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二次元キャラクターオーディションという衝撃!「跨次元新星」についてご紹介。

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。2020年の5月に発表された中国の「2020年中国动漫产业研究报告(2020年中国アニメ産業研究レポート)」によると、二次元ユーザーの規模は、2020年末までに4億人を超えるのが確実視されているようです。

これまで、アニメ作品からコスプレまで、二次元文化は多くの中国人に受け入れられ、二次元のコミュニティも形成されてきました。ただ、「虚拟人物(バーチャル・キャラクター)」に関しては、まだまだ初期段階という感じでした。そんな状況の中で、中国最大級の動画サイト「爱奇艺(iQIYI)」が二次元キャラクターのオーディション番組「跨次元新星(次元を超えるスター)」を制作し、バーチャル・キャラクターの市場は一気に盛り上がりを見せました。

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(1)跨次元新星(次元を超えるスター)について

跨次元新星は爱奇艺(iQIYI)が制作したバーチャル・キャラクターのオーディション番組です。講師として出演したのは「youth with you」で第2位に選ばれたアイドルの「虞书欣(ユーシユウシン)」「偶像练习生(アイドル練習生)」というイケメンアイドルオーディションで第8位に選ばれたイケメンアイドルの「小鬼(Lil Ghost)」日本でも有名な女優「アンジェラベイビー」の3人です。このオーディションは、参加するバーチャル・キャラクターが、オーディションを勝ち抜くと、「地表最强跨次元新星(最強な次元を超えるスター)」という称号を得られるというものです。

※虞书欣とアンジェラベイビーは過去の記事で紹介しました。興味ある方はぜひお読みください。

バーチャル・キャラクターの制作は、高度な技術と高いコスト投資を必要とする大きなプロジェクトになることが一般的です。爱奇艺(iQIYI)は業界トップのデザイナーチーム、、ディレクターチーム、IT技術チームとタッグを組み、鮮やかで立体的なバーチャル・キャラクターと、燃えるようなステージパフォーマンスを視聴者に届けました。

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出演したバーチャル・キャラクターは、それぞれプロフィール設定、性格が異なっていて、見事に一人一人のキャラクターが立っています。例えば、日本から帰国した設定の「秋蒂(チューディー)」はぶりっ子性格で、声が可愛く、観ている方は癒されます。中国大手芸能事務所「YUE HUAエンタテインメント」に所属する設定の「顾城(グーチェン)」は身長188センチの爽やかボーイ、アンジェラベイビーが一番気に入っているバーチャル・キャラクターの「寐鱼(メイユー)」は、まだ18歳の少年という設定です。

しかし、スキルも文化もまだまだ発展途上ということもあり、バーチャル・キャラクターたちのステージパフォーマンス中に、映像がフレーズするなどのトラブルも起きていました。こういったトラブルに対して、ネット上では「このオーディション番組はありえない!」等ネガティブな声もあれば、「新感覚なオーディション番組で面白い!!」というポジティブな声もあります。結果、この番組が放送されてすぐに爱奇艺(iQIYI)の「飙升榜(人気急上昇ランキング)」で第1位、「热播榜(ヒット作品)」で第2位に選ばれ、微博でも話題となり、このオーディションに関する記事の閲読数は4.5億回を超えました。

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(2)二次元の市場について

2007年にバーチャル・キャラクターとしてデビューした初音ミクは、中国人ユーザーにとってはバーチャル・キャラクターの元祖、という存在です。淡い緑色のポニーテール、近未来感のあるミニスカート、電子音楽が中国人のバーチャル・キャラクターに対するスタンダードの基準となりました。そこから、初音ミクをコピーした最初の中国人バーチャル・キャラクター「东方栀子(ドンファングェージー)」が登場しましたが、案の定ネット上で炎上し開発は中止に追い込まれました。こういった紆余曲折の結果、2012年に「洛天依(ローテンイー)」がデビューを果たし、彼女は現在でも中国のバーチャル・キャラクターのTOPを走り続けています。

近年では中国のゲームや小説に登場する人物が続々とバーチャル・キャラクターになり、知名度も高まっています。2012年から2018年にかけて、中国のアニメ市場は6億8,000万元から141億8,000万元へと約20倍に成長し、 それに引っ張られるかのように、バーチャル・キャラクターも同じように成長を続けています。

関連データによると、72.5%のファンはバーチャル・キャラクターのコンサートチケットに約600〜800元を支払うと回答していて、さらに、91.7%のファンは、WEBで有料コンテンツとして視聴する場合は、1回のコンサートに50〜100元を支払うと回答しています。また、ライブコマースが流行っている現在、バーチャル・キャラクターによるライブコマースも見られるようになりました。新しいバーチャル・キャラクターの可能性が広がってきているようです。

以上、二次元キャラクターオーディション「跨次元新星」と、バーチャル・キャラクターの市場についてのご紹介でした。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp


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