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感想、みたいなもの「街よ街よ」

今日はですね、ちょっと頑張って、えっちゃんこと橋本絵莉子さんが4月24日にリリースしました、2ndフルアルバム「街よ街よ」の感想というかレビューというか、湧き出た感情を書き殴る回です。
ちなみに曲ごとに書きます、まとめるの下手なので……

Xじゃ書き足らないし、Instagramは役立たずだからね(怒られろ


はじめに


まず、「街よ街よ」というタイトルは曲が出来上がって歌詞を改めて見ると、道や建物だとかが登場することが多く、そこから「一つの街みたいだ」となったところから命名されたのだとか。

前作1st「日記を燃やして」は手の届く日常の狭い範囲での出来事や発見がテーマなら、「街よ街よ」は街に出て行き、外での出来事から想起した歌詞が多く、なんなら宇宙も海も出て来る。

ただ、曲を全て通しで聴くと「過去/現在/未来」を様々な出来事から、えっちゃんならではの切り取り方や捉え方で歌われていると感じる。
そして、こういった曲は一応「日記を燃やして」にもあったのだけど、そこから更に踏み込んで大切なことを思い出させてくれるような、えっちゃんならではの優しさと柔らかさでのメッセージだと思う。


1.踊り場


あまりにもアルバムの1曲目に相応し過ぎる。
えっちゃんもインタビューで1曲目にすると決めていたと仰るように、イントロからして1曲目の音をしている。

前作「日記を燃やして」の1曲目ワンオブゼムも、かなり1曲目感が強い曲だったがテイストは全く異なっているのも良い。
ロックナンバー色が濃くライブでも盛り上がるワンオブゼムとは違って、踊り場はふんわりと爽やかな仕上がりだが、幕開け・物語のはじまり(序章)として、そして「街よ街よ」というアルバムの1曲目として、これ以上はない気がする。

タイトルであり歌詞の踊り場はえっちゃん自身の年齢である40歳が「階段の踊り場である階と階の間のようだ、老いているでもないが若くもない…」ということからだそう。

それを理解した上で聴いていて特に好きな歌詞は
目指す屋上、空高く/一階の記憶はありません

これも年齢をきっと揶揄していて、目指す屋上は寿命だとかまだまだ先の年齢で、一階は赤ん坊の頃。
そりゃ、一階の記憶は無いよね(笑)

かき氷が出てくる無邪気でノスタルジーな歌詞と、階段の踊り場と階数を年齢に見立てた歌詞のバランスが良い。

そういえば歌詞に出てくるブルーハワイって、久しぶりに聞いた気がする。

軽くステップでも刻んで、小躍りしながら歩きたくなる曲調も凄くいい。

2.人一人


コロナ禍の中で生まれた感情や戸惑いを歌詞にしたそうで、人に話したいことがあっても、人に会えないから話せない…というもどかしさが

どうしたらいいの/でどうすんのこれ

たった一文で表現されてるのが面白いし、上手いなと思う。

そして、サビに人間関係あるあるが出てくる。
コロナ禍で人間関係にある嫌なことすら懐かしくなったのかな、と勝手に思ったりする。

やっぱり人間、他人とどうにかして共に生きていく必要がある生き物なんですよね。きっと。

あと二番のホラー体験な歌詞は事実だそう。
怖いなと思いつつ、オーソドックスな幽霊の見た目に少し笑った。
そして、この話が一番の歌詞冒頭でもしたかった話なのだそう。

3.私はパイロット


先行配信された曲で、いわゆるリード曲。
youtubeにはMVもある。

このMVがまたNHK教育番組(あえてEテレとは言わない)の「みんなのうた」で流れるような初見でも何処か懐かしいアニメーションで良い。

公式側はこのアニメーションを「昭和感」というが、えっちゃんのファンは大半が平成初期に幼少期を過ごしているので「平成初期感」と言った方が、個人的にはリアリティがあると思っている(笑)

