Retrograde Canon a 2

逆行カノンは、同じ旋律を順行で演奏したものと逆行で演奏したものが2声の曲として成立する、というものである。バッハの音楽の捧げ物にあるものが有名である。

この逆行カノンは同度で18小節。ほとんど例の王様の主題によっているのでかなり和声進行には制限がある。もちろん期待される掛留は生かされている。同度のカノンなので、両声を交差することを上手く利用している。

鏡像になる(第1声の前半と第2声の後半をつなげれば(逆も)鏡像になる)9-10小節目はバッハも安全運転である(Cmがニ小節続く)おそらく順行する方を優先しているので、後半は弱進行になったり苦しいところもあるが、そこは大バッハ、巧妙に処理している。四と書いたのは両声が強拍で完全4度になるところだが、必ず8分音符の経過音としてあり、さすがである。

魔が差して、自分でも作ってみることにした。ここでは、普通に最初から演奏するパートに対し、最後から逆に演奏するパートを2オクターブ下げて2声とした。「とにかく逆行カノンを作った」というだけで精一杯で、バッハのような芸術性の極みには到底達しないが(あたりまえ)…音はこちら


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