いま、ここ。
不安はどこからやってくるのでしょう。
抑うつ気分も、どこからやってくるのでしょう。
その答えからお伝えすると、
不安は未来からやってきます。
抑うつ気分は過去からやってきます。
時の流れは2種類
過去から現在、そして未来に時間は流れていると多くの方は考えていると思います。
それも正解。過去の出来事や経験が自分を形作り、未来へ押し出しているというもっともらしい時の流れの考え方です。
じつはもう1種類、時の流れの感じ方があります。
それは、未来から現在に時が流れ込んでくるという考え方。
10秒先の未来は、たいてい予測可能です。
今この文章を書いていて、10秒後もおそらく書き続けています。
そして10分後には大方の文章は書き終わり、30分後には公開も済んでお昼ご飯を食べていることでしょう。
明日の予定は仕事です。
何名か、面談があり、療育にやってくるお子さんも決まっています。急なお休みもあるかもしれませんが、それも予定調和です。
来週にはゴールデンウィークが控えています。
これは間違いなくやってきます。
未来の予定や予見可能な事柄が、現在に流れ込んできている、という時の感じ方も、間違いではありません。
過去は抑うつ、未来は不安
このように、過去から現在に時間が流れていると考えると、過去の失敗や嫌な出来事を思い出すと、抑うつな気分にまとわりつかれます。
逆に、未来から現在に時間が流れ込んでいると考える場合も、「うまくいかなかったらどうしよう」などという不安に押しつぶされそうになります。
過去ばかりを思うと抑うつになり、未来ばかり見ていると不安になります。
うつや適応障害とまではいかなくても、現代の社会人が抱えるストレスの多くは、これで説明がつきます。
どちらか一方、というわけでもなく、過去の失敗を思うから未来の出来事に不安を感じる場合も多いです。
子どもも、同じです。
とりわけ子供は自分の感情をうまく表現したり、コントロールしたりすることが苦手ですから、一度負のループに入ってしまうとなかなか抜け出すのに苦労します。
いま、ここ
そこで大事にしたいのが、「いま、ここに戻る」ということ。
過去にも未来にも考えを及ばせず、「いま、この瞬間を生きる」こと。
「○○くんが、いやなこと言ってきた!!」
これは過去の出来事。
いつまでもそのことに囚われていたら、今この瞬間の時間を無駄にしてしまう。
絶対に謝ってほしい!と思っていても、謝られたところでいやなことを言われた過去の事実は変わりません。
「ま、いっか」といって今に戻りましょう。
「明日のテスト、うまくいくかなぁ…」
それは未来の予定。
そのことばかりを考えていると、今この瞬間を楽しむことができません。
絶対に、うまくいってほしい!と願っても、失敗することもあるし、先のことはわかりません。
「ま、なんとかなるさ」といって今に戻りましょう。
マインドフルネスという手法
マインドフルネス、瞑想を取り入れてみるのもいいでしょう。
自分が今ここ、に戻ってこられる手段をたくさん持つことは重要です。
マインドフルネスにしろ、認知行動療法にしろ、アンガーマネジメントにしろ、大事なのは、「いま、ここ」に戻ることです。
今日は、「いま、ここ」についてお話をしてきました。
また次回、よろしくお願いします!
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