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「先生」とは呼ばないで

「はしけい」こと、橋本恵子です。「ことば」フェチで『話すように書く』トレーニングを実践中。どうぞ、あたたかく見守ってくださいませ〜


「先生」ではありません

講師として登壇する際、冒頭で主催者や担当者から「橋本先生」と紹介されることが多くあるが、私はいつも「『先生』ではないので、『先生』とは呼ばないでください。橋本さん、はしけいさん、恵子さん、どれでもOKです、どうします?」と参加者に呼び名を決めてもらうようにしている。

相手が小学生でも、大学生でも、朗読レッスンのベテラン勢でも、講演会でも同じようにお願いする。なぜならそれは、私は「教える人」ではなく、私の方が参加者に、圧倒的に学ばせてもらっているからだ。

「先生」って呼んだら罰金です!

小学生たちは、比較的素直に対応してくれる。その場で「ほいじゃ、一回練習してみよっか、はい」と声をかけると「はしけいさーん」と、結構大きな声で呼びかけてくれる。
大人たちは、申し出にはうなずいてくれるものの、いざ、個人的に呼びかける段になると「橋本先生」と口にする方が、かなりいらっしゃる。前に立つ人を「先生」と呼ぶことが習慣化しているのだろう。そんな場面が続くと「次に『先生』って言ったら、罰金取ろうかな」などと、やんわり注意を促すこともある。

今日も、教えてもらことばかり

今日は、7人の高校生向けにキャリアデザイン講座を任された。5時間の長丁場だったこともあり、講座の最初の自己紹介はひとりずつ、たっぷり時間を取った。呼んでほしい名前と、最近楽しかったことや興味のあることをを話してもらうようにお願いしたが、みごとに私が知らないことばかり!ゲームのこと、バイトのこと、好きなアーティストのこと…「え?それってどんなこと?」と私が聴くたびに、高校生たちは顔を見合わせて「え?知らないの?」といった風にけらけら笑う。「もう、おばあちゃん世代だからさ。知らないのよ〜教えて」と言って、今日も大人気ゲーム(ぬり絵しながら敵を倒すゲーム)のことを、丁寧に教えてもらった。

みんなが「先生」で、みんなが「生徒」

違えば違うほど、対話は面白いし学びになる。知らないことを知ることが出来ることは、私にとってこの上ない喜びだし、教えてくれる人は「先生」だ。年齢なんて関係ない。つまり、講座や研修では、お互いが「先生」であり「生徒」であり、それはいつでも行ったり来たりしている。なので、面倒だから「先生と呼ばないで」というわけだ。

「先生」って呼ばせないのは、自分のためかも

それでも、知らず知らずのうちに「上から目線」で対応してしまって「あっ、いけない」と自分にイエローカードを出すこともある。そんな時はたいてい、自分の思い込みの「枠」に囚われてしまって、視野が狭くなっている時だ。ついつい、お説教モードにスイッチがはいってしまったり、口調が厳しくなってしまったりする。気づいたら直ぐに修正したり、謝ったりしているけれど、なかなかにムズカシイ。今日も長丁場だったし、さすがに「退場」になる決定的なことはなかったものの、「おっとっと」という場面は何回かあった。

そして今宵も「反省」

「丁寧に、楽しく」
今年、私が掲げている「ありたい姿」の要点だ。

つい「楽しく」が先走ってしまうので、あえて「丁寧に」を前に持ってきた。ことばを繰り出すスピードはそのままに、でも、置き方と選び方を「丁寧に」していけるように、努めていこう。

なんだかんだと、結局最後は「反省」に行きつく。

学び場に立てる幸せを感じながら、得た学びは次回に活かしていくしかないのだなぁ。




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