ねぐせ、ボタンの掛け違え、シャツのすそだし
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ねぐせ、ボタンの掛け違え、シャツのすそだし
身だしなみを整えることは、幼児期から身に着けたいライフスキルの一つです。
鏡を見る習慣をつけ、寝癖がないか、ボタンは掛け違えていないか、シャツの裾は出ていないか、大人からも声をかけて自分でなおせるようにすることが大事です。
キッチリ派?それともオシャレ派?
最近では、仕事着のシャツインは流行らない、とラジオで言っていました。
ボタンの掛け違いも、画像を探そうと思って検索をしたら、「ボタン掛け違いファッション」と出てきてビックリ!
昔の常識が、今の非常識になっていく、まさに急速に時代は変化しているなと感じます。
わたしはもともとキッチリが好きなので、シャツは第一ボタンまで留めますし、シャツはインです。アウターもジャケットで、ほぼノーネクタイのスーツスタイルです。
そんなにキッチリしなくても、と言われることもありますが、わたしはこのスタイルが好きなんです。
ボタンの掛け違いをただす
神経発達症に代表される、生きづらさを抱える子供たちの諸症状を、
「ボタンの掛け違い」と表現することも少なくないと思います。
まさしく、はじめのころからのボタンの掛け違いで後の方になって不具合が生じてきて、修正が難しくなるという点は似ていると思います。
言葉の発達はほかの子よりもゆっくりなのに、自我の成長は早く、○○したい、△△はいや!などの要求・欲求が出てくるために、言葉での表現ができずに物を投げたりたたいたりすることで要求を伝えようとする、などはそれに代表されます。
ボタンの列(言葉の発達)と、ボタンの穴の列(情緒の発達)がずれているのです。
そこで、ずれたまま無理やりボタンをはめよう(要求を通そうとする)と、ボタンが掛け違います。
われわれ、発達に携わる人間は、そのボタンの掛け違いを修正する役割を担う必要があります。
一度掛け違えたボタンをはずし(暴力などで要求を通そうとすることをやめさせ)、正しいボタンの位置にはめなおす必要があります(言葉で要求をするように促す)。
場合によっては、ボタンをつけることが苦手かもしれません。そのようなときには、どのようにやればいいか、補助します(どのような言葉を使ったらいいか、どのような感情表現をするといいか教えます)。
そもそもそのボタン、自分でつけている?
いつまでも、親などの大人がボタンのつけ外しを行っていては、子供はボタンを掛け違える経験すらすることなく、何も困らず、過ごしていくこととなります。
そのような子は一見して、ボタンのつけ違いが起こっていないために目立った困りごとはないかのように思われますが、実は経験がないためにしない、しないがために失敗が起こらない、失敗が起こらないから困らない、困らないからしようとしないという負の連鎖に陥っている可能性もあります。
要求を子どもが言葉でする前に親が動いて渡してあげたり、友達とのトラブルに過度に干渉したり、言葉を代弁し過ぎたり。。。
そのような場合には、ボタンの掛け違いをわざと起こして、困る経験も必要ではないでしょうか。
だらしないファッションも、ダイバーシティ
寝癖のような髪型を昔は無造作ヘアといってファッションのように扱っていたこともあると思います。
シャツを出すことも、今ではトレンドのようです。
ボタンの掛け違いすらも、冒頭で触れたようにファッションと位置付けられています。
まさに、オシャレの多様化(ダイバーシティ)です。
いま、神経発達症を取り巻く環境下でも、このダイバーシティという言葉はまことしやかにささやかれています。
オシャレも多様化で寛容な時代になっているのだから、神経発達症を取り巻く、「ボタンの掛け違い現象」もダイバーシティとして、認めていくべきでしょうか?放っておいて、いいことなのでしょうか?
わたしは、そうは思いません。
オシャレはオシャレで楽しめばいいですが、オシャレにもTPOは求められるはずです。
結婚式や、大事な会議に、寝癖、ボタンの掛け違い、シャツだしスタイルで現れる人はいないでしょう。
さまざまなことに寛容で、多様性を認める社会になってきているとはいえ、まだまだ、わたしたちは多数派の中で、常識というものの範疇で、生きていかなければなりません。
常識や多数派を批判することは、反対は致しませんが、それが覆されることはおそらく、ありません。
子どもたちも、そのような社会の中で生きていく力を自分で身に着けるため、掛け違えたボタンくらいは、寝癖くらいは、出たシャツの裾くらいは、自分で気づいて直すことができるようにしておいてあげたいものです。
見えないボタンの掛け違い
本当のボタンの掛け違いは見てわかりやすく、大人も指導がしやすいです。
でも、神経発達症などの特性を持つお子さんの困りごとは、多くは目に見えません。
目に見えないから理解されません。普通と同じようにしていると、改善策が見つかりません。
だからこそ、我々専門職が、お子さん一人一人のボタンの掛け違いに気づき、どのように掛け違いをほどいていくかを考え、支援していくのかが重要になってくるのだと思います。
今日の内容は以上です。
さいごまでご覧いただき、ありがとうございました。
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