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MOOG DFAMの楽しみ方

私は2019年の9月にDFAMを手に入れました。MOTHER32を手にしてからそれほど間隔を空けることなく、それでも当時はなかなかの入手困難状態で2ヶ月待ちでした。DFAMは"DRUMMER FROM ANOTHER MOTHER"の略で、MOTHER32から派生したフルアナログのパーカッションシンセサイザーです。その思想は独特でドラムマシンとして捉えると違和感を感じるほどです。これを単体で使うというのももちろんアリなんですが、出来ることならMOTHER32やモジュラーシンセとの組み合わせで使うのが王道になると思います(もしもDFAMにMIDI INがあったらより最高でした...)。

DFAMの実際の音と詳細については動画を作ってありますので、こちらもぜひご覧下さい↓

ちなみにDFAMのノブの一部がとても小さいので、サードパーティー製のノブを取り付けています。視認性がより良くなりますのでもしもご興味ある方はぜひ覗いてみて下さい↓

DFAMの基本的なシステムですがVCO、ミキサー、VCF、VCA、パッチ、そして8ステップのシーケンサーという内容になっています。

DFAMフロント.001

VCOですがDFAMには2つのオシレーター(発振器)があります。基本的にはVCO1とVCO2のエンベロープジェネレーター(時間的変化)とフリケンシー(音程的変化)を組み合わせながら、フィルター(VCFで)で音質を、シーケンサーで音の強弱とピッチの変化を実際に音を聴きながら音作りをしていきます。なので先ずはシーケンサーのVELOCITY(音の強弱)とPITCH(音程)のノブを適当に回しながらVOLUMEノブを上げリアルタイムな変化を楽しみながら音作りをしていきましょう。ルールはありません。耳を研ぎ澄ましノブを回しながらむやみにパッチを繋いでいきながら「ここだ!」と思えたら、それがあなた独自の音です。

DFAMのマニュアルの最初のページにはRobert Moog氏の言葉が書いてありますが、そこには「こうしたモノがたとえ生物学的な意味で生きていないとしても、何らかの意味で私たちと疎通できる意識があるということを信じています」と記されています。80年代あたりからデジタル化されたシンセやリズムマシンには膨大な数のプリセット音が搭載されるようになり、私たちユーザーはそれを選ぶだけでも十分に楽しめる便利なモノとなりました。その一方であまりにも膨大なプリセット音はほとんど使い切れるわけもなく、もはや音作りではなく取捨選択という行為しかしていないのではないかと思うことも多々ありました。Moogをはじめこうしたアナログシンセの魅力は単なるノスタルジーだけではなく、電子楽器を通じて音とのコミュニケーションが実感ができることです。ちなみに私は年々プリセットを選ぶことへの興味が失われてきていて、究極はMOTHER32のようにプリセット無し、アナログのオシレーター1発であとはエンベロープとフィルターとLFOがあればあとはエフェクターワークでいいんじゃないか、とまで思うようになりました。もちろんポリフォニー(和声)はどうするんだという問題はありますが、モノフォニックな音楽というのも一方ではずっとあるわけで。やはり今の自分にとっては音とのストレートな向き合い方を突き詰めたいという気持ちが強いです。

さて取り留めのないテキストが続いていますが、全ての電子楽器は習うより慣れろが基本です。先ずはシーケンサーのスタートボタンを押し、VCO1 FREQUENCYノブを10時付近、VCO1 EG AMOUNTノブを3時付近、そしてVCO DECAYノブを9時付近に設定してシーケンサーの各ノブに変化を加えるところからスタートして下さい。VCO2はVCO1にハーモニーを付けるという感覚で良いと思います。CUTOFFフィルターやNOISEを加えると音作りがよりダイナミックなものになります。パッチに関しても基本的にはINとOUTしかありませんので、そこさえ把握出来れば実際の音の挙動を聴きながら自由にパッチングすることで新たな発見や音作りへの理解が深まります。個々のパッチがどのような役割を持っているのかは動画もヒントにして頂けたら嬉しいです。それでは素晴らしいアナログシンセライフを!


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