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【発達障害】ビバンセ〜最終兵器を飲む日は来るのか?〜

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目次】
1.ビバンセとは?
2.ビバンセとコンサータの違い
3.ビバンセを服用しなければ
 ならない場合
4.ビバンセを服用するメリット
5.ビバンセを服用するデメリット
6.ビバンセ処方の注意点
7.まとめ

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1.ビバンセとは?


 1)ビバンセは
  ADHD(注意欠如・多動症)の
  治療に用いられる薬
 
  ①リスデキサンフェタミンを
   有効成分としている
  ②6歳から18歳の小児に処方
   されることが承認されている  
  ③2019年3月に販売が開始

2.ビバンセコンサータの違い


 ビバンセとコンサータは
 どちらもADHDの治療に
 使用される

 違いとして

 ★ビバンセ
 1)リスデキサンフェタミンを
  有効成分としている

 2)体内で
  デキストロアンフェタミンに
  変わる

 3)この成分はドーパミンや
  ノルエピネフリン、セロトニン
  といった
  神経伝達物質を放出させる
  効果がある

  ※ドーパミン
   ・脳内で生成される重要な
    神経伝達物質の一つ
   ・「幸せホルモン」とも
    呼ばれ、快感、達成感、
    幸福感といった感情に
    深く関わっている
   ・やる気やモチベーション、
    認知機能の向上にも影響を
    与えるとされている

  ※ノルエピネフリン
   ・交感神経の情報伝達に
    関与する神経伝達物質  
   ・副腎髄質から分泌される
    ホルモンの一つ
   ・激しい感情や強い肉体
    作業などで、人体が
    ストレスを感じたときに、
    交感神経の情報伝達物質と
    して放出されて、
    副腎髄質からホルモンと
    して放出される物質
   ・交感神経の活動を高め、
    血圧が上昇したり   
    心拍数が上がったりして、
    体を活動に適した状態に
    する

  ※セロトニン
   ・脳内で生成される神経
    伝達物質の一つ
   ・これも「幸せホルモン」
    と呼ばれることがある
   ・気分の安定や幸福感、
    睡眠、食欲、記憶、
    学習など、多岐にわたる
    心身の機能に影響を
    与える重要な役割を
    果たしている

  4)これらの神経伝達物質が
   神経終末に再取り込みされる
   のを防ぐ効果もある

 ★コンサータ
 1)メチルフェニデート塩酸塩を
  有効成分としている

 2)主にシナプス前ドーパミン
  トランスポーターを阻害する
  働きがある

  ※シナプス前ドーパミン
   トランスポーター

   ・ドーパミンという神経伝達
    物質の再取り込みを担う
    タンパク質

   ・このトランスポーターは、
    ドーパミンがシナプス
    間隙に放出された後、
    それを再びシナプス前の
    細胞内に取り込むことで、
    ドーパミンのシグナルを
    終了させる役割を果たす

   ・このトランスポーターの
    機能は、ドーパミン系の
    神経伝達において非常に
    重要であり、
    このトランスポーターの
    働きを阻害することで、
    ドーパミンの活動が増強
    する

 3)神経終末からドーパミンが
  放出されるのを助け、
  シナプス間隙の神経伝達 
  物質の濃度を上げることで、
  ADHDの症状が改善される


3.ビバンセを服用しなければ
 いけない場合

 1)他の薬剤で効果が出ない場合
  ・コンサータや他のADHD
   治療薬に十分な効果を
   感じない場合、ビバンセが
   代替として検討される

 2)作用時間の違い
  ①ビバンセは服用後2~3時間で
   効果が現れ、約9~11時間の
   半減期を持つ
  ②これにより、日中の活動時間
   中に効果が持続し、就寝中は
   効果が切れるため、
   良質な睡眠が得られる

