アンチアンチエイジング

話題のガールズグループNiziUがテレビで「私は午年なので~」と言っていて

同じく午年の私は親近感を覚えると共に時の流れを感じた。

一回り歳の違う子たちがこうやって活躍するんだなぁ。


今年20代を卒業した私は、三十路と言えることにある種の喜びを感じている。

多くの女性は若さを羨むようだが、若かった頃の私はむしろそれが恨めしかった。


オタク気質の私は、メイクやファッションに憧れが無い少女だった。

多少の身だしなみは気にするけれど、いろんなファッションに挑戦してみることには興味が無く、

自分が綺麗になるより、自分の作る作品が美しいことの方が大事だった。

思春期になっても、成人してもずっと私はそんなだった。


大人になってからは、自分の体のラインが綺麗なことに気が付いて、

作品としての美しさを、自分に投影する遊びをしてみたりもしたけれど、

そうすることで予想していなかった弊害が起こった。

男性の、私を見る目が、目の色が、文字通り変わってしまったのである。

それがすごくショックだった。


それからデートに誘ってくれる男性がちょくちょく現れて、ちょっとしたモテ期を経験したけれど、

誘ってくる男性は私の体に触れたいだけで、私の心は無くても良いんだと感じた。

私は絵を描くようにメイクをして、美しいラインを活かすように服を選んで、作品のように容姿を作ったけど、作品ではなく人間なのに…

性欲のはけ口として消費されることが悲しかった。

人間として扱っていないような男性のあの”目”を見るたびに、心の中で泣いた。


20代も後半になる頃には、女子会での話題は専ら「早く人間になりたい」だった。

「大人になってから男友達を作ることは不可能なんだと悟ったよ」との友人の言葉が象徴的。

こうして私は、若い女性として生きることに嫌気が差すようになった。


ちなみに夫は、歳が離れているせいか私を女として見ていなかった。

どんなに仲良くなって、二人で旅行に行くまでになっても、私の体に一切触れないことが嬉しくて、大好きになった。

彼と付き合うようになってから、ようやく私は人間になれた気がする。


30歳になって、これから若さを失うごとに現れるであろう人間性、

その人間性が美しい人こそ、若い人よりずっと素敵だ。

私はそういう人になりたいからこそ、歳を取ることが嬉しい。

笑いジワと艶々の白髪をこしらえたオバサンになりたい。

若いからじゃなくて、私自身に価値があるんだと認められたい。


そういえば、NiziUのオーディションを見たことが無かったので、最近最初から見てるのだけど、

JYprakさんの一人ひとりを認める姿勢は本当に心を打つなと思った。

「そのままで既に特別なんだ」って歌詞にもなってるけど、オーディションからずっと仰っていたんだね。

女だから、綺麗だから、若いから特別なんじゃない、私が私らしく生きていることが特別なんだ。

これからはそういう認識が広がる時代になっていくんだろうなって、NiziUを見ていると希望を感じる。

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