私はパイロット/時間の飛行機に/何人もの私を乗せて/暗闇を進むよ
というサビの歌詞の表現や考えが好き。

飛行機に乗せる「何人もの私」は"過去の私"で、経験も思い出も感情も全て連れて、まだ見ぬ未来(=暗闇)へ行く…ということだそうで、インタビューの解説を読む前からなんとなく察していたことだったけど、やっぱりそうなのかと知って唸った部分。

あと、"可愛いおばあちゃん"に、私もなりたい。
可愛がる孫はいないけど…(笑)

4.離陸


えっちゃん初の試みとなるインスト曲。
一昨年の10月の東名阪ツアーの大阪で演奏された音源そのまま収録されている。

インタビューを読むと元々は歌詞があったそうだけど、思い切って取っ払ってインストにしてしまったらしい。
だからか「ここから歌が始まるはずだったのでは?」というポイントが幾つかあって、聴いていると面白い。

タイトルは「リリックが無いのに離陸」というシャレらしい。
「私はパイロット」の次というのも良き。


演奏はロックナンバーで、ライブで横揺れしながら楽しみたい。

あと個人的には離陸を境に風景が変わるので「街よ街よ」の第一章の終わりと第二章の始まり…という印象がある。

5.このよかぶれ


はっきり言って泣ける曲だと思う。
チャットモンチー時代のサポートメンバーだったり、1stアルバムの制作、東名阪のツアーなどで一緒だったドラマーの故 恒岡章氏(Hi-STANDARD)ことツネさんへのレクイエムのようなメッセージ曲。

歌詞は、本来なら「街よ街よ」も共に制作するはずったツネさんへ宛てたメッセージになっている。

「このよかぶれ」というタイトルは、故人を想い色んな考えや言葉を抱いても、所詮はこの世しか知らない"この世に被れた"者の視点や立場からのモノでしかない、という意味だそう。

サビで「語りかけてくるのは/いつだって過去のあなた」と、残された者が故人から生前受け取った言葉は忘れなければ、いつまでも残ると表現し
その言葉に耳を傾けるのは/これからを夢見る私」と続き、その言葉を胸に生きていくという旨の歌詞は涙腺に効いてしまう。

特に大サビの「語りかけていきます/いつだって今あなたに/この言葉が届いたらいいのに/相変わらずこのよかぶれ」から滲む悲しみに、真剣に聴くと本当に泣いてしまいそうになる。

特に最後の「かぶれ」の歌い方が叫ぶような祈りのような、または嗚咽を堪えているようで、一層のこと効いてしまう。

競馬ファンである私は勝手に、4月の落馬事故で亡くなった藤岡康太騎手と、親族や関係者を思い浮かべてしまい本気で泣きそうになるので、通勤中とかに聴く時は変に聴き入らないようにしている。

もちろん曲はバラード調。

6.やさしい指揮者


「このよかぶれ」の次だから際立つ曲でもある。
これはツネさんの一件とは別ながら、悲しみが少しでも和らいだら…と作られた曲。

「街よ街よ」は4曲目「離陸」、8曲目の「宝物を探して」以外のドラムが入った曲はツネさんのドラムではなく北野愛子氏こと愛子様による演奏だけれど、制作に参加するドラマーが愛子様に決まる前に「ツネさんのドラムを入れたい」と1stアルバムの曲で演奏されたツネさんのドラム音を使用しているそうで、なんとも粋なことをするものだ…

指揮者がタクトを振るうようにして、悲しみも上手くコントロールして鼻歌を歌えたら…という内容の歌詞には救いを感じ、このよかぶれの次がこの曲で良かったと思う。

歌詞でもありカウントでもある「1234」はたったのそれだけなのに、胸にくるものがある。

えっちゃんの語りかけるような優しい歌い方が好き。

7.慎重にならないか


えっちゃんには珍しく、曲先で出来た曲。
普段から歌詞を先に書いて、そこに曲を付けていくスタイルなので珍しい。
チャットモンチー時代から、曲先はほとんど無くてとても珍しい。

