暇空茜 著『ネトゲ戦記』を読了

色んな意味で話題の本、暇空茜 著『ネトゲ戦記』を読みました。初版で買えました。

Amazonは品切れ。2/21の発売後、書店店頭でもすぐに品切れになるようす。重版決定して3月には安定供給になるかもです。


実はこの本2月16日に謎の犯行予告により、アニメイトで販売中止になった背景があります。犯人がいち早く捕まることを祈ります。



文字が小さめなので、物理本だと老眼の方は読みにくいかも。この本では、暇空茜 氏のことは「彼」と称されている。

第一部 ネトゲ編

これは、「彼」の幼少~青年期のエピソードと、1990年代のMMOでのエピソードで構成されています。

はじめは、Ultima Online と FF11がどのようなゲームか、イメージが沸かず読みづらいと感じました。MMOのエピソードは当時を知らない若者(私)や、ネットゲームに疎い人にはYoutube などで動画を見ておくことをオススメします。MMOの用語も多かったものの、注釈を読めばついていけました。

もちろん「彼」がプレイした頃のゲームとは違うものだと思います。

第二部 起業編

MMOを卒業した彼が、企業で働いたのち、「グラ二」の起業に携わるまでの過程が描かれます。


第三部 起業編

第二部で起業したグラ二の社長に彼が裏切られるところから始まります。その後裁判が始まり、裁判がどのように進むのか、そもそも裁判とはどのものなのかが彼の視点を通して描かれています。

一般人には裁判をする機会なんて滅多にありません。したがって、裁判資料を読解できる訳が無いです。当然、ゲーム会社の社内の揉め事なので、ゲーム業界の用語もたくさん出てきます。そもそも裁判は数ヶ月単位で進むので、当事者とその弁護士、裁判官しか一連の流れを把握するのは難しいものです。

しかし本書では、第三者が読めるレベルに噛み砕いて説明してあります。法的知識がまったくない状態で裁判の経過がわかります(正確に読むには、多少は頑張って読む必要はある)。主張と反論、彼による解釈がテンポよく記述されているので、裁判の面白いところ、難しいところが伝わってきます。


この章だけでも1650円の価値は十分にあると言えるでしょう。


おわり

MMOやゲーム会社、裁判当事者という「内部の人間にしかわからない世界」を体験できる本でした。

(当記事リンクにアフェリエイトなどはありません)


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