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手相の科学〜親指の役割〜

宮城音弥著 手相の科学〜形成途上の性格学〜を読んでいます。
先駆者たちの研究結果を交えながら、ご自身の立場で書かれたコンテンツは、占いとは一線を画し、非常に興味深かいことが多く記されていました。

私の関心を強く引いたのは、医学的・統計的な見解であるにも関わらず、書かれている内容が手相学的アプローチと合致している点が多いこと。特に5本の指、親指の記述については、手相学的な見解を統計的に立証してくれています。

今日は、宮城音弥氏の著書を紹介しながら、親指について掘り下げていきたいと思います。

手相の科学と言う著書

著者の宮城音弥氏は、1908年生まれ。
京都大学文学部哲学科を卒業後、フランスに留学。帰国後医学を修めて精神医学により学位を受けたお医者さんです。

フランスの研究者(医者)Charlotte Wolff氏が1942年に書いた著書『The Human Hand 』をベースに、精神医としての音弥氏の見解を統計学的に記しています。

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手相の科学序章には

読者が本書に従来の手相術を期待し、手筋を読んで簡単にその手の持ち主の性格を知り、その運命を予言し得ると信ずれば失望されるであろう。(出典元:手相の科学)

とあるように、一般の占い的な要素は記述されていません。
(こんな本を探していたのです!)

手相の科学は形成途上の科学であるが、科学の立ち入ることのできない領域ではない(出典元:手相の科学)

と、彼は言い切ります。(私もそう思います)

占星術(astrology)から天文学(artronomy)が生まれ、錬金術(alchemy)から化学(chemistry)が発展したように、手相術から化学が発生しないのであろうか?(出典元:手相の科学)

と問うています。

古くから「手相家は占星術家であり錬金術師」であったと言われています。
私が調べたところによると、手相術と占星術、錬金術の根底にある思想は同じで、密接につながりながら発展してきたことは、疑う余地がありません。

手相術は科学であり、哲学なのです!

宮城音弥氏が説く親指

私は、動物園に行くと、まず猿に会いに行きます(笑)お猿さんの親指の大きさや使い方をじっくりと観察しているのです。

猿の手相

人間の親指は、霊長類の中でも比較的大きいのですが、賢いと言われるチンパンジーでさえ、親指は小さいのです。私の観察から言うと、比較的大きな親指を持っているのはゴリラです(笑)

ゴリラ以上に、大きな親指を持っている猿は、南米に生息しているオマキザル。

フサオマキザル

手相の科学に掲載されているオマキザルの手の写真がこちら。

オマキザルの手

確かに、大きな親指で、人間の手に近いですね。

オマキザルは、猿類の中でも賢いことで知られており、群で生活し、役割分担をしながら子育てをするという人間に近い生活習慣があります。

フサオマキザル 寝顔

インターネットで検索すると、その賢さを表す記述や動画がたくさんヒットしますので、ご興味がありましたら検索してみてください。

本書では、宮城音弥氏もウォルフ氏も親指に着目し、他の4本の指とは違う重要な役割を持つという見解を記しています。

ウォルフの結論はこうです。

親指は本質的に人間的な手の指出会って、個人的意志または自由意志は人間独特の精神の性質なのである(出典元:手相の科学)

19世紀の手相家ダルパンティニは、

親指が才能または天才を表すものとして重要な価値を持つ。
偉人は皆、大きな親指を持つ。
(出典元:手相の科学)

と主張していたそうです。では、親指は賢さの象徴なのでしょうか?

親指の意味

東京都台東区にある浅草公会堂前や上野公園入り口付近に、スターの手型が陳列されています。ここは、私を含め受講生の皆さんのパラダイス♬
手相のみならず、指の状態を含めた手全体が観察でき、その人の生き様と本当の気持ちを知ることができるからです。

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手型をみると、確かに皆大きな親指を持っています。
では、大きな親指を持っている人は、著名人になるのでしょうか?