とりあえず珍しい成り立ちをした曲。
聴いていても曲先とは分からないけど…(笑)

自分を正解にしたい」とムキになりつつも自分の考えを正解にしたい時ってありますよね、私はよくある。
そして自分の考えを受け入れてくれた人に対して「あなたと間違えてもいい」と思えてしまうことは…私にはまだない(笑)
けど、そうでありながらも「慎重にならないか」と自分に釘を刺しつつ…といった歌詞のはず…

慣れない曲先だからか、かなり短い歌詞である。
短い故に、解釈の余白がありすぎる。だが、それがいい。

歌詞はザックリぼんやりの方が、私は好きやで。

8.宝物を探して(街よ街よmix)


一昨年に配信&ライブ会場限定CDとしてシングルリリースされていて、曲としてはかなり聴き込んでいた。
改めてアルバムの一員として他の曲たちと並ぶと、また少し印象が変わった気がする。
曲順の関係もあるのだろうか。

そもそもmixなので、シングルリリース時とは楽器の音のバランスを少しいじっているような気がする(音楽的知識に乏しいので細かくは分からないけど…)。
また制作に携わったツネさんのドラムが収録されている。


あの頃は何てこと感じていなかった日々は、今思えば宝物だったんだ…という趣旨の歌詞で、なんだかチャットモンチーの「サラバ青春」のサビのようなことを、学生時代だけに限定せずに幼き頃も含めて全て"今となれば当時、宝物を探していたその日々こそが宝物だったよね"という意味の歌詞。
ポップでキャッチャーな曲。

「このよかぶれ」「やさしい指揮者」「慎重にならないか」の3曲がバラード調の曲なので、この曲でまた景色が変わるのも良い。
「街よ街よ」第二章の終わりと第三章の始まり、という印象をこれまた勝手に抱いている。

歌詞に出てくるLOVE LOVE LOVEはもちろんドリカムの曲のこと。

youtubeにMVが公開されていて、そこで出て来る一部のロケ地は我が地元のスクラップ工場だったりする。(本当に部分的で限定的ではある…)
というか、宝物を探してをリリースした当時のアー写も同じロケ地。

えっちゃんが汚い我が地元に来たとは……
次は来ること教えてくれよな、スタッフ!(は?

9.ホテル太平洋


「ホテル・カリフォルニア」のような"ホテル○○"というタイトルの曲が欲しかったので、えっちゃん地元の徳島に実在する旅館名がタイトル由来。

でも歌詞は全然ホテルと関係はなく海の中の、言わば太平洋に生きる魚たちの歌である。

一番の歌詞を見聞きした際は「スイミー?」と思ったが、聴いてるとスイミーなんて可愛いモンでもない。

曲調はノリがよくロックっぽいけれど、歌詞は海という野生で魚が生きる大変さを歌っている。

でも私はちょっとサビの歌詞でギャンブラー的な捉え方をついしてしまっている。
関係性なんてあるようでない/奪い合う/ずぶ濡れのまま/本命目当て/建前とちゃう/弱肉強食/明日は我が身

ギャンブル(競馬)は、お金(ある種の命)を賭けて限りあるパイ(払戻金)の奪い合い。
仲の良い友人と馬券を買ったら、お互いがライバルみたいなもんですからね。
友人共々負けてしまうこともあれど、その代わり何処かで誰かが大儲けしてる人がいるってなモンで…

えぇ、馬券や競馬に脳みそやられてます。

"ずぶ濡れのまま"は、負けて損を抱えたままとも解釈できるし(私だけでは?)、"弱肉強食"で大損こくのも大勝ちするのも"明日は我が身"でございます!

馬券を買うのも大変ですよね、えっちゃん!!(は?

