東京タワー

東京タワーが好きです。京都タワーも好き。太陽の塔もエッフェル塔も好き。スカイツリーにはまだ馴染めません。子どもの頃に母に連れられて通天閣に登ったことがある。高くから街並みを望み、「タワーは登るものではなく、地上から見上げて尊ぶもの」と思った。以来、一度もタワーの類には登った覚えはない。富士山に登った時もまた等しく、「富士は登るものではなく、遠く眺めて愛でるもの」と思った。以来、一度も山の類には登った覚えはない。わたしは街に溶け込んで、些細な一人として生きたいのだと思う。むしろ同化して街それ自体になりたいのかもしれない。風景より風情が好きだ。どうしてまた唐突に東京タワー愛について語り出したかというと、来週から東京くんだりまで一週間ほど行くからで、それがすんばらしく楽しみなわけ。当初は帰りのフライトを蹴らないといけなくなって、東京から長野、そして名古屋と西に抜けていくつもりだったけど、やっぱり東京にいたくなった。だからチケットを取り直して、東京の街にいることにした。それを決めたのは昨日。関西方面で約束してたひとには申し訳ない気持ちです。ただ、これからバイクを買うつもりなので、九月頃に行けたらいいなと思ってます。ちなみに免許はまだです。では、東京で何をしよう。と思って(うち2日は長野へ行く予定)、やりたいことを考えた。寄席へ行きたい。演劇を観たい。名画座へ行きたい。fuzkueで本を読みたい。ハルカゼ舎と七月堂と松野屋へ行きたい。荻窪を散策したい(三鷹〜高円寺はどれもとても好きな街で、ぼんやり住んでみたいと思うことがある)。高円寺や野毛など好きな夜の街で飲み歩きたい。夜風に吹かれながら散歩をしたい。東京タワーの真下で、見上げたり寝っ転がったりしながら、友人とお酒を飲みたい。上京する折、少し余裕があると東京タワーへ立ち寄る節がある。いつも芝公園を散歩して、タワーの麓をぐるぐるまわって終わり。それだけで充分満足するのだけど、心密かに抱いていた夢がまさに「東京タワーの真下で、見上げたり寝っ転がったりしながら、友人とお酒を飲むこと」だった。ここで渡りに船。「いい場所知ってるよ。」と、わたしのしょうもない夢に付き合ってくれる友人が現れた。今からとてもとてもとても楽しみ。NHK朝ドラ「ひよっこ」のみね子と島谷くんよろしく、誰かと東京タワー(の麓)へ行く日が来るなんて。泣けちゃうよ。晴れるといいな。

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