが混ざると想像を超えられるのです。こうやって、全員の頭脳と身体で作り、本番には観客が観てそれぞれの解釈をしてまた広げてくれる。演劇は無限大です。だから僕はわくわくするし、台本をそこまで大切だと思っていません。目の前にいるプロフェッショナル達がいれば無限に作品が作れるし、全員が想像していなかった現象が起きるからです。僕は、その現象を「演劇」と呼んでいます。

あと数日。木皮成さんの指導を受けながら、作品の最後のシーンを完成させることができるよう、稽古に励みます。

このコラボレーションにより、作品『きく』の魅力が一層増しました。是非、舞台でのパフォーマンスを通して、作品の素晴らしさを体感していただきたいと思います。


読んでいただきありがとうございました。
また『きく』についての創作日誌を書いていきます。

興味を少しでも持ったら、観に来てください。
きっと刺激的な体験が待っています。


ステージナタリーに記事が掲載されました!


ラジオ始めました。ほぼ毎日22時にアップしてます。

エンニュイperformance
『きく』公演詳細



2023年3月24日ー26日

三鷹SCOOL
〒181-0013
東京都三鷹市下連雀 3-33-6
三京ユニオンビル 5F
三鷹駅南口・中央通り直進3分、右手にある茶色いビル5階

【脚本・演出】
長谷川優貴

【出演】
市川フー、zzzpeaker、高畑陸、二田絢乃
以上エンニュイ
浦田かもめ、オツハタ、小林駿
(50音順)

【タイムテーブル】
2023年
3月24日(金) 19:00
3月25日(土) 13:00/18:00
3月26日(日) 13:00/17:00
※受付開始・開場は開演の30分前
※上演時間約80分(予定)

【スタッフ】
ドラマトゥルク:青木省二(エンニュイ)
制作・演出助手:土肥遼馬(エンニュイ/東京軟弱野菜)・四木ひかり
映像:高畑陸
主催・制作:エンニュイ

【チケット】

<券種・料金>
劇場観劇チケット(当日精算・日時指定・全席自由)(予約・当日 別価格)
・一般 前売り¥3300 当日 ¥3500
・U-25(要年齢確認証提示) ¥2800
・エンニュイはじめて割 ¥3000
※「エンニュイはじめて割」エンニュイの公演を初めてご覧になるお客様は前売り価格より300円引きでご覧いただけます。
※「エンニュイはじめて割」は当日券でのご利用はできません。

予約ページ


【エンニュイとは?】



長谷川優貴(クレオパトラ)主宰の演劇組合/演劇をする為に集まれる場所 。
名付け親は又吉直樹(ピース) 「『アンニュイ』と『エンジョイ』を足した造語であり、 物憂げな状態も含めて楽しむようなニュアンス」
2022年11月に新メンバーを加えて、組合として再スタート

長谷川からのコメント



「文字通り、誰かの話を「きく」ことを主題とする作品です。他者が話していること、そのイメージを聞き手が完璧に共有することはできない
人間は、自己が体験したことから想像することしかできない。誰かの話を聞いている最中、私たちの思考は徐々にズレていく。言葉から連想して脱線したり、集中力が切れて別のことを考えたりするそんな、「きく」感覚をそのまま体験するような上演にしました。
僕は母親が未婚の母で母子家庭でした。親戚もいなくて唯一の家族だった母が数年前に他界しました。その時に作った作品です。亡くなったばかりの時に心配してくれた方々と話をした時にズレを感じて、話を聴く時は経験などによって想像や処理のされ方が違うのだと体感しました。別々である人間に共感を期待してはいけない。共感よりも大切なものがあるということと、他人への想像力の大切さを伝えたいです」

あらすじ

「母親が癌になった」
一人の男の語りから話は始まる。
最近、言葉が溢れていて聞き取れない感覚に陥る。
「きく」ことによってその話を「背負う」。
聞いた話の足りない情報を想像で埋める。
「きく」ことの大部分は想像。
そんな「きく」ことを体験できる公演。

2019年の初演のエンニュイ第3回本公演「きく」の感想ツイートまとめ

3月の公演へ行くか迷っている方へのご参考に!

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