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この20年間で再評価された90年代のアルバムって何?


今回は個人的に以前から気になっていた事について書いてみたいと思います。
きっかけは2022年に音楽メディア、Pitchforkが発表した「The 150 Best Albums of the 1990s」というこちらの企画でした。

1990年代にリリースされたアルバムの中で重要な意味を持つ、優れた作品を150枚選びランキング形式で発表するというこちらの記事。
実はPitchforkは2003年に同じ企画を行っていて、その時のラインナップと上位の顔ぶれがガラッと変わっていた事が当時話題になり、ネットやSNS上では様々な意見が見受けられました。

その当時自分もその変化ぶりに驚きつつも、時代の流れとはそういうものだよなと感じていたんですが、自分が思っていた以上に否定的な意見があった事も記憶しています。
「Pitchforkらしくない」とか、「ポップなラインナップ過ぎて面白くない」とか、「都合良く時代の刷新を示してるだけ」とか。
当時の自分の投稿に2003年の時と2022年の時の上位30作品の変わりっぷりを画像や作品名で比較したものがあったのでそちらをぜひ見て欲しいんですが、確かにかなり変わってますよね。

まぁ20年近くも時が経てば評価したい作品も変わってくるだろうし、価値観の変化や時代性みたいなものもかなり反映されてると思うので、自分は興味深いなーくらいの感じで見ていたのですが。

そこで今回は、この20年近くでどんな作品やアーティストが評価されるようになってきたのか、影響力を増してきたのか、そのあたりをリストの変化を通してみてみたいと思います。
Pitchforkのリストの変化だけだとちょっと偏った意見になりそうなので、今回は同じくアメリカの主要な音楽メディアであるRolling Stone誌の「The 500 Greatest Albums of All Time」という企画のリストの変化もあわせて見ていくことにしたいと思います。
こちらの企画もこれまで何度か行っていて、その度に順位がかなり入れ替わっているので、その順位の移り変わりで時代の流れが分かりやすく可視化されているかなと思います。
今回は2003年に発表された第1回目のものと、2023年の年末に発表された最新のものの順位を比較してみたいと思います。
こちらが2003年バージョン。

そしてこちらが2023年バージョンですね。

ちなみに今回は90年代の作品に絞って見てみようと思います。
Pitchforkの年代別ベストで2回以上行ってるのが80年代と90年代なので、順位の変化を見る意味でどちらかにしようと思ってて、80年代はいずれやりたいのですが今回はまず90年代の作品について見ていこうと思います。

改めてPitchforkのランキングの変化を上位30作品ですが見てみましょう。

そしてRolling Stone誌のランキングを90年代に絞って上位30作品を並べたものがこちらです。

どちらも大体同じような作品が上位にランクインしてるわけなんですが、大きく順位を上げたり初めてランクインしているのは女性アーティストや黒人アーティストの作品が目立ちますよね。
というかそもそも2003年バージョンの時に女性アーティストや黒人アーティストの作品が少な過ぎるんですが…。
それだけ当時は偏った価値観というか、男性優位でロックこそが優れた音楽だ、という認識が音楽メディアの中に強くあったんだと思います。
もちろんPitchforkやRolling Stoneが2003年当時は主にロックを扱うメディアだったというのも大きいと思いますが、その後の20年でロックが大きく発展したかというとそれは微妙なところで…。
ヒップホップやR&Bといったブラックミュージックが音楽シーンの中心となり、ロックやポップスの中でも飛躍していったのは女性アーティストがほとんどというのがこの20年間の流れと言えるので、このランキングの変化というのはまぁ至極当然というか、自然な形なのかなと個人的には思います。

ちなみにですが、PitchforkとRolling Stoneがここ10年で年間ベストアルバムにどんな作品を選んできたかも見てみましょう。
まずはPitchforkから。

2014: Run the Jewels 「Run the Jewels 2」
2015: Kendrick Lamar 「To Pimp A Butterfly」
2016: Solange 「A Seat At the Table」
2017: Kendrick Lamar 「DAMN.」
2018: Mitski 「Be the Cowboy」
2019: Lana Del Rey「Norman Fucking Rockwell!」
2020: Fiona Apple 「Fetch the Bolt Cutters」
2021: Jazmine Sullivan 「Heaux Tales」
2022: Beyoncé 「RENAISSANCE」
2023: SZA 「SOS」
   
