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競馬コラム 買い目の増加と回収率公表による不都合な真実


現状では馬連3点、3連複13点の16店で勝負


個人的な競馬歴は約30年。めちゃくちゃ簡易的な感じで競馬の予想を公開し始めて約20年(その間に何年かの休止期間アリ)。
単純に印をつけるだけの予想から予想コメント付き、買い目も公開…と様々な形で予想をしてきたけど、当初は3連単が無い時代というのもあったのだが、基本的には馬券は馬連、3連複で勝負してきた。買い目の数は年々違ったのは事実だが、ここ数年はほぼ固定されていて基本的に馬連3点と3連複の13点のみでの勝負をしている。

でも今や馬連で勝負している予想家(アマチュア)は殆ど居なくなった感じだし、昔に比べるとワイドや単複で勝負する人の割合が増えたとは思うが、それでも的中すれば即万馬券が期待できる3連単が主流になりつつある時代。私自身もたまに3連単に手を出すのだが、正直なところ的中したためしがない。

ただ3連単は絞り込み過ぎても当たらないが、手を広げ過ぎても投資金額が増加するだけで回収率に悪影響を及ぼすはず。

しかし予想家の看板がある以上は的中させなくてはいけない…という面もあって、これらのバランスが非常に難しい所ではある。

素朴な疑問…買い目を増やす事でどうなるのか?


ここで仮定の話で目一杯買い目を広げてみたらどうなるのだろうか?という事。買い目を増やす方向で考えてられる候補は以下の通り。

馬連:◎○▲ BOX (3点) ←現状の買い目
3連複F:◎○軸△流し・◎▲軸△流し・○▲軸△流し(13点)←現状の買い目
3連複:◎軸○▲△流し(15点)
3連複:◎○軸▲△流し(25点)
3連複:◎○▲軸△流し(31点)
3連単F:◎○▲→◎○▲→◎○▲△(30点)
3連単F:◎○▲→◎○▲△→◎○▲△(90点)

上記の候補から目一杯買い目を広げると仮定して…

馬連:◎○▲ BOX (3店) 
3連複:◎○▲軸△流し(31点)
3連単F:◎○▲→◎○▲△→◎○▲△(90点)

以上3つの種類と買い目を設定。
以上3つの合計124点買い(1点100円計算でも12,400円になる)とした場合私の2023年度の重賞予想結果に当てはめてみるとどうなるかを検証してみる。

2023年上半期(1~6月)の重賞予想成績で検証

まずは2023年の1~6月までの上半期の結果に当て嵌めてみると、以下のレースが的中となる。(現状の買い目ですでに的中しているケースを含む)

1/5 京都金杯
◎ピースワンパラディ 4着(3人気)
結果:○-△-△ 3連複・3連単 的中!
3連複:4,140円
3連単:24,480円

1/14 愛知杯 
◎マリアエレーナ 3着(2人気)
結果:△-▲-◎ 3連複 的中!
3連複:5500円(10)

1/22 東海S 
◎オーヴェルニュ 8着(8人気)
結果:△-○-△ 3連複 的中!
3連複:1,750円

1/29 シルクロードS 
◎グルーヴィット 15着(8人気)
結果:▲-△-○ 3連複 的中!
3連複:6040円
3連単:49,270円

1/29 根岸S
◎ヘリオス 15着(5人気)
結果:△-△-▲ 3連複 的中!
3連複:1,070円

2/11 クイーンC
◎モリアーナ 3着(3人気)
結果:△-○-◎ 3連複 的中!
3連複:3,300円

2/12 京都記念
◎キングオブドラゴン 4着(9人気)
結果:△-○-△ 3連複 的中!
3連複:3,470円

2/12 共同通信杯
◎レイベリング 9着(4人気)
結果:○-△-▲ 3連複 3連単 的中!
3連複:2,480円
3連単:13,800円

3/5 弥生賞 
◎トップナイフ 2着(1人気)
結果:▲-◎-無 馬連的中!
払戻金:馬連680円(2)

3/11 中山牝馬S
◎スルーセブンシーズ 1着(2人気)
結果:◎-△-▲ 3連複 3連単 的中!
3連複:5,920円(21)
3連単:25,320円

3/19 阪神大賞典
◎ディープボンド 5着(3人気)
結果:○-▲-無 的中!
払戻金:馬連230円(1)

