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琉伽といた夏 1~4(積読な日々005※完結済)

 本を読み続けていると、自分だけの琴線に触れる作品に出会うときがくる。周りは関係ない、僕には大切なんだというものに出会う体験は青春時代の重要なミッションです。
 
”ある夏の朝、高校の上空に突如現れた謎の閃光! その直撃を受けたものの、一見は何事もなく無事に見えた遠野貴士の妹・弥生。しかしこの時、彼女の中には弥衣ではない別の何か「琉伽」がいたのだった…! 「エマージング」「犬神」「鬼畜島」の外薗昌也の傑作SF長編が新たに着色されたフルカラー版になって登場!”

 アマゾンはほぼ捨て鉢みたいな値段です。メルカリは1500円くらいですね。相場はないようなものです。
 本編も好きですが各巻末にある、各話タイトルの元ネタとなったSF小説の解説が良かったです。この作品がSFに触れるキッカケになりました。

これくらい大味でいいんだよ

 この頃はまだまだオタク趣味にエヴァンゲリオンの影響が残っていて、考察厨による考察中毒者が周りにも数多くいました。彼らを満足させるため、提供される物語は膨らんでいって、周囲が推していた川上稔なんかは人を殴り殺せそうなライトノベルを書いていました。そして聖書をように有難がられるわけです。

よく感想をいえました

 友人に一度進めたことがあります。合宿の移動中に渡して、着くまでに読み終えて一言「普通だね」と。
 そこがいいんですよ。数時間かけてチャプター1も終わらない作品なんて、青春には不十分です。君が見ているAHEADシリーズの全14巻なんて読んでいられるか。
 外薗作品ははっきり言って凡庸ですが、だからこそ起承転結のフルコースが直ぐに楽しめます。エンディングという財宝をエサに、読者をひとつなぎに待たせる作品は、好みではありません。
 

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