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現在価値と将来価値

 いまの100円と、1年後の100円、どちらが価値が高いと思われますか? 現在の100円の価値と将来の100円の価値について考えてみたいと思います。

 まずは、考えられる選択肢は、① 今の100円と、1年後の100円は、同じ価値。② 今の100円よりも、1年後の100円が、価値が高い。③ の100円は、1年後の100円よりも、価値が高い。 この 3つの選択肢があるはずです。今回は、簡単の為、量子力学的選択肢はないものとします。


同じ価値

 当然、今の100円も、1年後の100円も、同じ価値です。古くなっても、錆びても、価値に変わりはありません。新硬貨であっても、100円の価値しかありません。そんなの子供だって分かります。当然ではないでしょうか。今の100円でも、1年後の100円でも、100円の物しか買えません。


1年後の100円が、価値が高い

 いや、今の100円よりも、1年後の100円が、価値が高い。物はだんだん古くなり、劣化するのが物理法則の大原則です。硬貨であっても同様、劣化して古くなります。100円硬貨は単なる、銅とニッケルの合金です。ですから造幣局では、古くなった硬貨を回収し、新しい硬貨を発行しているのです。勘違いしないで下さい。1年後の100円とは、年号の数字が今の100円よりも1年新しい硬貨のことです。ぴかぴかの新しい100円が価値が高いに決まっています。


今の100円が、価値が高い

 「今」に価値があるのです。何でもそうですが、速いに価値があるのです。3週間後に配達される品物よりも、3日後、3日後よりも明日、明日よりも今日、今日よりも「今」です。1年後なんて、有るか無いかも定かではありません。「今」です。今直ぐの100円が、1年後の100円よりも、価値が高い。


投資科学

 実は、投資科学を用いると現在価値と将来価値は次のように表せます。

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ここで

FV: Future Value(将来価値)、PV: Present Value(現在価値)、
R: 割引率(年利)、n: 年数

です。

今の定期預金の年利の多くは、0.002[%] ほどですので、今の100円は、1年後には  ※注:年利1[%]は、R=0.01 です。

double fv;
double pv = 100;
double r = 0.01 * 0.002;
double n = 1;

    fv = pv * pow(1 + r, n);

つまり、100.002円となっています。工学ですね。金融工学です。複利です。証券や債権のプログラム開発に必要となってくる業務知識となります。

それで、こう言う事ができます。「今の100円は(1年後には100.002円なので)、1年後の100円よりも、価値が高い。」 金融工学では、熱力学第二法則も、ニュートン力学も通用しないのです。

以上

※注:将来的に利息が廃止されると、今の100円と、1年後の100円は、同じ価値となります。




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