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独学のススメ

唐突ですが私は音楽を独学で学びました。15歳の頃です。当然ながら最初は右も左もわかりません。でも、その「わからない」状況と手探り感がたまらなく面白くて毎日ワクワクしていたのを今でもはっきりと覚えています。当時の私は音楽を作れるようになるには、作るための道具が必要だと思いました。当時運良く1台で打ち込みが出来るシンセサイザーがあったことは本当に大きかったです。重要なのはとにかくわからなくても「作る」ということです。そして今自分がどんな音を作りたいのか、どんな音を欲しているのかを「知る」ことです。究極的には作曲とは「聞く」ことでもあります。あなたの作った音楽を最初に聞くのはあなた自身。そこには聞くための訓練も必要です。その作った音楽が良いか悪いかはそれほど重要ではありません。はじめは好きか嫌いか、だけで良いのです。そのためにはたくさんの音楽を聴いておく必要があります。そしてなぜ自分はその曲が好きなのか、なぜこの曲は嫌いなのか、曲を一回バラバラにして限界まで観察して掘り下げて下さい。そのためには音楽理論の知識が必要になるでしょう。でもそのための勉強だったら進んで机に向かうかもしれません。

音楽作りにルールはありません。でも音楽理論には一定のルールがあります。でも決して西洋音楽の理論のトラップにはハマらないで下さい。きっと理論書にはやってはいけないことばかり書いてあるでしょう。繰り返しになりますが、音楽作りにルールはありません。たとえ人からは不協和音と言われても、自分が好きな響きだったらそれを採用しましょう。興味があったら非西洋地域の音楽も聴いてみましょう。平均律12音階に属さない音楽は星の数ほどあります。耳と頭を柔らかくすることも大切です。

あなたにはあなたにしか獲得できない独自の音が確実にあります。たとえば音楽を作る時、もしも毎回同じようなテンポになってしまっていたらそれはあなたの体内リズムかもしれません。それも個性なので大切にしておきましょう。でももしかしたらそのテンポ以外にも発見があるかもしれません。

道具はiPhoneだけで作るのも楽しいですが、改めて楽器と向き合ってみるのもいいでしょう。もしも歌に自信がなかったら歌えるように発声を学ぶのもいいでしょう。普段喋る時の声と歌う時の声は全く違うものです。有名なシンガーのインタビューの時の声とライブパフォーマンスの時の声を比較してみましょう。真っさらなノートを買って言葉を綴ってみるのもいいでしょう。音楽とは何も音だけの世界ではありません。

何となく作れるようになってきたら、自分自身に一定の制約やルールを設けて作曲してみるのもいいでしょう。たとえば2つの音だけで音楽を作る。たとえば嫌いな音色だけで曲を作る。何でも構いません。自分自身に対して様々な問題提起を出来るようになることが重要なのです。

月並みですが、何かを学ぶことに終わりはありません。何だか疲れそうですが、それはすごく幸せなことだと私は思っています。わからないことがあるということは、またワクワク出来るということですから。

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