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要注意!「確定申告を忘れた時のペナルティ」

皆さん、確定申告はお済みでしょうか。ほとんどの方は大丈夫だと思いますが、時折このような相談を受けることがあります。
「ドタバタしていて申告期日を過ぎてしまった」
「今からでも申告して大丈夫だろうか」
「期日後の申告はどうしたらいいのか」

確定申告を忘れると、非常に重いペナルティが課される上に、対処にも時間がかかります。詳しく知れば「絶対に申告期日は守ろう」と思うはずです。
シリーズ「犬も歩けば税に当たるー経営者なら一度は悩むことー」では、日常で疑問に感じつつスルーしがちな税のアレコレを解説します。


無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告の未申告の事業者に課されるものです。滞納額のうち、50万円までに15%、50万円を超える金額に20%、300万円を超える金額に30%が課されます。仮に100万円の納税額だったとした場合、17.5万円が無申告加算税額となります。かなり大きな金額ですね。
とはいえ、未申告でも出来るだけ早く申告するのをお勧めします。税務署から指摘される前に自主的に申告した場合は5%に軽減されます。また、次の条件を両方満たしていれば免除されます!

  • 申告期日(つまり3月15日)から一カ月以内に申告していること

  • 申告期日は過ぎていても納税期日は守っていること

  • 過去5年間に無申告加算税や重加算税(納税額の意図的な改ざんに課されるペナルティ)を課されていないこと

延滞税

延滞税は、その名の通り納税額の延滞に対して課される税金です。延滞日数により、次のとおり課税割合が変わります。

申告期日(つまり3月15日)から二カ月以内の場合

原則は年率7.3%です。
ただし令和3年以降分については ”延滞税特例基準割合+1.0%” と比べて低い方が適用されます。ちなみに、今のところは後者が適用されてきました。各年で適用された年率は次の通りです。仮に100万円が納税額だったとすると、令和6年基準の場合は2万4千円となります。
令和3年: 2.5%
令和4年: 2.4%
令和5年: 2.4%
令和6年: 2.4%

申告期日(つまり3月15日)から二カ月を超えた場合

原則は年率14.6%です。
ただし令和3年以降分については ”延滞税特例基準割合+7.3%” と比べて低い方が適用されます。これまでのところ、後者が適用されています。各年で適用された年率は次の通りです。仮に100万円が納税額だったとすると、令和6年基準の場合は8万7千円となります。
令和3年: 8.8%
令和4年: 8.7%
令和5年: 8.7%
令和6年: 8.7%

青色申告特別控除65万円の減額

青色確定申告の最大の利点は65万円の青色申告特別控除です。しかし、この控除は申告期日を守ることが前提です。国税庁のHPは次の通り規定していますので、申告期日を過ぎると控除できる額が10万円に減額される可能性があります。かなり痛いペナルティです。

その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと

国税庁HP:No.2072 青色申告特別控除

青色申告の承認の取り消し

法人の場合、2年連続で確定申告の期日を過ぎた場合、青色申告の承認が取り消されてしまいます。そうなると以降は青色申告ができなくなってしまいます。これも痛いペナルティですね。
ちなみに個人の場合は確定申告の承認が取り消されることは無いとされていますが、ペナルティが無くなるわけではないので注意しましょう。

まとめ

例えば100万円の納税額に対して、1年延滞した場合を想定してみましょう。
無申告加算税: 17.5万円
延滞税: 8.7万円(令和6年基準)
合計: 26.2万円
約26%も追加で納税しなくてはならない、ということです。
確定申告をめんどくさいと思う方は多いでしょう。しかし金額的な負担に加えて青色申告の否認などのペナルティと比べると、どうでしょうか。「それなら頑張って期日内申告しよう」と感じて下さったはずです。

橋本美菜税理士事務所は、
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