見出し画像

Weekly AR Review vol.17|Facebookマーク・ザッカーバーグ氏のARの展望

今年も恒例のFacebookのマーク・ザッカーバーグ氏の投稿がありましたね。

そのなかで、今後10年のARの展望が語られており、これから起きるブレイクスルーについても言及されていました。そして、今後それが実現していくことを期待させるARユースケースも続々登場しています。

そんななか、今週の『Weekly AR Review』が取り上げるトピックはこちら⬇️

ザッカーバーグ氏のARの展望

年始に恒例となったFacebookのCEOマークザッカーバーグ氏による「一年の抱負」のFacebookへの投稿ですが、今年は少しテーマを変えて、「2020年から2030年間の長いスパンでの抱負」を述べています。むしろ「これから10年間の展望」に近いものなのかもしれません。

そのなかで、「The Next Computing Platform」のパートを設けてARについても触れています。

今までデスクトップPCやウェブ、そして携帯電話がプラットフォームとして登場し私達の日常の溶け込んで来たが、ブレイクスルーをもたらすARグラスがこれから10年の間に新しいプラットフォームとして登場してくるのでは?と展望を語っています。

このテーマの中で、「人間とテクノロジーとの関係性」にも言及をしながら、実存感 (a sense of presence) に変化が訪れると述べています。

テレプレゼンスが登場し普及した未来ではもちろん人間関係にも変化が訪れます。ザッカーバーグ氏は、「このプラットフォームは私達を引き離すものではなく、むしろお互いの実存感を感じさせるものだ」と考えているようです。

初期のデバイスの粗さを承知した上で、その先にある「これまでにない人間関係とソーシャルテクノロジーのプラットフォーム」への期待を伺わせています。

ザッカーバーグ氏らしいSNSや人間関係の文脈でのARの考察と社会のプラットフォームとしてのARの役割についての考え方は非常に興味深いです。それに加えARグラスについても言及があり、今後のFacebookの動向についても気になりますね。

サッポロ黒ラベル×AR、そして×NrealLight

Twitterで話題になっていたサッポロ黒ラベルのWebAR
期間限定でNrealLightとのコラボレーションも行っていました。

澤穂希さん、菅原小春さん、立川志らくさんら著名人が20歳の自分に向けてメッセージを送るという黒ラベルのWebAR企画。黒ラベルの商品や街頭にある広告の黒ラベルのポスターにカメラを向けることで楽しむことが出来ます。。黒ラベルの商品や街頭にある広告の黒ラベルのポスターにカメラを向けることで楽しむことが出来ます。

*ちなみに今回は8th WallのWebAR技術が使われているようです。

また、1月11日から13日限定で、auの直営店「au SHIBUYA MODI」にてNrealLightでサッポロ黒ラベルのARを楽しめる企画も展開されました。

NrealLightを装着し、黒ラベルのマークを見ると、目の前の世界が切り替わり、CMでおなじみのBGMが流れる中で、著名人による20歳の自分に向けてメッセージが目の前の空間に表示されます。

今回の企画を主導していたKDDIは、積極的に日本でのNrealLightの展開を推進しており、サッポロ黒ラベルのような、すでに僕らの生活に密着したコンテンツとコラボすることにより、AR/MRの社会実装を進めているようです。

政治にもARを!候補者をARで選ぶ未来

今後、政見放送がARで行われる未来が来るかもしれません。

今年行われるアメリカの大統領選の候補者の一人はすでにARを用いた選挙プロモーションを行っています。

このAR選挙プロモーションはベライゾン・メディアと米新聞大手ガネットにより米大統領選の民主党候補アンドリュー・ヤン氏に対して行われたものです。USA TodayもしくはYahoo Newsのアプリを使うことにより、ヤン氏の選挙公約を3Dイメージとともに知ることができます。

3Dモデルのそばに資料のグラフや引用なども表示されるので、人と公約が結びついて記憶しやそうですね。

画像1

Credit:DIGIDAY

近年、政治との心理的距離感が離れてきていますが、ARを通して私達の日常で政治に触れ合う機会を演出することも増えて来そうです。

また、この背景にはARコンテンツ制作のコストの低下があります。コストを抑えてARのプラットフォームやリソースが整ってきた今、新聞業者等の既存のメディアもARに関心を持ち始めており、ARコンテンツの’民主化’が起こっているようです

ベライゾン・メディアのマネージャー、アレックス・ウォレス氏はARを『次世代ストーリーテリング』のツールとして捉えており、選挙運動だけではなく、ARの’民主的な’広告としての機能に注目をしています。実際、ベライゾンはアメリカの百貨店メイシーズ(Macy’s)と提携を結び、AR広告の普及を推進しています。

より使いやすく!Nrealの新たなシステム『Nebula』

CES2020で発表されたNrealのシステム『Nebula』
スマートフォン向けアプリをNrealLight上でも使用できるようにするものです。

画像2

このことについてMogura VRさんの記事がよくまとまっていました。

Nebulaの特性は以下の4つ。

■ コンテンツの永続性
一度使用したアプリやARオブジェクトは同じ場所・空間に記録されるようになり、実際に現実世界に存在し続けているかのような感覚を体験できるようになります。

■ 無限のワークスペース

周囲の空間がすべてワークスペースとなり、複数アプリの同時機能やスクリーンのサイズ調整は位置調整ができるようになります。

■ リアルタイムでの共有

NrealLightを通して、複数人でのMR体験を実現することができます。

■ 複数のインプット方法

スマートフォンをコントローラーとして使うことに加え、他社のコントローラーやゲーミングキットにも対応するようになります。

画像3

日本でも徐々に出荷が始まったNrealLightですが、今後UXを大幅に改善するようなアップデートが続々登場しそうです。

また、↑で紹介したNebulaの機能の一つ「コンテンツの永続性」はAR/MRならではの機能であり、今までの携帯端末ではなかった、空間と結びついた体験が生み出されるかもしれませんね。

2020年から始まるARの時代?

Facebookのザッカーバーグ氏のARの展望に見れるように、今後10年で大きなブレイクスルーが訪れるかもしれません。

そう考えたとき、2020年はどんな年になるのでしょうか。

Magic Leap1やNrealLight等のARグラスの機能は増えてきており、ARの幅はどんどん広がっています。それともない、ARを活用したユースケースも続々登場し始めています。そして、ARを使った政見放送やARを使った商品のプロモーションなどなど、すでに業界を超え話題を集めています。

2020年から本格的にARの社会実装で益々面白くなりますね!


過去に公開した『Weekly AR Review』は⬇️のMESON XR MAGAZINEから見れます!

僕が所属しているMESONは「Spatial Computing時代のユースケースとUXをつくる」をテーマに掲げて活動しています。MESONの理念に共感して一緒に働いてくれるメンバー、プロジェクトをご一緒できる企業を募集中です!

僕のTwitterでARネタ投稿や『Weekly AR Review』更新のお知らせをしています!フォローよろしくお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?