続いてRolling Stoneがこちら。

2014: U2 「Songs of Innocence」
2015: Kendrick Lamar 「To Pimp A Butterfly」
2016: Beyoncé 「Lemonade」
2017: Kendrick Lamar 「DAMN.」
2018: Cardi B 「Invasion of Privacy」
2019: Ariana Grande 「thank u, next」
2020: Taylor Swift 「folklore」
2021: Olivia Rodrigo 「SOUR」
2022: Beyoncé 「RENAISSANCE」
2023: SZA 「SOS」

このラインナップを見ても、どちらもやはり黒人アーティスト、女性アーティストの作品が多く選ばれていることが分かりますよね。
この2つのメディアに限らず、毎年発表される多くの音楽メディアの年間ベストはほとんど同じような傾向が見られていて、ここ数年の音楽界は女性や黒人のアーティストが先頭に立ち引っ張っていってると言えるのかなと思います。

PitchforkやRolling Stoneがなぜ90年代ベストアルバムのランキングを大きく改訂したのか?
それはやはりここ数年の音楽シーンの傾向が大きく反映されているからだと言えるんじゃないかなと思います。
現行の音楽シーンで活躍しているアーティストや彼らが発表した傑作アルバム。
それらに大きな影響を与えている作品が大きく順位を上げている、というような事が言えるんじゃないかなと思いますね。
というわけでここからは、どんな作品やアーティストが評価、はたまた再評価されるようになったのか、そのあたりを具体的に見ていきたいと思います。

  1. R&B

SZA、Solange、Jazmine Sullivan、Frank Oceanなど、近年高く評価されているアーティストに大きな影響を与えた作品が上位にランクインしている印象で、いわゆるネオソウルと呼ばれたR&Bの重要性がここ数年さらに高まってきてるのかなと感じますよね。
その代表と言えるのがこちらの3作品です。

Lauryn Hill 「The Miseducation of Lauryn Hill」(1998)
Pitchfork ランク外→2位 Rolling Stone 312位→10位
Erykah Badu 「Baduizm」(1997)
Pitchfork ランク外→17位 Rolling Stone ランク外→89位

D’Angelo 「Brown Sugar」(1995)
Pitchfork ランク外→20位 Rolling Stone 481位→183位

Lauryn Hillは黒人女性アーティスト躍進の筆頭と言える存在で、どちらのリストでもほぼ最上位と言える順位にランクインしてますよね。
当時妊娠・出産を経験した1人の女性の苦悩や喜びなどの目まぐるしい感情の変化をリアルに表現した歌詞の内容も、それを歌とラップを交えて表現した革新性においても、全てにおいてその後の女性・黒人アーティストのお手本と言える作品ですよね。
Erykah BaduとD’Angeloはジャズやソウルとヒップホップを融合させた当時のムーヴメント、ネオソウルの代表格であり、その流れの火付け役と言えるコレクティブ、Soulquariansのメンバーの一員として2000年以降により影響力を増していく2人のデビュー作という意味でも、改めてその重要性が評価され順位に表れた形ですよね。
そしてこのあたりの作品の躍進も印象的でした。

Janet Jackson 「The Velvet Rope」(1997)
Pitchfork ランク外→7位 Rolling Stone 256位→318位

当時人気の絶頂だったJanetがリリースした、内省的なムードのサウンド、セクシャルかつパーソナルでダークな内容の歌詞という非常に攻めた仕上がりの今作は、様々な面でその後のR&Bに大きな影響を与えたと言われてますよね。
全体的にはスロージャムな楽曲が多い中で、アグレッシブなビートが一際異彩を放つ「Empty」や、Joni MitchellをサンプリングしQ-Tipをゲストに迎えた「Got ‘til It’s Gone」など今聴いても斬新な楽曲もたくさんあって、改めて聴く価値のある作品だなと思いますね。
Pitchforkでは前作の「janet.」も38位にランクインしていて、Janetのヴォーカルやダンスパフォーマンスの部分も含めて影響力の大きさを示してますよね。

