ハートブレイクと懐中時計(ハツコイ)

雑貨屋さんで懐中時計を買った。
時計は滅多に買わない。スマホがあれば時間に困らない時代なのに、気になって衝動買いしてしまった。
帰宅して懐中時計を開く。星座が入った文字盤がキレイ。時間というより文字盤に見入ってしまう。
そういえば、学生の頃はよく腕時計してたっけ。

昔からコレクター気質、というより気に入った時計が有れば買ってもらった。
腕時計も然りだが置き時計もたくさんあった。割と大切に使うタイプだったので長いこと使っていた。
小学校の頃、初めて買った腕時計も5年くらい使ったかな?
中学校に上がって、卒業まであるキャラクターがデザインされた腕時計を使っていた。
当時はまだ携帯電話なんて持っていないし、中学生のちょっとしたオシャレの一つだ。

でも、そんな時にイタい失恋もした。

クラスの人気者に恋をしていたが、気持ちがクラス中にばれたのがきっかけで半ばひやかし同然にされ、結果振られてしまったのだ。
よくある話だが失恋に変わりはなく、学校が嫌になった。
不登校すら考えたが部活やらなんやらで結局登校せざるを得ないので仕方なく学校に行っていた。
時に生徒会長が部活の部長と付き合っているとか、バスケ部の部長がクラスメイトと付き合っているとか、色々噂話があったけど自分自身はその話を避けるようになった。失恋をえぐられるような気がしたから。

高校に進学してから、携帯電話は持っていたけど腕時計はしていた。会社員の人がつけていそうなシルバーのバンドで、少し高級感がある腕時計。この時計も高校卒業までつけていた。

実は高校でも、イタい失恋を経験した。

私立学校で比較的若い先生も多かったが、恋をしたのはひと回り近く歳の離れた国語の先生。
当時持っていた携帯電話が同じだったのと、先生が書く黒板の文字が女々しかったのが気になった。なんとも言えないきっかけだが気になるとどうしようもないタチだったので、恋をするのに時間はかからなかった。
2年間国語を教わった。これは卒業までなんとか、と思ったが現実は甘くなかった。
学年末考査が終わってから先生が退職するとの噂が広まった。終業式まで信じたくなかったがどうやら本当の話で離任式で先生の名前が呼ばれた。正直聞きたくなかった。

また失恋しちゃった。

その日の帰り道。何も出来ずに帰宅したのを覚えている。
勝手に恋して、勝手に失恋しただけなのに。

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