ゴールデン街という沼から抜け出せず滞在時間が20時間になった話


朝、ゴールデン街の外にあるネットカフェで目覚める。気分は最低、目の前ドロドロ。家からのLINEが刺さる……。

悪いことはしていない。ただ飲んでいただけなんだ。そして、しばらく我慢する生活をしていたので……。やってしまった。

朝9時スタート……。終わったのは朝5時……。

20時間の黄金の街……。

これを黒歴史というのか、白歴史といういべきなのかは正直わからない。

きっと良い思い出だと楽しく振り返れる日も来るだろう。記憶があれば——。多分一日寝てしまったらもう振り返ることは出来ないだろう。絶対に覚えていられない。

だから、今、覚えているうちに記憶を出す。いくら使ったとかは計算してはならない。とりあえずしばらくは近づかないようにしよう。怖い。沼すぎる。

これは恥なんだろうと思う。だから書かないほうがきっと良いのだろう。家人にも怒られずに済むし、友人達を呆れさせずにも済むし……。でも正直興味がある。自分は何倍飲んだのか。何点に行ったのか。誰と話したのか。

会った人のこともプライバシーなどを侵害しない程度にふんわり記す。フェイクとしてイニシャルで書くが敢えて異なるイニシャルを書くこともあることを断っておく。


1店目 ジョナサン 7〜9時くらい
朝方のジョナサンで仕事にとりかかる。うまく動かせていなかった案件があったのだが、順調に進んだ。良い時間。これから遊ぼうと思っているので気持ちがみなぎっている。もちろんノンアル。コーヒー3杯とアサイーボール。

2店目 たうち飯(チリチリナイン) 9〜12時
憧れのたうち飯へ行き、たうちさんと話すことが出来た。鮮度最高級のブリの刺身などを頂く。ブリは血の気の多い魚なので、若干の生臭さはあるのだが、鮮度が高いため、血合いの色も鮮やかですっきりとした味わいだった。美味しい。
うまい魚は、仕入れと保存で勝負が決まる。よく魚を知っている料理人がいるお店は何を食べても信頼できる。でもカワハギを食べたかった……。

ガルシアFさんと入れ違いですれ違う(会ってはない)。この界隈では有名な美人さんのNさんも店内にいて、「あれ、こいつ見たことあるな」という顔をされた。というかして頂いた。光栄だ。でも名乗らなかった。

ゴールデン街では、若い人ほど顔を覚えてくれている。4,5ヶ月前に1,2時間飲んだだけで、名前もプロフィールも覚えているのが20代。あれこいつ見たことがあるなみたいな感じになるのがアラサーくらい。誰だっけとなりはじめるのがアラフォーから先で、アラフィフのママさんとかはまったく記憶に残っていないこともある。それがゴールデン街。ぼくの愛する街。

松本の清酒、大信州を2杯。ハイボールを2,3杯。松本出身の人に出会った気がするんだけど、誰だったかな……。まじで誰だっけ……。


3店目 シャドウ 12〜16時くらい
N氏と共にシャドウへ。空いているお店がゴールデンダストかシャドウ&珍呑しかなかったのだ。前からTwitterを除いて知っていた白雪姫的なYさんと初めてあった。もの凄い頻度でTwitterを見ていたため、色々詳しくて驚かれた。ネットゴールデン街民をなめてはいけない。大好きすぎてアカウントまで作ったのだ。

お勧め上手の白雪姫さんと楽しく飲みつつ、ラーメンを頂く。ハイボール4,5杯くらい飲んだだろうか。まだ元気だった。今思い出してみても、とても爽やかで楽しい気分が残っている。良い時間だった。

シャドウ名物お通しラーメン

4店目 珍呑 16〜17半時くらい?
シャドウの必殺技「上に○○さんいるから会っていきなよー」にやられる。初対面のKさんと会うけど、ごめんよ、そろそろ記憶が怪しい。何喋ったっけ……。結構酔っ払っていた気がする。お店には誰がいただろうか。あんまり覚えていない。話した内容も怪しい……。多分酔っ払いが来たなという感じだったのだろう。N氏はノンアルを飲んでいたような気がする。あ、お通しで白菜と油揚げの炒め物を作ってもらった。焦げているとKさんは言っていたが、とても美味しかった。酔った頭にみずみずしいシャキシャキの白菜。多分ハイボール1,2杯だと思う。