4/1 ダービー卿チャレンジT
◎ジャスティンカフェ 2着(2人気)
結果:△-◎-▲ 3連複的中!
3連複:4,760円

4/8 ニュージランドT
◎ドルチェモア 7着(1人気)
結果:○-△-△ 3連複 3連単 的中!
3連複:20,460円
3連単:88,850円

4/23 フローラS
◎ブライトジュエリー 3着(4人気)
結果:△-▲-◎ 3連複的中!
3連複:7,760円

4/23 マイラーズC
◎シュネルマイスター 1着(1人気)
結果:◎-△-○ 3連複 3連単 的中!
3連複:1,420円
3連単:7,370円

5/6 京都新聞杯
◎サトノグランツ 1着(1人気)
結果:◎-○-▲ 馬連 3連複 3連単 的中!
馬連:650円
3連複:2,490円
3連単:7,720円

5/14 ヴィクトリアマイル
◎ナミュール 7着(2人気)
結果:△-△-▲ 3連複 的中!
3連複:1,720円

5/20 平安S
◎ハギノアレグリアス 2着(2人気)
結果:○-◎-△ 馬連、3連複 3連単 的中!
馬連:490円
3連複:940円
3連単:3,030円

5/27 葵S
◎ビッグシーザー 3着(1人気)
結果:△-△-◎ 3連複 的中!
3連複:1,190円

6/4 安田記念
◎ソングライン 1着(4人気)
結果:◎-△-○ 3連複 3連単 的中!
3連複:2,290円
3連単:14,510円

6/18 マーメイドS
◎ビッグリボン 1着(1人気)
結果:◎-○-△ 馬連 3連複 3連単 的中!
馬連:1.000円
3連複:7,700円
3連単:27,910円

2023年上半期での予想成績はどう変化するのか?

ご覧のように◎の本命候補がぶっ飛んでしまったレースでも的中する事が出来ている。

また従来の的中に加えて、買い目増加の新ルールで新たに的中となったのは7レースで合計21レース的中と大幅に増加
さらに万馬券的中(3連複・3連単)となったのが7レースで8本の的中増加
上半期は現状では万馬券的中はゼロだから、新ルールで一気に万馬券は8本と激増。これは凄い結果になった…。

ただこれを回収率で計算するとどうなるかが最大の焦点
上半期の予想レース数は63レース。
上半期の総投資金額が93,400円なのでレース数で割ると1,482円。これはレースによって買い目を絞っているケースがある事を考慮すれば、従来の1レース当り1,600円(16点)になっていると見ていいだろう。

なので単純に予想した63レースが仮定される124点買い(12,400円)だったとすると、総投資金額は63×12,400円で合計781,200円になる。
さあこれに対して仮定される124点買いでの上半期の回収金額は…349,710円。

計算すると回収率は…44.7%

…という事になる。
従来の16点買いの回収率が60.7%なので、なんと16%も減った計算になってしまう。

諦めずに2023年下半期(7~11月)の重賞予想成績で検証してみる

いや…これはただ上半期の結果に当て嵌めただけである。
若干好調だった下半期に当て嵌めたらどうなるか?
…という事で計算をしてみる。
(12月の結果がまだなのでここでは7~11月の予想成績を当て嵌めます)

7/2 ラジオNIKKEI賞
◎グラニット 6着(2人気)
結果:▲-△-○ 3連複 3連単 的中!
3連複:4,690円
3連単:50,060円

7/23 中京記念
◎カイザーミノル 11着(15人気)
結果:△-▲-△ 3連複 的中!
3連複:4,420円

8/6 エルムS
◎ワールドタキオン 2着(4人気)
結果:△-◎-△ 3連複 的中!
3連複:30,680円

8/13 関屋記念
◎ロータスランド 12着(3人気)
結果:▲-○-無 馬連 的中!
馬連:1,800円

8/20 北九州記念
◎ママコチャ 2着(1人気)
結果:△-◎-△ 3連複 的中!
3連複:16.910円

9/3 新潟記念
◎サリエラ 7着(1人気)
結果:○-▲-無 馬連 的中!
馬連:6,240円(21)

9/9 紫苑S
◎モリアーナ 1着(4人気)
結果:◎-▲-無 馬連 的中!
馬連:1,190円(2)

