お腹の中の赤ちゃんが重篤な心臓病だと分かったとき、まっ先に相談すべき家族にさえ何も言うことができなかった。もはや堕ろすことができない週だったのは幸いで、生み進めるしか道はなかった。それでも苦しんだ。もし迷うことが可能な週数だったらと考えると、もっともっと苦しんだことだろう。
うちの小さな息子は逝く前日に歯科健診をしたのだった。どの歯もほんとうにきれいだとお墨付きで大人になっても十分に胸を張れる。翌日がその日だなんて、知らなかったよ。 骨壷の一番上にはやっぱり、あの子のきれいな歯をちょこんと。