Aaliyah 「One in a Million」(1996)
Pitchfork ランク外→15位 Rolling Stone ランク外→314位

Aaliyahの「One in a Million」も今のR&B・ヒップホップに与えた影響の大きさは計り知れません。
当時まだ無名に近かったTimbalandとMissy Elliottをプロデューサーとして迎え、その不規則かつ変則的なビートを世の中に紹介したという意味でも本当に歴史的な意味を持つ1枚ですし、彼女の美しく滑らかなヴォーカルスタイルがその後の女性シンガー達に与えた影響の大きさも特筆すべきポイントかなと思います。

他にもMary J. Bligeの「My Life」、TLCの「CrazySexyCool」、Destiny’s Childの「The Writing’s On the Wall」といったクラシック作品が上位に名を連ねていて、今のポップス・R&Bの礎を築いたアルバムとして高く評価されていることが分かります。

2. ヒップホップ

R&Bと同じく黒人アーティストが発展させてきたジャンルの音楽として、ここ20年でのヒップホップの存在感の大きさは語らないわけにはいきません。
2003年バージョンの時点で既に高く評価されていた作品もいくつかあって、それがこのあたりのアルバムですね。

Dr. Dre 「The Chronic」(1992)
Pitchfork 79位→24位 Rolling Stone 137位→37位

A Tribe Called Quest 「The Low End Theory」(1991)
Pitchfork 56位→9位 Rolling Stone 154位→53位

The Notorious B.I.G. 「Ready to Die」(1994)
Pitchfork 32位→14位 Rolling Stone 133位→22位

NaS 「Illmatic」(1994)
Pitchfork 33位→22位 Rolling Stone 400位→44位

Wu-Tang Clan 「Enter the Wu-Tang (36 Chambers)」(1993)
Pitchfork 36位→5位 Rolling Stone 386位→27位

Jay-Z 「Reasonable Doubt」(1996)
Pitchfork ランク外→59位 Rolling Stone 248位→67位

どれもヒップホップの歴史を語る上で避けては通れない傑作中の傑作なんですが、これらの作品が順位を上げるのはまぁ至極真っ当というか、再評価されているというよりは本来評価されて然るべき作品が順当に評価されるようになったという感じなのかなと思います。
ではこの20年で評価が高まったヒップホップ作品はどういった作品なのかを見ていきましょう。

OutKast 「Aquemini」(1998)
Pitchfork 50位→12位 Rolling Stone ランク外→49位

90年代のヒップホップは先程挙げた作品を見ても分かる通り、ニューヨークを中心とする東海岸とロサンゼルスを中心とする西海岸という2ヶ所の圧倒的に強大なエリアがシーンを占めていました。
ただ2000年代以降に活性化していったのはそれらとは違った地域で、特にアメリカ南部のヒップホップは2010年代以降も含めて急速にその勢力を増していったエリアと言えると思います。
その足がかりを作ったと言えるのがアトランタ出身のOutKastで、彼らのぶっ飛んだクリエイティヴィティが爆発した3rdアルバムの「Aquemini」は、サウスヒップホップにおける記念碑的傑作として語り継がれているクラシックですよね。
OutKastとしての活動はもう15年以上無いですが、今年グラミー賞でラップ部門を独占していたKiller Mikeや、2010年代に一時代を築いたFutureなど、OutKastを中心としたコレクティブのDungeon Familyのメンバーは第一線で活躍してますし、André 3000もBig Boiもそれぞれソロとしての存在感は健在ですよね。
トラップミュージックの発信源として今やヒップホップの聖地となったアトランタを全世界に知らしめた意味でも、やはりOutKastの存在感の大きさは今後も増し続けていくだろうなと思います。
アメリカ南部のヒップホップの活性化に大きく貢献した作品としては、OutKastの他にもJuvenileの「400 Degreez」やUGKの「Ridin’ Dirty」、Scarfaceの「The Fix」といった傑作アルバムが順位を上げていましたね。

