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2021/07/02 半夏生(はんげしょう)で半化粧

「文筆を志すなら、歳時記を知らなくては」。コラムを書いていた大先輩が語ったという言葉にならい、イラストと浮世絵で日本の旧暦を楽しめる本を常備している。

本日は二十四節気の一つ、「半夏生(はんげしょう、はんげしょうず)」である。サトイモ科の薬草カラスビシャク(半夏、上記の写真参照)が生えるのを合図に、田植えを終える日とされている。この頃に降る大雨は「半夏雨(はんげあめ)」と呼ばれるという。その通りに、朝から本降りの雨が降り続いている。

さて、「はんげしょう」という響きで連想したのは「半化粧」。外出時はマスクが必須となった昨今、マスクで隠れる顔の下半分は、ベースメークだけしかしていない。口紅もチークも使わず、まさに「半化粧」状態だ。

以前と同じようにフルメイクをしないのは、私だけではないようで、外出自粛やテレワークの普及も相まって、化粧品会社大手の売り上げは昨年、軒並み2~3割程度、落ち込んだ。ところが、今春になって、口紅の販売が反転攻勢を見せているという。

先日の休みに、劣化していないかと思って、ほんの少しの間、紅をさしてみた。さみしい顔が思った以上に華やかになった。やっぱり、マスク姿は不自然だと思った。「半化粧」だと中途半端な印象をぬぐえない。

その一方で、今回の事態を機に、ノーメイクの心地よさを発見した女性もいるという。肌の弱い私は、マスクで肌が荒れやすいので、以前よりも、スキンケアに力を入れている。基礎化粧品の数を増やすというよりも、時間をかけるようになった。

自分にとってのメイクを考える人も増えているのではないだろうか。私は「かくあらねば」という世間の圧力で強制されるような化粧のあり方は好きではない。でも、メイク自体は好きだ。顔に絵を描いているような感覚で、自分なりに決まればテンションも上がり、「勝負モード」になる。反対に、自宅でゆっくりしたいときは、入念にスキンケアだけをしている。

要は、メイクのモードを自由に選択できるか、どうかだと思う。今回の緊急事態をきっかけに、メイクとの自由な付き合い方が広まればいいと思う。また、フルメイクでお出かけできる日も一日も早く来てほしい。


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