5店目 アルパカ 17時半から〜……?
初めてのアルパカへ。楽しかった。そうだ、Sさんが店番をしていた。とても綺麗で、客さばきが上手な明るい人であった。Sさんの魔力もあってか、あるいは酔っ払ったぼくの暴走があったのか、店内とても楽しい雰囲気になっていたと思う。でも何を話したかな。まじで何を話したかな。すごく楽しかったのは覚えているんだけど。思い出せ。思い出せない。何を話したんだ、ぼくは。何を飲んだかもよく覚えていないが、瓶ビールか?ハイボールか?何も記憶にはないが、Sさんの笑顔はとても印象的であった。アルパカは良いお店。

あ、途中で現れた芸術系女子が、レコードをかけた。とてもセンスがよい子で、エラフィッツジェラルドの歌声が店内に響いた。良い時間だった。このへんで帰れば良かった。なんで帰らなかったんだ、ぼくは。

途中Sさんのお使いで氷を買いにファミリーマートへ。ちゃんと褒めてもらったかどうかは覚えていない。酔っても買い物にいけるぼくは偉い!自分で褒めてみる。これは、無銘喫茶で店長をやったときと同じフローであった。店員さんに話しかけたらミャンマー出身で、もう一人の店員さんもミャンマーだった。辛い料理好きですと伝えた。二人ともニヤニヤと笑った。ぼくもニヤニヤと笑った。

6店目 澤 20時〜21時半くらい?(推測
次はどこへ行ったのか。私にはわからない。でもどこかにいったはずだ。恐らくだが澤で、カレーを食べたのではないだろうか。ぼくのゴールデン街アカウントのTwitterにイイネをいつもつけてくれるSさんと、ちょっとシビアで魅力溢れるマスター。

あと誰だったかな……。誰かがカウンターの奥にいて、色々喋ったような気がする。カレーは美味しかった。あっという間に食べた。澤さんはもう少しゆっくり滞在したかった。くつろげる良いお店。何時から何時までいたのか、何を何杯飲んだのかはもうわからない。いや、なんか先輩と呼ぶくらいゴールデン街に詳しいお兄さんと会ったような気がする。しかし、内容をまったく覚えていない。思えばもう12時間も飲んでいるのだ。Sさんとは逆サイドなのであまり喋れなかったのでまた改めて。

7店目 シネストークYOYO 21時半〜22時半くらい?
2020年の「じゅんじゅん初め」に遊びに行く。イニシャルトークで書いてきたのだけど、じゅんじゅんだけはそのまま記す。だってじゅんじゅんだもの。

新年会などで昼から飲んでいたじゅんじゅんも結構出来上がっていた。ぼくは、自由に生きているじゅんじゅんを見ているのがとても好きで、酔っ払ってそのへんで沈没した話などを聞くのも好きだ。こういう人と飲むと、人生が良い方向に進むような気がする。それは多分気のせいであり気の迷いなんだけど、大事な感覚だと思う。

ゴールデン街のみんなは、寄ってたかってぼくの人生を肯定してくれるような気がしている。そういう場所に出会ったことがなかったのでとても嬉しい。まだ半年程度の新参者だけど、この街は本当に好きだ。

追記
じゅんじゅんが仕事上がりに飲もうかなぁとか呟いていたので、ぼくもちょうどお店探していたところだったのでお誘いしようと思ったけどタイミング合わず。シネストークYOYOの真っ暗な階段に向かって「じゅんじゅーん!!!カムバーーーック!!」と叫んでみた。


追記2
同行したN氏によると澤とYOYOに行った順番が逆だったらしい。まったく記憶にない。


8店目 多分1回目のbali(行ってないかもしれない) 23時30分〜2時くらい?
N氏とはこの辺りで別れたはず。14時間くらい連れ回してしまった。だけど途中から「いつ帰っても大丈夫です!残るなら自己責任ですからね!!」と釘を刺していたので、きっと大丈夫。そしてここからは一人だから本当にどこで何をしたのか怪しい。俺はどこへいったのか。シャドウも珍呑もエース級の素晴らしい人が入っていたのだけど、何度もシャドウ&珍呑に戻ってしまうのも、それはそれで沼である。ゴールデン街自体も沼地なのだが、シャド&珍呑の「あの子いるなら行こうかな力」は尋常ではない。その魅力は噛みしめつつ、どこか他へ行こう。しかしぼくはどこへいったのか。

baliに2回いったのではないかという気がする。あんまり記憶がないのだが、作業仮説としてbaliに二回行ったものとして書く。

すらっと背の高いLさんが店番をしていた。baliはとても良いお店で、今治出身のオーナーがやっていて今治がコンセプトのはずなのだが、お店は今治に関するものがほとんどない。ぼくはよく今治に行くので会話が弾むと思いきや特に弾まない。

