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ココロあたたまる

大雪が予想されたある日、わたしは新幹線を乗り継いで青森に向かった。

冷えたカラダをあたため、空腹を満たすために、新青森駅で入ったラーメン屋さん。

注文したしじみラーメンを食べ終わる頃、器に現れたメッセージに目を奪われた。

そう、小説津軽の最後のフレーズだ。ここは青森県、太宰のふるさと。

さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。

「読者」を「旅人」に置き換えてあるあたりに、お店の粋を感じた。そして、今日一日を楽しく過ごしてもらいたいと言わんばかりの礼遇を受けたような気持ちになった。

この日の目的地は青森県立美術館。"あおもり犬"が被る雪のベレー帽は、自然の造形美がもたらす見事な作品だった。

#旅する日本語 #礼遇 #旅 #私的ガイドブック #エッセイ


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