人は怖い、でも人が好き(みのもんた症候群の蛇足)

一つ前の記事で書いた「みのもんた症候群の克服」の補足記事です。

「みのもんた症候群の克服」では描きたいことありすぎて長文になっちゃいました。

長文すぎるので、3行に要約します。

①定型の人は3つのコミュニティから同じ話を聞いたら、本当と判断して、人間を虐殺することができる(関東大震災の朝鮮人虐殺)

②3つのコミュニティから「安全だから大丈夫」と言われても、怖くてバンジージャンプを飛ぶことができない。(自身にリスクがある場合、真実と判断しても実行できない)

③え?バンジー飛べないのに、虐殺できるの?
 なにそれ怖ッ!定型の人ってサイコパスじゃん(私視点での正直な気持ち/定型の人達ごめんなさい)

日常生活で、そんな極端なこと(虐殺)は経験しませんが、それでも、似たような恐怖は経験します。

定型の人、怖い

これはもう、慣れるしかない。

私も、若い頃は怖かったけど、
「そういうもんじゃ!めちゃ怖いけど、それでも私はみんなでわいわいするのが、好きなんよ!」
と開き直りました。

私の怖い経験

怖い経験、色々してきましたが…具体的な経験を書いた方が分かりやすいと思うので一つだけ。

私、パソコンが得意なんです。
昔はそこまでじゃなかったんですけど、
“ありがとうと言われたい”欲で、
色々知識が増えていった感じです。

私はWindowsXPが世に広まった頃に
社会人になりました。
あの時代、Excelを「清書の道具」
と、思ってる人が、ちらほらいました。

20個の数字を打ち込んで、それを電卓で計算して、合計金額を数字で打ち込む。
「手書きよりも、Excelは文字が綺麗だから。」
という理由で清書に使っていた時代があったのです。

•このボタンで、合計金額がでますよ。
•ここをクリックすると、多い順にに並び替えることができますよ。

そんなことをお伝えしているうちに、
「パソコンで困ったら、ひろ香に聞いたらいい」
という雰囲気になります。

分からないことを聞かれることも多く、ググってなんとかしているうちに、かなり詳しくなりました。

“ありがとうと言われたい”欲で、
勉強も進みますし。

—————

そんなある日、同僚のパソコンにブルースクリーンが出ました。

ブルースクリーン

これ、パソコンの危篤時にでます。

危篤とは言っても、何事もなく復旧することもあります。
そのまま壊れてしまうこともあります。

•フリーズしたから直せ。
•エクセルの計算式が消えたからもう一回入れてくれ。
•メールが受信できなくなったから直せ。
…とことあるごとに、私に依頼してきてた同僚。

ブルースクリーンも「直してくれ」と依頼してきました。

「再起動かけたら治るかなぁ…」
と言いながら、再起動かけたら、
二度と立ち上がらなくなり、
ご臨終を迎えてしまいました。


思いがけない同僚の反応

「パソコンに、ちょっと詳しいからって、調子乗って触って完全に壊して取り返しがつかなくなった。今日明日はすごく忙しいのにどうしてくれるの!?中のデータは??いつ復旧できるの??パソコン壊して、社長に怒られるよ?」と同僚。

イヤイヤイヤイヤ。

確かに、ご臨終に立ち会ったのは私。

だけど私が触った時点で、
ブルースクリーンが出てて危篤だったのよ?

強いノイズにあたったか、
強い衝撃を与えたか、
単純に寿命か。

あなたの(同僚の)使い方の問題、
もしくは単純に寿命か?ですよ。

そもそも、
「ブルースクリーンをなんとかしてくれ」
と依頼したのはあなたでしょうよ。

そんなこと後から言うなら、
最初から私に頼まず
電気屋に持っていったらよかったのに。

このような説明をしたと思います。
(ショックすぎて記憶が曖昧)

同僚はそれでは納得せずに、
「電気屋を呼ぶべき場面で、ひろ香さんが調子に乗って直そうとして、私のパソコンを壊してしまった」
と、社内に広めました。

その場にいなかった人たち、3人から聞くと、「ひろ香がパソコン壊した」と信じちゃうんですよ。
信じちゃった人たちのパソコンも、困ってる時何度も、対処してあげたのに。

パソコンの不具合を
呼びつけて対応させるのに、
「調子に乗って壊さないでよ?」
と失礼なことを言う。

噂が広まった後、全員からとは言いませんが、
そういう扱いを受けるようになりました。

フリーズの対応とか、
再起動すりゃ治るとか、
メーラーの設定とか、

ググれば誰でも解決できるトラブルばかりなので、壊すことは絶対ないのですが、
それを言うと、
「私パソコンのこと、よく分からないから、ひろ香の言ってる意味分からないけども、壊されるのは困る」と。

ついに社長にまでその話が回ってしまいました。

「〇〇の業務をするにあたって、
パソコンのメモリを増やした方が
効率が上がります」
と、メモリ購入を諮ったところ
「いくらパソコンのスペックを良くしても、
大切に使わないと壊れちゃうから、買えない」
と却下されたこともあります。