泥酔した今治出身のオーナーが現れたので「スナックかつえ」を知っているかと聞いたところ、「○××○×を知っているか」と聞き返された。本気で何を言っているかわからなかったが、あちらもぼくが何を言っているかわからなかったことだろう。松本のあたりの飲み屋の名前であることはお互い確認した。Bar風に行ってくれと何故かお願いしたのだが、マスターは返事をせずに眠りについた。邪魔だから奥で寝てとLさんに言われて、店の端っこで冬眠。いつものことらしい。

記憶を辿ると前にbaliに来たときも同じ事があったような気がする。その時はYさんで、そういえばLさんお客さんでいたような……。うう……。baliに来る頃は記憶が曖昧だ。後松本出身の人と会ったんだけど、誰だ。まじで誰だ。何度か同じ事を聞いてしまった気がするんだけど、誰に聞いたのか。うーん……。誰だ。

9店目 ガルシア 深夜1時くらい
一人で店番をしていたお姉さまと話す。お姉さまはお姉さまだけど、何というべきなのか。身体のセクシャルはmaleのお姉さま。この人が本当に素敵な人で、見れば見るほど可愛く見えてくる。誤解を恐れずに言うと、ゴールデン街で出会ったすべての女性よりずっと女性らしく妖艶だった。

ちょっとした姿勢がとても色っぽい。そして、とても頭が良い。こちらが舌を巻くくらい色々なことを深く考えている方だった。お年を聞いたら、驚きの余り絶句。人間ってすごい。ゴールデン街ってすごい。日曜日に在店とのことなので、女性陣を案内するときは連れて行きたい。ガルシアはお店も落ち着くし、店員さんも個性的だし(3人中3人、それぞれが独特の面白さ)、良いお店だ。

ガルシアを出ると路上で叫んでいた外国人男性にキスをされた。ほっぺね、ほっぺ。あららと思っていたらもう一人来て、逆のほっぺにキスをした。Where are you from?と聞いたら、ヒャハー!と言っていた。良いカオスだ。

メキシコ人の男性が女性にキスをしていた。女性は日本人のような気もするが、東南アジアの人かもしれない。メヒコ、メヒコーと言っていると、俺の彼女だ見ろと謎の写真を見せられる。白人さんの女性。

じゃあ今キスしている女性は誰なんや?と聞くと三人目の金髪ピアス男が現れて、この人達こうなんです、みたいなことを言っていた。

一緒にどこか飲みに行こうとか言い出したのでついていった。前を歩くはメヒコと女性。時々キスをする。腕をがっちり組んでいる。ぼくの隣には金髪ピアスの男性。ゴールデン街を出ようとしたので、英語で説明する。

Sorry, This is my town. I can't go out here.

金髪ピアスが連絡先を交換しようと言ってきたのだが交換しなかった。ゴールデン街で飲んでいるのに、街の外に出て行こうとするやつは悪だ。信用ならん。世の中には、やっていいことと悪いことがある。

でもどうやらあれは手の込んだ客引きだったらしい。女性とキスしているところなどを見せて、興味を引き、ちょっとムラムラさせた上で、どこかのお店に連れて行くという手法なのかもしれない。なんでわかったのかというと、ぐるっと回ったら、最初にキスした地点に戻っていて、またキスをしていたから。次は全員目も合わせなかった。鴨ではないと思われたのだろう。

客引きは禁止されているのだが、たまにはこういう輩達もいるらしい。かなり危なそう話だが、ゴールデン街にはぼったくり店はない(不思議な会計になると言われるところは1つある)。ここで飲んでいれば安全だ。

ついでに書くと、キレイめのお姉さんにも話しかけられて一緒に飲もうと言っていた。でも多分経験が浅いのだろう。「ぶっちゃけ客引きなんですが……」と自白していた。baliで飲むならいいよとか、kenzo's barに行ったことはあるかとかぼくが聞いたので、諦めたのかもしれない。

