わろえないからやめたげて

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油断すると、5000棟の新乳児高層団地に住む母親たち(少子化政策に反対していた多産派)がベランダからいっせいに――まるで卵でも遊び落とすようにうすら笑って――赤子をそっと落とすビジョンがスロー再生で脳裏をよぎる。無音だったはずなのにぼとぼとと落ち割れた骨の音が耳朶に響いた。