9/10 京成杯AH
◎ソウルラッシュ 1着(2人気)
結果:◎-△-△ 3連複 3連単 的中!
3連複:9,260円
3連単:33,920円

9/17 ローズS
◎コンクシェル 12着(4人気)
結果:△-○-△ 3連複 的中!
3連複:8,450円

10/8 毎日王冠 
◎ソングライン 2着(1人気)
結果:△-◎-△ 3連複 的中!
3連複:1,130円

11/5 アルゼンチン共和国杯
◎ゼッフィーロ 1着(1人気)
結果:◎-△-○/△(3着同着)3連複 3連単 的中!
3連複:1,790円(8)
3連複:990円
3連単:3,650円
3連単:5,600円

11/19 マイルCS
◎ジャスティンカフェ 3着(7人気)
結果:▲-○-◎ 馬連 3連複 3連単 的中!
馬連:4,400円(15)
3連複:30,930円(71)
3連単:176,490円

11/26 ジャパンカップ
◎リバティアイランド 2着(2人気)
結果:○-◎-▲ 馬連、3連複 3連単 的中!
馬連:180円(1)
3連複:600円(2)
3連単:1,130円

2023年下半期の予想成績はどうなる…?

下半期も当然◎本命馬がぶっ飛んだケースでも的中が出ていて、6レースが新たに的中となって合計13レースが的中になった。
さらに万馬券は4方増加となる計算。従来の買い目だとマイルCSの3連複のみが万馬券的中だったが、これで下半期だけで5本の万馬券になる。

投資金額に目を向けると7~11月は合計39レースを予想しているので、39レース×12,400円で483,600円が下半期の総投資金額と仮定。

これに対しての回収金額は394,510円で、回収率は81.5%

従来の買い目だと回収率は71.9%なので10%程度も上昇した好成績になる

さてこれを年間通じての数字となるとはたしてどうなるのか…


上半期と下半期(7~11月)をトータルで見て見ると…
合計102レースの予想で1レース12,400円と仮定すると、合計1,264,800円の投資金額になる。

これに対して回収金額が合計744,220円となり、最も大事な回収率は58.8%

従来の買い目での1~11月トータルの回収率が71.9%だから、12%の下がってしまう事になる

このように買い目の増加は投資金額の増加に繋がるのものであり、回収率計算にかなりの影響を及ぼすと考えていい。

もちろん私の予想の精度そのものに問題がある為に数字が上がらない…という面はあるのだが、それでも買い目を増やす事で劇的に数字が上がるというものでは無さそう。

3連単フォーメーションの90点買いは現実的ではないのか?

まあ3連単フォーメーションが◎○▲→◎○▲△→◎○▲△で90点も買うというのがやり過ぎの感もある。

実際この90点買いを仮定した上で3連単が的中となったケースは多数あるが、高配当と言える的中はシルクロードSで▲-△-○の3連単49,270円、ニュージーランドTで○-△-△の3連単88,850円、マイルCSで▲-○-◎の3連単176,490円くらい。

この3レースを合計しても30万弱の回収金額であり、1レースで12,400円使うと仮定すると20レース程の予想を外すだけで利益はゼロになる計算。

回収率重視となると3連単の90点買いはちょっと現実的でないという結論になる。

万馬券的中!の看板は挙げても、回収率を公表しない訳はコレなのか…


しかしながら予想している側からすると、買い目が増やす事で的中数そのものが増えるのはありがたい…というのが本音

なにせ毎週の予想結果報告で的中!と言えるのは気分が良いし、見ている人のウケもいいはず。しかも万馬券が的中!なんて謳い文句は様々な面において効果抜群である。

ただ…回収率を計算してみると結構酷い数字になる。

年間を通じて13本もの万馬券が的中となるのに対して、実際にはこちらが期待していた回収率の数字とは程遠いものであった。

こんな数字になるなら回収率計算なんてせずに公表しない方が正解…という考えに至っても仕方ない所だろう。

予想を公開している方の殆どが予想結果だけを公表して、実質的な回収率を公表しないのはこういった理由があるからだと再認識させられる形になった。

結論 現状の16点買いで勝負した方が全然マシ

こうして見ると今の馬連BOX3点と3連複13点買いの全然マシなのかなという感じになる。

この形でも現状回収率は70%くらいまで行ってるし、3連単の90点買いと比較しても16点買いの方が全然現実的かなとも思う。

今回は来年に向けてちょっと思い切った方向展開を目論んでいたのだが、実際に検証してみてまさかマイナスの効果になるとは思ってもみなかったので、ちょっとショックを受けてる…。

万馬券的中!の大見出しが欲しいものの、ここまで数字が良くないという試算が出るとやっぱり現状のままでいくしかないのだろう。



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