「あなたはとても綺麗な人だけど、ぼくはこの街の外では飲まないよ。さようなら」

そう告げると、少し悲しそうな顔をしてゴールデン街から出て行った。振り返ったら笑顔で手を振ろうと思ったのだが、振り返ることはなかった。

baliの前を歩いていた時、外国人が吹っ飛んでいた。吹っ飛んでbaliのドアにぶつかった。ドアが開いてしまったのでぼくが締めた。何か英会話したのだが、何を言っているのかわからないので、放置してどこかへ行こうとすると、体格のいい男と、相川七瀬みたいな女性がいた。大丈夫?と聞くと、大丈夫だという。カップルさんかと思ったら初対面で、この騒ぎで足を止めたらしい。

10店目 bali2回目? もう時間がわからない
なんかわからんけど一緒に飲もうぜと言ってbaliに3人で入った。これが2回目のbaliなのか、1回目なのかわからない。1回目のような気もしてきたが、どうだったかな。ともあれ、baliに入って三人で話していたのだが、正直あまり楽しい時間ではなかった。

なんでだろうな。空気がゴールデン街じゃない二人だったからかもしれない。ぼくがトイレに入って出てくると、二人はさっさと会計を終えてどこかへ出て行った。まぁよろしくやってくれ。ぼくには関係ない。baliという素晴らしく陽気なお店で飲んでいるのに、さっさと会計して出て行ってしまう人とは、多分これっきりだろう。

もしここを読んでいたら辛めの書き方をしていてごめんね。正直ちょっと不愉快だったのよ。この日唯一の不愉快な事案だったかもしれない。まぁまぁbaliでは色んな事が起こる。その中ではとても小さな事で、明日になったらもう忘れていていたかもしれない。

11店目 出窓
ふらっと歩いていて、いつもお客さんが多いイメージがある出窓さんに入ってみた。もうお店を閉めるところのような雰囲気だったのだが「一杯だけ一杯だけ!」と何故か進めてくれたのはカウンターで飲んでいたお兄さん。静かな雰囲気でピシッとした服を着ている感じの良い人で、聞いてみると西新宿の方でバーテンダーをしている方らしい。名刺も頂いたので今度行ってみたい。こういう出会いは嬉しい。

何を頼んだかな。タリスカーではなく、ラフロイグではなく……。グレンフィディックだったかな。先の細くなったグラスで出して頂き、香りを堪能しながらストレート。チェイサーのお水も自然と置いてくれて、そのグラスが繊細な細い飲み口だった。酔った身体にスコッチがしみこみ、清涼な水が身体を通り抜けていく。

ああ……、当たりだ。なんとお酒の美味しいお店だ。ゴールデン街ではとても珍しいし、この街の外でもこんなに上質なお酒の空間にはなかなか出会えない。バーテンダーさんが仕事帰りに来るだけある。

街の喧騒はなく、静かなジャズが流れている。良いスピーカーも置いてる。座っているとお店のマスターも現れてウィスキーを飲み始めた。大切そうに香りを嗅ぎながら少しずつ口に含む様をみて、ああ、良いお酒の飲み方だな、と。カウンターの中にいたのは20歳くらいの女性なのだが、彼女も同じようにウィスキーを飲んでいた。良い飲み方だ。20歳の時のぼくに教えてあげたかった。

でも今からでも遅くない。お酒を味わって幸福な気分になりたい人は出窓へ行こう。

出窓ではウィスキーの話などをしつつ上質な時を過ごす。出窓はお気に入りリストから外れることはなさそうだ。行く店が多すぎて困ってしまうね。

12店目 キャロット
最後に立ち寄ることが多い立ち飲みのお店に。流石に限界が近かったのだが、中で飲んでいる男女を見てピンときた。実際に予感は当たっていて、漫画家さんの女性と、映画監督さんだった(アマチュアといっていたとは思う)。監督さんは詳しいプロフィールを頂いてなかったので、後で何とか探そう。

要するにクリエイターが飲んでいるところを掘り当てたのだ。最後に頑張った。そういうのってやっぱり空気感でわかるんだよな。感性的な会話をしていそうな人もいれば、ゴールデン街で今夜のパートナーを探したいだけの人もいる。この町で探すのはあまりにも効率が悪いとは思うけど、女性なら楽なのだろうか。知らない、興味がない。ぼくが好きなのはこの町で最後まで飲んでいる人である。

