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社会的処方に興味をもったきっかけ

とある病棟でパート看護師をしている、花といいます。

今日は、社会的処方に興味をもったきっかけの1つを書きます。

端的に言うと
「入院患者さんとの関わりでモヤモヤした解決の糸口が、社会的処方にあるかも!」
と、ビビビ(古い?死語?)と感じたからです。

コロナ渦真っ最中、高齢で心不全の方が入院していました。
独居で、お裁縫がとても得意な方でした。仮の名前を、魔法の手のおばあ様、としましょう。

魔法の手のおばあ様は、入院時にはお裁縫セットを持参して、入院生活中、せっせとお裁縫で小物を作っていて、できたものを病棟スタッフみんなに配ってくださいました。
当時は、病棟スタッフみんなが、魔法の手のおばあ様が作った小物を、ポケットなどどこかしらにぶら下げている状態になるほど、たくさん作ってくれていたんです。


魔法の手のおばあ様はご家族は遠方かいらっしゃらなかったか、詳細は忘れてしまいましたが・・・お裁縫仲間がたくさんいて、入院中よくお手紙がきていました。

しかし、状態が徐々に悪化し、お裁縫時間が減り、とうとうお裁縫もできなくなりました。
それは体力の問題だけではなく、気力の問題も大きかったと思います。

長い入院生活。
コロナ渦の面会中止。
孤独。

家に帰りたいと何度も言っていましたが、当時は私たちもいろいろ尽力したつもりでしたが(今思えば、つもり、になっていただけかもしれませんが…)、どうにもできず、結局病院で最期を迎えました。

あぁ、どうにか家に帰れなかったかな。
あぁ、仲の良いお友達とお裁縫をまたできたらよかったな。

そんなモヤモヤが残っている中、X(当時はTwitter)で、西智弘先生のアカウントが目に入りました。

薬を処方することで患者さんの問題を解決するのではなく、「地域とのつながり」を処方することで問題を解決する。

社会的処方 著 西智弘

この社会的処方のしくみが

魔法の手のおばあ様の最期があまりに孤独で、その孤独が気力も奪っていったと感じていたモヤモヤな気持ちの、解決の糸口の1つになるような気がしました。

これが、社会的処方に興味をもったきっかけでした。


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