見出し画像

「生きていてよかった」そう思える瞬間をこの世界に増やしたい


「私、今日ここにきて、生きていてよかったと思いました」

soarのイベントで、ある女性がたくさんの人がいるなかで、手をあげてこんなことを言ってくれた。目をきらめかせて、表情はとても晴れやかだった。その瞬間に私にはぐっとこみ上げるものがあった。

ーーーー

8年前、私が仙台に住んでいた頃、東日本大震災があった。福島では原発事故が起き、たくさんの人が避難のため宮城に移住していた。

友人も子どものために故郷である福島を離れる選択をし、私はそのことにとても胸を痛めていた。その頃、原発はなかなか触れにくい話題だったこともあり、何も言えなかった自分を情けなくも思った。きっといろんなひとが不安な思いを抱えたまま、それを口に出さずにいたように思う。

「何か自分ができることをしたい」と考えた私は思い立って、収益が避難している親と子どもたちをサポートする団体への寄付になるチャリティイベントを開いた。その場には、私のように何かしたいという思いを持った人だけでなく、実際に福島から避難してきた人たちも参加してくれた。

そこで、福島や避難している人々への思いを参加者同士が共有する時間をつくった。

それぞれに、ずっと感じていたことだけど、なかなか普段の生活では言えなかった思いを口にする。不安な思い、誰かを思う優しさ、それでも頑張っていこうという気持ち。涙を流していた人も多かったけれど、同じくらい穏やかな笑顔の人も多かった。

「大雪でものすごく寒い日だったけれど、あの場はまるで花が咲いて春がきたように暖かかった」

参加した人がそう言ってくれたように、その時間は、私が想像していた以上に優しく暖かなエネルギーに溢れていた。

そしてある人がこんなことを話してくれた。

「悲しい現実は変わらなくても、気持ちを分かち合えるだけで生きる心地は変わるのよ」

この世界には自分の力だけではどうしようもできない悲しいことがとても多く、人は生きていくなかで何度もつらい出来事に出会う。

でも状況はすぐに変えられなくても、誰かと思いを分かち合うことで、心が救われることがあるのだと私は初めて知った。

誰かと誰かの思いが重なり、共感が生まれる。それがほんの一瞬でも、「生きててよかった」と思える居場所になる。

8年前の思いが、soarのイベントで「生きててよかった」と言ってもらえた瞬間に、甦った気がした。

彼女が発言してくれたのは、参加者同士でsoarのどんなところに共感したのか、自分はどんな思いを持ってこの場にきたのかを分かち合う時間が終わってすぐだった。

彼女がどんな生き方をしているのか深くはわからない。もしかしたら、日常では生きづらさを感じているのかもしれないし、そうでないかもしれない。それでもsoarがつくった場で、誰かと思いを通じ合わせることができたのだとしたら、彼女が自分の生を肯定できたのだとしたら、それほど嬉しいことはない。

そして居場所というのは何も、リアルな場に人が集まるということだけではないと思う。

インターネット上で知らない誰かの生き方を知ることで、思いが共鳴しあい、一瞬だとしても「生きていてよかった」と思える居場所がつくれるんじゃないだろうか?

ウェブメディア「soar」の根底には、そんな思いが流れている。

記事の中にいる誰かとそれを読む誰かとの出会いは、きっとポジティブなエネルギーを持つ。

私たちはそんな一瞬の出会いに全てをかけたい。それが、きっと誰かの生きる助けになると信じて。

ーーーー

今日は私の35歳の誕生日。今の私は、soarという場を守り続けるため、日々情熱を傾けている。soarの記事で出会うひとたちの生き様に、一番支えられているのはきっと私自身だと思う。

soarは今、「情報のセーフティネット」としてサイトを生まれ変わらせるため、目標額800万円のクラウドファンディングに挑戦している。

すでに500人以上の方が支援をしてくださって、570万近くのご支援が集まっています。本当に本当に、ありがとうございます!

たしかな情報とあたたかい文章は、生きる上で、もっとも心強い後ろ楯になると思います
この希望の光がもっともっと必要なひとのところに届いて欲しい。きっと救われる命がある

支援者の方のひとつひとつの言葉が力強く、温かく、優しくて。私自身がみなさんの想いに、生きる力をもらっているように感じる。

私の誕生日を祝ってくださる方は、ぜひバースデードネーションとして、soarのクラファンにご支援してくださると嬉しいです!

この世界に「生きていてよかった」と感じられるような瞬間を生み出していくため、どうかみなさんの力を貸してください。

サポートは、soarの活動に活きるような学びに使わせていただきます😊