見出し画像

【インテリアコーディネーター】名作椅子の世界vol.4 パントンチェア

椅子シリーズ第4弾です。

以前の記事で富山県美術館の「20世紀の椅子コレクション」を紹介しました。

今回は私が実際に訪れて見た名作椅子の中から、インテリアコーディネーター試験に頻出の椅子を紹介したいと思います。

***

名作椅子vol.4 パントンチェア

画像1

【試験の暗記ポイント】
作品名:パントンチェア
デザイナー:ヴェルナー・パントン
年代:スカンジナビアン・モダン(1968)
特徴:FRP。スタッキング可能。

スカンジナビアン・モダンは自然素材の温かみや職人の手のぬくもりが感じられる独自のスタイルが特徴。シンプルで洗練されたデザイン。

写真を正面から撮ってしまいました・・・
パントンチェアの曲線美が伝わりません。
それにしてもとても斬新なデザインですよね。デザイナーのパントンさんはこの継ぎ目のないデザインの椅子を製品化するために生涯をかけているわけですから、写真の椅子からも強い意志を感じます。
おそらく展示されていたのは「パントンチェア クラシック」と呼ばれる当時のデザインを再現した、光沢のあるグロスラッカー仕上げのモデルだと思われます。私はイラストで勉強しているとき、勝手にマットな質感をイメージしていたので、実際に見たとき「ピッカピカや!」と心の中で叫んでました。

画像2

(画像お借りしました)

正しい解説をどうぞ

世界初のプラスチック一体成型の椅子「パントン チェア」。ヴァーナー・パントンは製造元のヴィトラとともに理想とする美しい流線形のフォルム、強度、そして大量生産と手頃な価格を叶えるため、1963年から90年代まで幾度となく改良を重ね続けました。技術革新とともに進化した「パントン チェア」は、20世紀のデザインを象徴する存在です。

デンマーク出身で、アルネ・ヤコブセンの事務所で「アントチェア」の開発にも関わっていたヴァーナー・パントン。一方で、いち早く新素材を取り入れて工業生産を目指した彼のデザインは、カラフルでイノベーティブ。アメリカのミッドセンチュリーモダンに近い存在で、クラフツマンシップと木工家具という典型的なスカンジナビアデザインらしさは感じられません。

パントンは1950年代からプラスチックによる一体成型の椅子をつくろうと、15から20の製造元と実用化に挑戦するも、製品化に必要なクオリティが得られずにいました。そんな彼がヴィトラ創業者の息子であるロルフ・フェルバウムを訪ねたことから「パントン チェア」の開発がスタートします。しかし、彼が思い描くような曲線による繋ぎ目のないプラスチックチェアの製造は、当時の技術においては不可能ともいえる挑戦。数年に渡る試行錯誤の日々が続きます。そして67年、冷圧したガラス繊維強化プラスチックを用いて150脚の試作品が完成。パントンのデザインを象徴する鮮やかな色と、彫刻を思わせる斬新なデザインは、当時のデザイン界に大きな衝撃をもたらしたといいます。
その後もコストダウンと大量生産を目指し、68年に現在の「パントン チェア クラシック」の量産が始まりましたが、依然として多くの手作業による仕上げが必要でした。さまざまな素材を使いながら改良を重ね、プラスチックと射出成形の技術革新が進んだ90年代、ポリプロプレン製の現在の「パントン チェア」の量産化に至ります。プラスチック製の椅子を手ごろな価格で量産化するというパントンの夢が叶ったのは99年、彼が亡くなった直後のことでした。

出典「Pen online 名作椅子に恋して。」

https://www.vitra.com/ja-jp/living/product/details/panton-chair

 ***

どうでしたか?
皆さまもお好きな椅子を見つけてみてはいかがでしょうか。




いただいたサポートは今後の自己実現のため使わせていただきます。よろしくお願いします🥺