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過去の思い出 2009年 第45回札幌記念


過去のレースの思い出、馬券自慢を勝手に語ってみる企画。
今回は2009年の札幌記念を振り返る。


この年の最大の注目馬は同年の牝馬クラシック戦線の主役だったブエナビスタ

すでに桜花賞、オークスを制して5連勝中で勢いに乗っており、この札幌記念を叩いて凱旋門賞へ参戦の予定であった。しかも3歳牝馬という事で斤量は52キロの最軽量という事もあり単勝1倍台の断然の1人気。

これに対するのが古豪のマツリダゴッホで、勢いそのものはブエナビスタに劣るものの出走メンバー間の力関係と、得意の小回りコースでの巻き返しにも期待がかかって2人気。続いて目黒記念→七夕賞と重賞連勝中のミヤビランベリが3人気だが、単勝オッズは10倍台で随分と意外と低評価。1人気ブエナビスタの圧倒的な支持率の高さが際立っていたレースだった。

レースはドリームサンデー(8人気)、マンハッタンスカイ(10人気)、ステキシンスケクン(15人気)らが先行集団を形成してレースを引っ張る中、ブエナビスタは中団やや後方の外を追走。マツリダゴッホはブエナビスタをマークするような位置でレースを進める。

レースが動いたのは3角でのマツリダゴッホの動き。ブエナビスタの機先を制するように3角で捲り気味に進出開始。これに1馬身ほど遅れる形でブエナビスタが動き出して2頭揃って3~4角を外から捲り気味に一気に進出。人気2頭が後方外からハデな動きを見せて会場は一気に湧いた事だろう。(実際に競馬場で見ていた訳ではないが…)

直線は当然この人気2頭が伸びを見せて…と思いきや、案外な結果に終わってしまう。3~4角の勢いはどこに行ったのか、直線半ばではマツリダゴッホの脚が上がって甘くなり最終的に失速気味になって9着に敗退。ブエナビスタも直線入口から序盤でモタモタした感じを見せエンジンの掛かりの遅さを露呈。最後の1Fでエンジンが掛かって豪快な伸びを見せてゴール前で外から強襲したものの、直線序盤でモタついたのが影響してクビ差及ばずの2着まで。

勝ったのは7人気だったヤマニンキングリー。道中は好位のインを追走して4角から直線入口のコーナーリングで上手く外に持ち出すと直線は最後の1Fで抜け出して押し切る形。ゴール前でブエナビスタの追撃に遭ったが、終始内々を上手く立ち回る形の内容で2着馬とは位置取りとコース取りの差が出た形であり、持ち味の機動力とスピード持続力を生かし切る内容。

ヤマニンキングリーはこのレースに至るまでに4戦連続で重賞で連対していたが何故か7人気の低評価。詰めの甘いところはあったのでその辺りが影響しているとは思うが、それでも終わってみれば7人気という評価は低い。前述のようにブエナビスタの圧倒的人気、そしてマツリダゴッホ以下の古豪の馬の陰に隠れてしまったのだろう。

勝ったヤマニンキングリーはこれで5戦連続で重賞で連対(うち重賞2勝)。休みを挟んで秋緒戦の毎日王冠では一転して2人気の支持を得たが結果は9着敗退。続く天皇賞秋、JCとG1戦線に参戦したがこの秋3戦はすべて加速勝負の中で持ち味を発揮できずに終わってしまう。翌年以降も阪神内回りなど小回りコースで善戦を見せたが目立った結果を残せず。11年秋には突如ダート路線に転向してその初戦シリウスSで鮮やかな勝利を見せて復活をアピール。同時に父であるアグネスデジタル同様に芝とダートの両方での重賞ウイナーとなった。

2着ブエナビスタはゴール前の伸びこそ鋭かったが、直線入口~序盤でもたつく感じになったのが致命傷。この後に予定していた凱旋門賞参戦を見送って秋華賞に出走したが、4角で馬群に包まれた際に斜行した事もあって2着入線も3着降着。この後G1戦線で活躍し続ける馬であるが、小回りコースでは勝負所で包まれたり大外ををブン回して差し届かずという形のレースが多く見られるようになり、小回りコースに対する不安というのがこの札幌記念ですでに見られていた事になる。

3着サクラオリオン(4人気)、4着マンハッタンスカイ(10人気)はここでの善戦を最後に下降線の一途を辿り重賞戦線での活躍は見られず。5着トーセンキャプテン(13人気)もこの年の秋の京都大賞典で3着に来たのを最後に下降していく。

2人気で9着敗退のマツリダゴッホはここを叩いての上積みがあったのか次戦のオールカマーを快勝。この年の有馬記念でも3人気の支持を集めて4角先頭の見せ場を作って沸かせたが7着敗退の後に現役を引退。種牡馬になってもロードクエスト(重賞3勝)を輩出するなどの活躍を見せている。


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