「せめて」

晴れた。それだけで嬉しい。豪雨の後の晴れ。振り幅がすごい。ここには書けないが、昨日、一悶着あった。それも晴れで、全てふっとんだ。落ち込んだままで終わらなくて、良かった。

現在、金欠真っ只中である。カードの使用額がギリギリなのと、現金もギリギリ。が、しかし。数ヶ月前の自分から、見れば、余裕。金欠とも言えない。昔を思い出せ。贅沢に浸ったな。以前は、岩塩で、昼ごはんにしていた。岩塩プラス白ごはんではない。岩塩をひとつまみ。これでおしまいだ(戦物の小説に、兵士はそれで一日戦うと書いてあったから、俺でもいけると思った)。

現代人、真嗣。冷蔵庫に残っていた、賞味期限残りわずかの、ヨーグルトを発見する。塩ひとつまみとは、いかなかった。今朝のご飯は、1ヨーグルトである。

晴れた日はなぜか冴える。単純にあったかいというのもあるかも。屋上の掃除をする。デッキブラシでゴシゴシ。ラジオを聴きながら、ゴシゴシ。そうしたら、下から人に呼ばれた。午後に入っていると思ってた点検が、午前だった。ありゃま。ふいだったので、ちょっとプライベートを見られた感じ。恥ずかし。

ずっとやりたいと思っていた箇所の、掃除が終わった。明日からは、定期的な清掃に入る。これで、自分の求めていたレベルに近づく。

それでも、1人きり、建物大きさ、やることの多さ、色々な要素に潰されて、動きが取れなくなる。今日は、それに対抗すべく、いっぱいノートにメモ書きを書き込んだ。

そこに「せめて建物に好かれよう」と書いた。ここでの活動が始まってから、イマイチ、ここを好きになれなかった。好きになれない、と、勝手に思っていた。違う。逆だ。自分が、ここを好きにならないと、そして、その思いを載せないと、先には進まない。大事なポイントな気がする。

何回も、何周も、丁寧に、手をかけてあげる。それはいつしか気づくと、すごいものとして帰ってくる。そう信じたい。少しでもいいと思えることをする。そうしてできた建物を僕はまだ知らない。

そんなことを思いながら、掃除。夜になった。一旦買い出しに出る。その帰り道、遠くから、この建物を見る。ちょっとだけ、マイホームな気がした。少し、愛が芽生え始めたのかもしれない。

恋愛は全くなのに、建物への愛が先に来た。

つづく。

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