ヒップホップの流れの変化としてもう一つ挙げるとすると、やはり女性ラッパーの台頭というのが大きなトピックとしてあると思います。
Nicki MinajやCardi B、Megan Thee Stallionをはじめとして、ここ数年は男性ラッパー以上に女性ラッパー達が存在感を増してきている気がしますよね。
そのきっかけを作ったのが先程も紹介したLauryn Hill、そしてMissy Elliottですね。

Missy Elliott 「Supa Dupa Fly」(1997)
Pitchfork ランク外→74位 Rolling Stone ランク外→93位

MissyもLaurynと同様にラップと歌を上手く使い分けるスタイルなんですが、Missyの場合はやはりそのサウンドの斬新さ、サウンドイノベーターとしての評価が高まってきている印象がありますよね。
Aaliyahのところでも触れましたが、Timbalandとのコンビによるチキチキビートとも称される変態性の強いサウンドは、いつの時代に聴いても新鮮で未来的。
特にこのデビューアルバムの衝撃は凄まじく、男性社会だったヒップホップの世界において、女性でもこれだけクリエイティブな作品が作れるんだと思わせた功績は大きいなと思いますね。
Missyとはまた違ったベクトルで女性ラッパーのモデル的な存在となったLil’ Kimのデビューアルバム「Hard Core」もPitchforkのランキングで38位というかなりの高順位にランクインしていて、これはかなり驚きましたね。   

その他にもPitchforkのランキングではMos Defの「Back On Both Sides」が30位、MF Doomの「Operation: Doomsday」が65位にランクインするなど、アンダーグラウンドなシーンでカルト的な人気を得ているクラシック作品も入ってきているのも印象的でした。
90年代のヒップホップに関しては去年より詳しく書いた記事があるので、よかったらそちらも覗いてみてください。

3. 女性SSW・バンド

ここ数年の音楽シーンの中心には常に女性アーティストが君臨していて、それはポップスやR&B、ヒップホップだけでなくロックの世界も同様なのかなと思います。
Phoebe BridgersやMitski、Lana Del Reyなど、女性SSW達が毎年のように傑作を生み出し、音楽フェスなどでもヘッドライナーを務めるなど、その活躍の規模は年々大きくなっていますよね。
90年代も女性SSWが数多く活躍した時代ですが、その当時はまだ音楽的な評価はそれ程高くはなく、今回ランキングを比較して気になったのは、多くの女性SSWや女性バンドが大きく順位を上げている事でした。
それがこのあたりですね。

Liz Phair 「Exile in Guyville」(1993)
Pitchfork 30位→4位 Rolling Stone 328位→56位

Hole 「Live Through This」(1994)
Pitchfork ランク外→8位 Rolling Stone 466位→106位

PJ Harvey 「Rid of Me」(1993)
 Pitchfork 52位→16位 Rolling Stone 405位→153位

Fiona Apple 「When the Pawn…」(1999)
Pitchfork ランク外→19位 Rolling Stone ランク外→108位

Alanis Morissette 「Jagged Little Pill」(1995)
 Pitchfork ランク外→51位 Rolling Stone 327位→69位

Lucinda Williams 「Car Wheels On a Gravel Road」(1998)
Pitchfork ランク外→32位 Rolling Stone 304位→98位

まだまだ男性優位だった90年代の音楽シーン、特にロックの世界はそれが色濃く残っていた時代で、そんな中で彼女達が世の中の女性達の声を代弁するかのように怒り、叫び、歌にしていたという事は、今の時代にも確実に繋がっていますよね。
ちなみに2003年バージョンのPitchforkのランキングに女性で唯一上位に入っていたBjörkですが、「Post」が20位から28位に順位を下げ、逆に「Homogenic」は21位から6位に順位を上げていて、そのあたりの評価の変化も興味深かったですね。

4. トリップホップ

90年代にイギリスのブリストルを発祥とし世界的に広まっていったとされているトリップホップ。
ヒップホップやエレクトロが混在したダウナーな響きのサウンドは、2020年代に入っても多くのミュージシャンの間で取り入れられ、大きなムーヴメントが起こる程では無い程度に薄ーくぼんやり長ーくずっと流行ってるみたいな印象がありますよね。
その代表格として挙げられるのはやはりこの作品です。

