見出し画像

【臨床心理士・公認心理師が解説】スクールカウンセラーのお仕事

こんにちは~池さんです(#^^#)

今日は干していたお布団が帰宅したら飛ばされており、地面について汚れていたという不運な1日でした :roll:

さて、今日のテーマはこちら!

【現役スクールカウンセラーが語るスクールカウンセラーの仕事内容】

今では小中高等学校に派遣されるのが当たり前になったスクールカウンセラーのリアルをお伝えします!(こう言うと誤解を招くかもしれませんね(笑))

これからスクールカウンセラーを目指す心理職の方や、子どもを学校に通わせている親御さんや児童・生徒は必見です!

では、参りましょう😊

スクールカウンセラーとは!?

画像1

簡潔に言うと、「学校内にいる心の専門家」のことです。

スクールカウンセラーはまだ歴史が浅く、1995年から公立学校に配置されるようになってきました。その経緯や歴史については、以下のサイトをご参照ください。

https://www.resource-port.net/2021/03/22/history-sc/

スクールカウンセラーには、近年のいじめや不登校、児童生徒の心の在り様と関わる様々な問題に対処することを期待されています。

そして、スクールカウンセラーの8割以上が臨床心理士や公認心理師であり、稀に大学教授や医師もいます。

スクールカウンセラーは各都道府県等からの要請があって配置されるため、雇い主は各都道府県や市区町村の教育委員会であることが多いです。

最後に、スクールカウンセラーは非常勤職員の雇用になり(一部私立の学校は常勤職員の雇用もあります)、相談体制は1校あたり平均週1回、4~8時間といった学校が多いです。

スクールカウンセラーの業務内容

画像2

続いて、スクールカウンセラーの仕事内容について説明します。

スクールカウンセラーの基本的な業務内容は以下の通りです。

 スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、教職員等への研修、事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど、ますます多岐にわたっており、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしている。

 スクールカウンセラーは、1~7のような児童生徒が抱える問題に学校ではカバーし難い多くの役割を担い、教育相談を円滑に進めるための潤滑油ないし、仲立ち的な役割を果たしている。

1.児童生徒に対する相談・助言
2.保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)
3.校内会議等への参加
4.教職員や児童生徒への研修や講話
5.相談者への心理的な見立てや対応
6.ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応
7.事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア

出典元:文部科学省

幅広く校内の教育相談体制の強化のために、心理的支援を充実させるような業務が多いということですね。

個人的には、上記の1,2,5が業務が1日の大半ですね。

スクールカウンセラーの1日

画像3

では続いて、現役スクールカウンセラーである私、池さんのスクールカウンセラーとしての学校での1日の過ごし方を紹介します。(勤務先は小学校です)

9:15 出勤
9:15~9:35 教職員と情報交換
9:35~10:20 授業観察
10:20~10:40  5年生全員面接
10:40~11:25 保健室利用の児童生徒の面接
11:35~12:20 保護者面接
12:20~1:00 給食・休憩
1:00~1:20 5年生全員面接
1:20~2:05 教室に入れない児童生徒と校内を巡回
2:15~3:00 事務員やサポーターと雑談
3:10~4:00 保護者面接
4:00~5:00 教職員と情報交換
5:00 退勤

その日の面接の予約や会議などのスケジュールは、朝出勤してから教職員と一緒に確認します。

毎週同じスケジュールになることは少なく、また、1日の中でも流動的に動くことが多いです。

教職員は児童生徒が下校してからやっと個人の仕事に取り組める人が多く、職員会議などの予定も入ると、情報交換できる時間が限られ、時には勤務時間を過ぎてやっと話す時間が作れる忙しい先生もいます。

児童生徒や保護者の面接を定期的に継続して行う場合もありますが、多くは単発で終わる面接ばかりです。

それでも、学校の美味しい給食をまた食べられる嬉しさと、児童生徒らと学校内で直接関わって支援できる喜びはスクールカウンセラーならではだと思います。

ここでは記載しておりませんが、「スクールカウンセラーだより」というスクールカウンセラーが児童生徒や保護者向けに発行しているお便りも時間が空いた時に作成しています。

どんな人がスクールカウンセラーになる?

画像4

上記で述べた通り、スクールカウンセラーの8割が臨床心理士や公認心理師の資格を持つ心理の専門家です。

その中でも、スクールカウンセラーになる方の多くは、子どもが好きで、より日常場面に近いところで支援をしたいと考えていると思います。

また、学校の中に心理職は基本的に1人(多くて2人)なのと、子どもと保護者、教職員といった多様なニーズに答えられる専門性と視点や学校現場に適応できる社会性を兼ね備える必要があるので、中堅からベテランの心理士が多い印象があります。

心理士自体、女性が多い業界なので、必然的に女性のスクールカウンセラーが多い気がします。

稀に元学校の先生や、元会社員の方が大学で心理を学んでスクールカウンセラーをしていることもあります。

スクールカウンセラーに相談するには…

画像5

実際にスクールカウンセラーの相談に繋がるためには、学校の窓口担当の先生に直接もしくは電話でその旨を伝えて、予約を入れるというのが一般的かと思います。

稀に学校内に相談室があり、直通の電話が置いてある学校もありますが、多くのスクールカウンセラーは相談や相談記録の記入以外は相談室ではなく職員室や保健室など校内を転々としています。

なので、スクールカウンセラーに直接相談の予約をするよりも、平日学校に勤務しているスクールカウンセラーの担当の先生に聞いてみた方が早いかもしれません。

まとめ

画像6

今回は、学校の中にいる心理の専門家であるスクールカウンセラーについてご紹介しました。

スクールカウンセラーが学校現場に配置されるようになってかれこれ20年近く経とうとしていますが、まだまだ身近な存在とは言えないかもしれません。

スクールカウンセラー含め心理士の多くがあまり前に出たがらず、黒子として悩みを抱えている人をバックアップしたいと考えていると思います。

決して学校の中でも目立つ存在ではありませんが、陰ながら児童生徒やその保護者、教職員を支えられていたら幸いです。

スクールカウンセラーは常に窓を開いて相談者の方の来室を待っています。

児童生徒を持つ親御さんや教職員の方々もぜひスクールカウンセラーをご活用ください😊


本日のお話は以上になります。

今日も素敵な1日をお過ごしください。池さんでした。

では、また明日お会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?