流石にぼくも飲み過ぎたので、ビール一本を残してしまった。申し訳ない……。でも最後までぼくは立っていたよ。キャロットで立っていたよ。店員さんすごいイケメンだった。南野拓実みたいだった。ような気がする。

漫画家は夏子さんと言って「この前baliで会ったよね」と言っていただいたのだが……。baliで誰と何話したとかまったく記憶がないものだね。申し訳ない……。べるじゅらっくというお店で働いているということなので、今度遊びに行ってみよう。

監督と夏子さんは朝ご飯を食べに行くと言っていたので便乗することにした。


13店目 猫膳
ゴールデン街の外に出て、花園神社へ。その先にある定食屋さんで味噌カツ親子丼定食を食べる。はい、そうです。味噌カツ親子丼定食です。丼飯なのにライスがついていると思ったのだが、茶碗に入った千切りキャベツであった。とても美味しかったのだが、かなりの量があったので完食出来なかった。これが猫膳だと夏子さんが言っていた。監督も何か面白いことを言っていた気がする。なんだったかな。あんまり元気がなくなっていたのだけど、心の中でくすりと笑った。

猫膳を出て、花園神社の前で二人と別れる。ぼくは一旦ゴールデン街を遠くから見てさよならと言った。正直やりすぎた。朝のジョナサンから数えて13店舗。baliに2回行った計算になっているのをさしひくと10店舗である。

チリチリナイン(たうち飯)
シャドウ
珍呑
アルパカ

シネストークYOYO
bali
ガルシア
出窓
キャロット

縦読みすると







ba


意味はなさなかった。14店目となる花園神社脇のネットカフェで一気に書き上げる。怖いから読み直しはしない

とにかく肯定しよう。とても楽しかった。ここまで沼にはまりきるほど遊べるものではない。最高だった。

そして、いくら使ったかは絶対に計算してはならない。とはいえ、キャバクラとか風俗とか好きな人は1,2時間で軽く使っちゃうくらいの額なんだろうな。

新宿への滞在時間が28時間を過ぎた今、忘れないうちに記すことが出来た。


新宿ゴールデン街という古い汚れた街で

たまたま隣に座っただけのまったく知らない人達と

酒を飲み語り合う

そんな騒がしくも幸福な黄金色の時間について




キャロットで出会った藤井夏子さんは「漫画を読んでもらえることが一番嬉しい」と言っていたので、この記事を書く前にネットカフェで読んだ。太田出版が主催する「太田エロティック漫画賞」2018年上半期佳作に選ばれた作品が彼女のTwitterに載せられていたので、ここで紹介する。


繊細な感情描写と、それを支える静かで美しい背景が印象的な作品。『センチメントの季節』のような低体温な作品かと思って読み始めたところ、だいぶ違ったものだった。一人の友人の死と向き合いながら、若者達は少しずつ前に進んでいく。

そういえば学生の時に死んだ友人がいたことを思い出した。あの時はショックだったけど、もう全然思い出さなくなっていたな。

夏子さんとは色々話したけど、それは彼女の一面に過ぎず、クリエーターの内面にはまた違う世界が広がっていることが改めて感じられた。

ゴールデン街沼から抜け出したあとに、美しい沼が出てくる作品を読むという不思議な取り合わせに、ふふふっと小さく微笑む。さてシャワーを浴びて、ラジオクリレコの収録をしにいこう。このネットカフェシャワーないっぽいんだよな……。いかん……。

ああ、そして今日は書店員時代にアルバイトをしていた子が久々に話したいと連絡をしてくれたので、食事をすることになっている。

行くのはは、もちろん——。

さて、今日はどこへ行こうかしら?

中村慎太郎
Twitter(ゴールデン街専用アカウント)

お読み頂きありがとうございます。ゴールデン街の魅力を伝えるため、基本的には無料公開していますが、もしこの企画が今後も読みたいという方がいらっしゃいましたら、是非サポートをお願いします。

ゴールデン街価格のチャージ500〜1000円か、ハイボール700円くらいだととても嬉しいです。是非よろしくお願いします。

頂いたサポートはすべてゴールデン街の飲み代にします。





文章や音声コンテンツが面白いと思った方は、是非サポートをお願いします!コンテンツづくりのための経費や投資に使わせて頂きます。用途については不定期でnoteに公開します。