Portishead 「Dummy」(1994)
Pitchfork 48位→11位 Rolling Stone 419位→131位

どこか退廃的で不気味で得体の知れない、90年代特有の空気感を纏ったこのアルバムは、トリップホップのイメージを作り上げた作品であり、ヴォーカルのBeth Gibbonsの仄暗く憂いを秘めた声の響きがトリップホップを何か特別な音楽たらしめている大きな要因となっている気がしますね。
その他Massive Attackの「Blue Lines」やTrickyの「Maxinquaye」といった傑作が順位を上げているのも印象的でした。

5. シューゲイザー・ドリームポップ

2010年代以降に登場してきたロックバンドは、いわゆる正統派なロックやパンクといったサウンドというよりは、耽美でニュアンシーな世界観のサウンドを鳴らすバンドの方が多い傾向があるような気がします。
シューゲイザーやドリームポップなどと称される、激しいギターの音色やアンニュイなヴォーカルが作り出す、まどろむような陶酔感が魅力のサウンドは、いつの時代においても求められる響きなんだと思います。
その原点にして頂点と言えるこれら2枚の傑作は、時代が進むに連れよりその影響力を増していっている気がします。

my bloody valentine 「loveless」(1991)
Pitchfork 2位→1位 Rolling Stone 219位→73位
Cocteau Twins 「Heaven or Las Vegas」(1990)
Pitchfork 90位→18位 Rolling Stone ランク外→245位

「loveless」はPitchforkのランキングではRadioheadの「OK Computer」に次ぐ2位だったのが1位になったというのが何か意味を感じますよね。
「Heaven or Las Vegas」も90位から18位となり、これはPitchforkのランキングで最も順位が上がったアルバムなんですよね。
先日もAlvvaysのMollyとThe xxのRomyがあなたにとってのパーフェクトなアルバムは?という質問に対して「Heaven or Las Vegas」を挙げてましたが、多くのミュージシャンがこのアルバムの美しさや儚さみたいなものに魅了され、自分達のサウンドのインスピレーションにしているんだなという事に改めて気付かされました。

その他だと、Pitchforkの方ではDaft Punkの「Homework」やSilver Jewsの「American Water」、Elliott Smithの「Either/Or」などが大きく順位を上げていたり、Rolling Stoneの方ではNine Inch Nailsの「The Downward Spiral」などが評価を上げていたのが印象的でした。

ちなみにですがPitchforkだと楽曲単位のランキングもありまして、そちらもかなり衝撃的な順位の変化で発表された当時話題になりました。
こちらが改訂版。

こちらがオリジナル版ですね。

Pavementの「Gold Soundz」を1位にしていたメディアが、約20年後にMariah Careyの「Fantasy (Remix)feat. Ol’ Dirty Bastard」を1位にするというのはさすがに予想外でしたね。
こちらも細かく分析してみると色々と面白そうではありますが、キリがないので今回はこの辺で。

では最後に、逆に順位を大きく落としたのはどんな作品なのかも見てみましょう。

こちらPitchforkの2003年バージョンの上位30作品なんですが、The Flaming LipsやGuided by Voices、Built to Spill、Modest Mouseなどなど、Pitchforkが当時推していたバンド達の作品が軒並み大きく順位を下げていて、中にはランク外となるものも多く見られました。
まぁこれも価値観の変化というか、その作品の評価自体が下がったわけではなくて、今の時代を反映した結果としてその流れには沿わなかった作品、というような感じなんだと思いますね。

こんな感じで、ランキングの変化から時代性やトレンドなんかを考察するのも結構面白いもんですよね。
今後の音楽シーンの流れによっては、また数年後全く違った順位のランキングが発表されるかもしれないし、時代時代で評価される作品が変わっていくのもごく自然な事なのかなと個人的には感じました。
冒頭でちらっと書いたんですが、80年代ではどんな作品が再評価されてきてるのかも今後調べてみたいなと思いますね。
00年代もそろそろ振り返るべきタイミングが来そうだし、こういったベスト企画をきっかけに改めて傑作を聴き直してみるのも楽しいですよね。
今回の記事がその助けになれば嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!




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