  ③コンサータの効果は
   約12時間持続しますが、
   患者さんによっては
   ビバンセの作用時間の方が
   適している場合がある


4.ビバンセを服用するメリット
 

 1)効果の持続性
  ①ビバンセは朝一回の服用で、
   約10時間の効果が持続
  ②これにより、学校などでの
   日中の集中力を支えること
   ができる

 2)症状の改善
  ①ビバンセは、不注意、多動性、
   衝動性といったADHDの主な
   症状を改善する効果がある

  ②これにより、日常生活や
   学業における困難が軽減
   される可能性がある

5.ビバンセを服用するデメリット


 1)副作用のリスク
  ①副作用として、  
   ・睡眠障害
   ・食欲不振
   ・易刺激性など
   が報告されています

  ※易刺激性(いしげきせい)
  ・まわりから入ってくる
   刺激に対して敏感に反応 
   しやすくなる状態を指す
  ・この状態では、普段は気に
   ならないような刺激に
   対して、イライラしたり、
   腹が立ってしまったりする
   ことがあります
  ・ソワソワして落ち着かなく 
   なったり、気分が落ち込ん
   だり、不安になったりする
   こともあります
  ・易刺激性が強くなった場合、
   深呼吸やストレッチをして
   ゆったり休憩することが
   おすすめです
  ・耳栓やアイマスクなどで
   感覚刺激を避けたり、
   好きな感触の毛布にくる
   まったりすると、
   イライラや不快感が
   和らぐことがあります

 2)依存性の可能性
  ①ビバンセの成分には
   依存性があるため、
   厳重な管理下での処方が
   求められます

6.ビバンセ処方の注意点


 1)薬局登録
  ①ビバンセ調剤を行うには
   薬局登録を行う必要がある
  ②薬局登録には調剤責任者による
   Eラーニングが必要
  ③コンサータも同様の登録が
   必要

 2)患者登録
  ①患者ごとに登録が必要
  ②患者カードと身分証明書を
   確認して登録
  ③患者登録は毎回必要
   →処方をもらうたびに
    カードを見せる必要がある

 3)処方医登録
  ①処方医の登録も毎回必要
  ②ADHD適正流通管理
   システムにログインし、  
   登録医師が適正であるかを
   確認している
  ③登録している医師しか処方
   できないため、
   通院している病院によっては
   処方してもらえない場合がある

7.まとめ


 1)子どもの担当をしてくれている
  ドクターの薬剤の研修を
  受けましたが、その中で

  ①コンサータ、ビバンセを
   処方しないドクターがいる 
   のは 
   ・登録制度があるから
   ・取り扱いや効果に注意が
    必要だから
   ・その効果、副作用に
    処方するドクター自体が
    ためらってしまうから

   という話がありました。

  ②担当ドクターも
   ビバンセは最後の最後で
   処方している
   なぜなら、
   ・これ以上効果の高い薬は
    ないから

   だそうです

  ③つまり
   勇気を持って処方する医師でも
   ビバンセの効果は高すぎる
   ため、これで効果が出ないと
   打つ手がなくなるそうです

  ④ビバンセにしろ、コンサータ
   にしろ、覚醒剤に近い効果が
   あり、敬遠される保護者も
   多いと思いますが、医師、
   薬剤師によって、適正に
   コントロールされ、副作用時は   
   すぐに医師に相談が求められる
   薬です

  ⑤だからこそ、敬遠するの
   てまはなく、お子さんに
   必要と感じるなら、
   思い切って医師に相談
   すべきです

  ⑥一方で薬に頼り切るのでは
   なく、環境調整がとても
   重要です

  ⑦うちのコは
   4年生になって担任が変わって
   から、驚くほどトラブルが
   減りました
   薬は変わっていません

  ⑧つまり
   学校や家庭の環境をいかに
   子ども達にとって良いものに
   変えていけるかが、
   服薬を変えることよりも
   重要なのです

  ⑨そして医師からは 
   薬を判断するために重要な
   ことは正確で客観的、
   具体的な情報につきる
   そうです

  ⑩問題行動や環境、起きやすい
   状況など、保護者からすると
   1から10まで喋りたいことを
   ぐっとこらえて、
   絞り込んで伝えることが
   大事です

ビバンセはタイトルにもあるように
 発達障害(ADHD)の子における
 最終兵器です


 うちもいつか使う日が来るかもと
 思いながら
 そうならないよう
 
 環境調整(特に学校)に尽力を
 尽くしています

 どうしても必要なら
 その子の親なら
 最後のスイッチは勇気を持って
 親が押してあげるべきだと

 私は考えます



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