Schumann Dichterliebe op.48 No.12

「詩人の恋」は一曲目の「五月」がすごくいいし、この12曲目も悪くない。要するにときどき挟まるめちゃめちゃ元気のいい曲がこちらとしては雰囲気ぶち壊しだと思うのだが、ドイツ人のやることだからしょうがない。

ディーター=デ=ラ=モッテが「大作曲家の和声」で指摘している部分。語りと花の囁きを歌い分けるところ。変ロ長調と変ハ長調が微妙に交代する。ピアノの伴奏の配置もあいまって、ジャズ的な「裏コード」という

もっとみる

Schubert Symphony No.4 Movt.3 Menuet (Allegro Vivace)

古典派の音楽でも何か「ざわざわ」するものてぇのはあるもんでして。(なぜか落語調)

シューベルトの4番交響曲 D. 417の第3楽章。最初聞いたときは、何が起きたのかわからず、マルティヌーかルーセルか、と思ったのですが、だんだん普通になるので、あー、シューベルトか、となるのですけど。最初の部分がユニゾンで動き、かつ半音進行が多いので一瞬耳が迷うのですね。そこがミソなわけですが。ピアノ譜に起こしてみ

もっとみる

Webern 6 Orchstra Pieces No.4

シェーンベルク 5つの管弦楽曲(1909)

ウェーベルン 管弦楽のための6つの小品(1909)

       管弦楽のための5つの小品(1911)

ベルク    管弦楽のための3つの小品(1915)

 

あー、ややこしい。

ウェーベルンの6つの方の4曲目の冒頭部分を抜き出します。大太鼓のトレモロにのって、和音がでてきます。8-10小節目。

最初の和音はフルートとクラリネットのアンサン

もっとみる

ディーター=デ=ラ=モッテの和声記号 Chord Symbols by Diether de la Motte

ディーター=デ=ラ=モッテの「大作曲家の和声」(滝井敬子・訳)では、使われている和声記号が、われわれの慣れ親しんだものとはやや異なるので面白い。

基本的には長三和音を大文字、短三和音を小文字で表し、Tが主和音、Dが属和音、Sが下属和音ということでここまではなじみやすいのだが、平行調からの借用和音については、平行短調の主和音をTpと書き(Tが主和音でpが平行調でかつ短三和音であることを表す)、平行

もっとみる

4-voice Fugue on "Nun komm, der Heiden Heiland" Revised

『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』(Nun komm, der Heiden Heiland)によるフーガです。バッハなど他の作曲家のものとことなり、原曲に近いテーマをそのまま使いました。演奏はFinale の自動演奏機能によりGarritan Personal Orchestra 5のピアノを使用しています。

(先日公開したものでは「両外声の平行8度」とかあったので、見直しました。2019.6.

もっとみる

Gounod "Faust" Overture

グノー 1818-1893(生年と没年)

ワーグナー 1813-1883

ヴェルディ 1813-1901

この三人、ほとんど同時代人なんですよね。ロラン=マニュエルの「音楽のたのしみIII」で指摘されていて、改めてずいぶん作風がちがうよな、と思った次第。関係ないけど、ヴェルディで検索するとサッカーチームが出てくるんだよな。別にいいんだけど。 

R-Mも言っているけど、グノーは「ご近所のとっ

もっとみる

Martinů Symphony No. 1 Movt. 1

マルティヌーの最初の交響曲の出だしは不思議な音響である。スコアを見てみると一筋縄ではいかない書法が見られる。一瞬で過ぎる序奏であるし、ピアノの使い方は明らかに装飾的で(単なる半音階)、ひとつひとつの和音が厳密に聞かれることは意図していないと思われるが、いろいろと芸は細かい。

最初の4小節のスケッチを示す。(文脈上、原典のbをaisに、asをgisに、 f をeisにしたところがある)大雑把には最

もっとみる

"avantgarde" chords and Jazz idiom

沼野雄司「リゲティ、ベリオ、ブーレーズ」からの孫引きによるリゲティの言葉。

「…できるかぎり私は、三全音と完全4度の組み合わせ、あるいは三全音と完全5度の組み合わせからなる、ウェーベルン的な長7度や、短9度を避けています。私にとっては、これらはシェーンベルクのスタイルを暗に意味しており、使い古されて、消耗してしまったものなのです。」(リゲティ1983)

I don't think so.

もっとみる

クラシックの文脈における裏コード(sub-chords)

ポピュラー音楽でいう「裏コード」sub-chord というのはトライトーン(増4度=減5度)離れたドミナント7thコードのことであり、II-V進行において、Vを裏コードで置き換えることができる。たとえば、

Em7 A7 Dm7  G7 C というコード進行の場合、A7とG7を裏コードに入れ替えれば、

Em7 Eb7 Dm7 Db7 C となり、バスは半音ずつ下がってくるラインを形成する。

 

もっとみる

4-voice Canon at 6th descending 6度の4声カノン

同度およびオクターブを使った4声のカノンはまがりなりできた。まがりなりだけど。では、他の音程の4声カノンもできるのではないか。

他の音程の2声カノンあるいはそれに自由声部を加えたものは大バッハがたくさん書いているが、4声はあるのかな。知らないだけ?

やってみました。

6度ずつ下がって入りが4回ある4声カノンです。まがりなりだけど(笑)。

入りは4小節ごとで、c mollからスタートして、E

もっとみる