宮城音弥先生やウォルフ氏が調査した結果のように、大きな親指の人は著名人に多く、洗練されている人が多いのは確かです。しかし・・・

大きな親指=有名人・著名人

と、一概に言えないというのが、手相学的見解です。

それを立証するために、手相学的な親指の位置付けをお話ししましょう。

親指は神様からのギフト

私がよく使う言葉ですが、いかにもオカルト的で魔法ちっくな表現ですね(^_^;)

親指のみならず、左右の手全体は身体の反射・心や意識の反射であると同時に、心身ともに健全な生活を送り、より良い人生へと導くための縮図であり、神様が私たち一人ひとりに与えてくれたギフトであることは間違いありません。

手を観察、特に心理的なことに分析するときに、押さえておかなければならないのは、親指・4本の指、手相の役割の違い。この3つのパーツのバランスがとても大事なのです。

こちらの記事でご紹介しています。

手相学的に言う親指とは、親指の先端から生命線まで。
2節ある指の部分は、脳構造の反射で、付け根の部分(生命線で囲まれた母指球)は、肉体。これが親指の構造です。

このことから、大きな親指が象徴するのは、たくさんの脳みそ(大きな頭)を持って生まれてきたと言うこと。でも、頭がいい・賢いとは言い切れません。

確かに、大きな親指を持っている人は、人間的資質(知性)と可能性が備わっている人が多いでしょう。

けれど、親指は可能性でしかないのです。与えられた脳みそは、上手に使えば、素晴らしい人生になりますが、上手に活用できなければ、それなりの人生になってしまいます。

親指だけ観察しただけでは、その人や人生の良し悪しは語れません。

観察すべきは手相(手のひらの筋)と4本の指

手相(手のひらの筋)特に基本線と言われる4本(感情線・知能線・生命線)は最も重要な観察ポイントです。

親指という可能性を秘めた大きな脳みそをどんな風に活かせば良い人生になるかを教えてくれる生き方マニュアルだからです。
特に、知能線は司令塔のようなもの。
日々の生活で起こる様々な問題や課題に対して、どんな風に頭(脳)を使えば良いか、その術を教えてくれるのです。

一人ひとり、線の状態が違うのは、知恵の出し方や頭の使い方が一人ひとり違うということですね。

4本の指は、手の中でも顕著に変化します。
まっすぐ出ていない、傾いている、太い、細いなどの特徴は、日々の行動意識〜どんな気持ちで行動しているかの表れです。

親指という持って生まれた脳みそや知能線などの手相で示された生き方マニュアルが、どんなに立派なものであったとしても、それを上手に操縦して行動に移せなければ、良い人生にはなりません。

上手に生きるとはどう言うことか?

知恵・緑・地球儀

上手に生きるとは、問題にぶつかり、悩み、それらを知恵を以て
解決しながら生活をすることで、人間的な成長を遂げると言うこと

大きな親指を持って生まれた人は悩み、決断することが多い人生が用意されています。その時々で、しっかりと脳を使って自分の意思で歩みを進めれば、一生を終えた時、人間的な成長を果たして、良い人生を送ったと言えるでしょう。
でも、次から次へと起こる悩ましい出来事から目を背けて生きていては、人間的な成長を期待できません。

逆に、小さめな親指の人でも、知能線に記された”生き方マニュアル”を理解した上で、持たされた脳を生きる知恵としてしっかりと使っていけば、より良い人生を営むことができるのです。

まとめ

宮城音弥氏は、親指は人間の手で重要な位置を占めていると記しています。

手相家ダルパンディニは、自身のデータをもとにこう主張しています。

偉人は大きな親指を持つ。
親指が才能または天才を表すものとして重要な価値を持つ

しかし、親指だけの観察ではそうとは言い切れないと私は思うのです。
大きな親指を持つ人は人間的・知的な人だと断言することは難しいと言うのが私の見解です。

大きな親指をお持ちの人は、手相を見ながら上手に自分を操縦すれば、持って生まれた可能性を十分活用したよい人生となるでしょう。

比較的小さな親指をお持ちの人は、手相を参考に、自分を知恵を出し、4指を観察しながら、向上心を持って生活すれば、持って生まれた以上の人生を送ることができるでしょう。

親指の状態に関わらず、人は皆、よりよく生きる可能性を持って生まれてきているのです。

手相の科学には、手の温かさ、血色、柔軟性、爪、利き手の心理学など、それぞれの特徴と臨床データ、精神科医としての見解が多く記されています。
また、時間がありましたら、考察したいと思います。

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