10.Oh,Cinderella


見覚えのない箱を開けたら懐かしい靴が入ってた!という場面から始まるんだけど、こういう出来事ってたまーにある話ですね。

懐かしさと靴にまつわる思い出と、この靴をまた履いて共に新しい景色が見たいね、という歌詞。

全体的に可愛らしい曲調。

こんな出来事、衣替えとか模様替えをするときに経験あるじゃないですか。
まぁ私は「懐かしい〜!でも要らね〜!」と捨ててしまいがちなんだけど……(笑)

えっちゃんは「後から思えば、靴でなくても他の物で書いても良かった」とのこと。
ただこの歌詞は先述通りに実体験が元になっていて、本当に見覚えのない箱から懐かしい靴が発見されたことから書かれた歌詞だから、そりゃ靴になるし靴であるべきですわ、と思うのである。

そして、靴だったから「Oh,Cinderella」なのだし、何よりかわいいじゃん、シンデレラ。

曲調はポップでかわいいメロディ、季節や年度の変わり目にでも聴きたいね。

11.偏愛と純愛


「街よ街よ」を締め括るラストソング。
サビの歌詞は10代に出来ていたそうで、他は全て変えたのだとか。
あの歌聴こえる/私の耳には/あの歌聴こえる/私の耳だけには」が10代に書いた部分。

全体的に「街よ街よ」というアルバムと収録曲を総括しているかのような歌詞に思える。

少し切ない雰囲気と曲調で、バラードっぽい。

今も昔も好きなものは好きだし、大切なものは大切、それでいいと言ってくれてるのだと思ってる。

幼い頃の憂鬱が/今になって生きてる/それおもちゃだよ」という歌詞がいい。好き。

この部分を文章や言葉で伝えるならば、きっと
"「それおもちゃだよ」。幼い頃の憂鬱が、今になって生きている。"となるのかもしれない(語順が違うだけやないか)

子どもなりにホンモノだと信じて大事にしていたら、大人から冷やかすように「それおもちゃだよ」と言われた幼い頃のショックや落ち込みのことだそう。


昔、サンプルの携帯電話(一昔前は売り場にあったよね)を与えられてウキウキしてる妹が、偽物だよ、と告げられて落ち込んでいたことがある。
まぁそれを告げたのは意地悪な姉の私なのだが…(笑)

すまない、妹。
と今更ながら曲を聴いて思う。

そんな悲しさと落ち込みが形や姿を変えたりしながらも、今も自分の中で生きていたりするよね、って多分そういうことなんだろうと思う。
それでいいじゃん、みたいな。

というか、そういうことにする!私がそうしたいからする!!(まとめ下手くそか


おわりに


風呂敷を広げるだけ広げて収拾ついてない気がするけど、そんな感想でした。
もはや半分くらい解説してる気がするけど、まぁいいんだ…。
書きたいことを書くのには多少書いた方が分かりやすい気がするから…。

「街よ街よ」は聴く人によって思い浮かぶ街の光景が違うだろうと、えっちゃんが言っていたけれど、私が浮かべる街はガチ地元とか競馬場になってしまうのが惜しいというか、空想や発想力の貧相さに泣いている。

まぁでもね、私はアー写ロケ地巡りをした女なので、代々木八幡〜代々木上原(そんなに詳しくないが)を浮かべて楽しんでいます。


そしてね、もうね、私は恋愛にまつわる事柄って、作品として楽しむことはできても共感ができなくなってきているので、恋愛の曲が1stから引き続き無くて安心しました、勝手に。
既婚者子持ちだし、えっちゃんの作風からして流石にもう作られないと思うけど…。

時間をかけて少しずつ老いて小さく消えていくだけであろう私に必要なときめきは、恋愛じゃないのでね。

そして推せる時に推しは推したいから、許される限りは今後もえっちゃんこと、橋本絵莉子を追いかけて狂ったり笑ったり泣いたりしたいものです。


えっちゃん、2ndアルバム「街よ街よ」リリースおめでとう。
そして、新しい曲と景色をありがとう。

ツアー(未定だけど)も新曲も気長にお待ちしております。


マッドファンの一人より()


おわる。

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