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50オジサンの夏読書 『塩狩峠』 三浦綾子 新潮文庫

『塩狩峠』三浦綾子 新潮文庫を読了。


この作品は稀にみる感動の名作でした。

少しでもこの作品の魅力を伝えようとnoteに「読書感想文」を書きはじめたんですよね。

それではしばしお付き合いくださいませ。

僕はこの作品を佐藤優さんの「この本」で知りました。

佐藤さんも人に勧められてこの本を読んだそうです。そして高校へ進学する直前にモデルとなった「長野政雄さん」が殉職された塩狩峠を訪れ、深い感動を味わったと書かれていました。

実際に本編を読んだいま、思い返すと主人公「永野信夫」が殉職するシーンは本当に衝撃的です。

何年も想いを寄せた婚約者と結納を交わす「その日」に命を捨て、鉄道事故を防ぐとは。。。

こんなことをした人が、実存されていることに驚きました。

しかし、僕はそれ以上に主人公「永野信夫」が迷いに迷った挙句、キリスト教に傾倒していくところ、とくに北海道に転勤になってからの彼の質素な生活態度や慈悲に溢れる言動に感銘を受けました。

そして、信夫と自分との「暮らしかた」「考えかた」「他人の見方」の違いを比べてしまった。

それを物語るところ、モデルとなった長野政雄さんの「質素な暮らしぶり」が著者のあとがきに記されています。

長野政雄氏は実に質素な人であった。
「庶務主任と言えば、相当の地位であったが、いつもみすぼらしい風態をしておられた」
 と、同じ下宿だったある信者が述懐しているとおり、洋服などもほとんど新調しなかったらしい。また非常に粗食で、弁当のお菜なども、大豆の煮たものを壺の中に入れておき、一週間でも十日でもその大豆ばかり食べていたという。

『塩狩峠』三浦綾子 新潮文庫 「あとがき」より

なんと自分は見苦しい生きかたをしているのだろうと。俗世間にどっぷり浸かり「欲にまみれた」自分を律しなければいけないなと本当に汗顔のいたりで、猛反省です。

このほかにも主人公の信夫が子どもから大人へ成長する過程で迷ったり、苦しんだりする姿が生き生きと描かれていて、前述したとおり迷いながらもキリスト教の教えを信じ、自分を律し、人に尽くす姿に深い感動を覚えました。

ただ、読了直後で感情が高ぶっているいま「アレを正そう」「コレは止めよう」とはしてはならず、「他人に優しく自分に厳しく」「他人と比べず他人を許す」ことが自然と出来る生きかたをしていかねばなと心に誓います!

本当にこれは感動の名作です🥲

これから読書を重ね何度も「心動かす体験」をした後に「再読」しようと思った作品でした。

1度目と違う感動があると期待できますね。

50オジサン夏読書で魂を揺さぶられたの巻。

是非皆さんも読んでみてください。

それではまた。

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