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こんにちはハッセル

 ハッセルX1Dが我が家に来た。正確に言うと一旦職場に配送してもらい。本体、レンズ、予備バッテリーなど撮影に関わる全てのパーツが揃った時点で六神合体し、一つのカメラとして家に持ち帰ったゴッドマーーーズ!

 揃えたカメラのラインナップは

 ボディ本体
・Hasselblad X1D 4116

 レンズ
・Hasselblad XCD 4/45P
・Carl Zeiss Distagon CF 60mm f3.5 T*
・Carl Zeiss Distagon CF 40mm f4 T* FLE

・XVレンズアダプター

・BATTERY CHARGING HUB

・予備バッテリー2個

・本革ケース

 これだけあれば今までのように十分撮影が可能だ。

 腕が鳴るなり法隆寺。

 レンズはやっぱりツァイスを使いたい。
 ハッセルといえばツァイスだよな。
ただ勢い余って40mmと60mmを買ったが、これがX1Dだと何ミリに相当するのか分からない。なぜなら中判デジタルといえども明らかにハッセルの6×6判フォーマットではないからだ。6×6判で40mmのレンズがこのカメラの画角だと何ミリに相当するのかの計算ができないし、それが35mm判に換算すると大体何ミリのレンズに相当するのかもわからない。考えただけでも頭が呪術廻戦の漏瑚のように噴火しそうになる。多分そこそこ広角なんだろう。4/45Pは35mm判換算で36mmになる。それを考えるとハッセルの2つのレンズは50mmと28mm相当のようだ。
 しかし、マウントアダプターが思いのほかデカく、そして重かった。そもそも中判用の重いレンズにさらにマウントがデカさと重量を載せてくる。感覚的には超望遠レンズを首から下げている感覚だ。
 友人と呑みに行く前に軽く試し斬りのスナップ撮影に出かけた。とてもじゃないがレンズ2本も持てないので60mmのほう。降りたことのない待ち合わせ場所の一つ先の駅で降りてひと駅分歩いた。

 いつもライカM9やソニーα7でやっていたように絞りをF11に合わせてシャッタースピードはオート。ハイパーフォーカル状態にした。
 スイッチオンボタンを押してから撮影可能画面まで起動に鬼のように時間がかかる。恐らく機動戦士ガンダム第一話のガンダムのほうがよっぽど起動に時間がかかっていないだろう。なので、一度スイッチを入れたらもうオフにはできない。撮影モードに入ったら電源はオンのままだ。これはM9の方が優れていた。M9なら電池の減りも遅いし軽くシャッターに触れればいつでも〝ブライトさんスタンバってます!〟状態だったからだ。

 シャッターは電子シャッターなので音はしない。ボタンを押すとシャープペンシルの芯が折れたような感覚があるだけだ。これは素晴らしい。ただし、街中で人物を入れて撮るスナップには向いていない。自分の存在を隠して撮影するにはデカすぎるからだ。黒いバズーカみたいなのをぶら下げているので永遠に街に溶け込めないだろう。なにせ線路っ端を歩いているだけなのに前を歩くおばちゃんが何度も振り向くほどだ。そんな装備で市井の人々の暮らしを撮影できるだろうか。

 できない!

 それでも諦めずにスナップ撮影を試みた。30分ほどかけて歩き、自分的には撮れ高があった。家に帰ってパソコンに繋いだ。上がってきた写真に顎が外れるほどあんぐりと驚いたのだ。

 ゆ、歪んでる!

 ほぼ、全ての写真が歪んでいた。
 それも画面の真ん中あたりでぐねりと歪んでいる。慌てて調べるとローリング現象という光GENJIブームのような現象だった。夢はローリングローリングシャボンのようにローリングローリング弾けて消えた。


 さらにこのローリング現象を調べると電子シャッターにするとイメージセンサーに画像を記録する時間差で起きるのでシャッタースピードを速くすれば良いもんでもないことが分かった。30年かけて積み上げた、カメラを構えてシャッターを切ったらスッとカメラを下げる癖が仇となるのだ。なのでシャッターを切ったら

 「チャーシューメーン」

 と唱えてから下げるようにした。それで多少のローリンは軽減したが、まだ条件反射で撮影したようなショットはうすらローリンする。


 ここまで来るとすでに気がつく御仁もおられると思うが、私の撮影スタイルや撮影対象が変わってしまった。実はこのカメラ、XVレンズアダプターを付けると動く被写体や街中のスナップに大変向いてないことが今更ながら分かった。もちろんハッセル純正レンズを付ければ全く問題ない。しかし、ツァイスレンズありきだったのでこれ以上ハッセル純正レンズを増やすつもりもない。なにせレンズ1本が鬼高いのだ。
 そうなるととりあえずこのハッセルに向く写真を考えながら、それとは別にいままで通りの撮影が出来るような機材構成を考え直すことにした。なにせ鮮魚街道のその先と熊谷の撮影はまだ道の途中なのだ。

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