噂のせいで、仕事に支障が出るようになりました。

問題の解決方法

定型の人は、

「3人から聞いたら本当と思い込む」

でも

「自分自身にリスクがある場合は行動できない」

定型の特性(?)に脆弱性があるとすれば、ココです

この脆弱性を突こうと考えました。

「ひろ香がパソコン壊す」などと言いふらす人たちを困らせよう。
「困り事=リスク」であるはず。

「パソコン、ちょっと見てくれん?」という依頼に対して、噂の大元となった同僚に対しては

「前みたいに、壊したら迷惑かけるので、電気屋に持ち込んだほうがいいですよ」と断る。

「なんとかしてくれ」と呼びつけておきながら「壊すなよー」と声をかけてくる同僚に対しては
「壊れることはないと思いますけど、何事にも絶対はないので、詳しい人に見てもらったほうが安心ですよ、私もシロウトですので怖いから嫌です」と断る。

断るとどうなる?(私の予想)


•簡単な困り事
「フリーズした」「zipファイルが開けない」
 →ググって自己解決する。
 →困らない

•ちょっと複雑なトラブル
「共有ファイルが開けない」
「メールの設定ができない」
→困る

実際どうだった?

簡単な困り事、
ググればすぐ解決するじゃん?
ということも困ってました。(予想外)

予想に反してあまりに困ってるので、
「「Ctrl」と「alt」と「Del」を同時に押してみてください。」
と、教えてあげました。すると
「ひろ香さん、やって。怖い」と。

何が怖いのか、根掘り葉掘り聞いてみたところ、
「よく分からないけど怖い」

さらに詳しく聞いていくと、
•「パソコンが不得意な私が、やったことない操作をやるのが怖い」
•「データが全部飛んだら怖い」
•「パソコン壊れたら上司に怒られるのが怖い」
•「よく分からないけど怖い」
•「簡単だというなら、ひろ香さんがやってくれたらいいのに」
ここら辺のことを、しどろもどろに言ってました。

人によっては、
「私はこんなに困ってる。あなたならすぐに解決できるのに、してくれないなんて意地悪だ!」と怒り出す人もいました。

「意地悪!」と言われたタイミングで、
ブルースクリーンからの経緯を説明した上で「私は悲しかったし、悔しかったし、みんなのパソコンのトラブルを治すのが怖くなったんです」と伝えました。

「そっか…ごめんね。(同僚)さんにも注意しとくね」と、言う雰囲気になり、事態は良い方向に変わり始めました。

相手が聞く気がない時に、いくら伝えても響かない

ブルースクリーンからの経緯を説明した上で
「私は悲しかったし、悔しかったし、みんなのパソコンのトラブルを治すのが怖くなったんです」と伝える。

実はこれ、いろんな人に何度も伝えてました。

でも、定型の人って自身が困ってないと響かないんです。流しちゃうんです。

「パソコン壊れたの、忙しい日だったから、(同僚)さんが、そういう行動とったのも仕方ないよ。」
「仕事してれば、パソコン以外でもよくある事。ひろ香さんが我慢するしかないよ」
と繰り返すばかり。
(毒にも薬にもならない、アドバイスですらない)

しかし、私が、パソコントラブルのボイコットをし始めて、みんなが困るようになった。

困って初めて、私の意見を真摯に聞いてくれた。

定型の人とは、そういう特性(?)を持ってます。

自分だけが困ってる状況はよくない

発達障害関係ないですけども…(笑)
定型の人でも、「自分だけが困ってる」という状態で身動きが取れなくなってる人がいます。

例えば
定型の母と、発達障害の子の組み合わせとか。

定型の母だけが困って追い詰められてるケースが多々あります。

父親も、
学校の先生も、
なんなら子供自身も困ってない。
母だけが追い詰められる。

•仮病でも寝込んで、旦那を困らせる。
•保育所の先生や、学校の先生に、「困ってるんです!!相談に乗って下さい」と強く訴え、相談しながら泣く(泣かれると先生たちは、適当に話を切り上げるわけには行かなくなり、困って他の人カウンセラーなどを召喚してくれる)

「自分だけが困っている」という状況に気づいたら、早めに手を打った方がいいです。

周囲の人のうち、97%の人は、「困らない」と、他人が真剣に悩んでても「聞き流す」という性質があります。

周りをちょっぴりずつ困らせる。
周りがちょっぴり困れば、
いきなり真剣に話を聞いてくれます。

周囲が真剣に話を聞いてくれて、ちょっぴり協力してくれはじめる。
これが、事態を良い方向に動かすための羅針盤となってくれます。

やったことない業務は怖いのが、普通。
怖いことに合理的な理由がない。

それを理解するのに、ADHDの私はかなり時間がかかりました。

上記は20年前の話です。
あの頃、「Ctrl」「Alt」「Del」同時押しを
怖がった人たちは既に年金を貰ってます。
いわゆる平成の時代を生きた人達です。

これだけパソコンが普通になった今は、さすがに「Ctrl」「alt」「Del」同時押しを怖がる人はいないです。

でも、時代は早送りで進んでいます。
新しいこと、知らないことが、津波のように押し寄せる。

新しいこと、知らないことを怖がらずに楽しく学んでいけるADHDにとって、ポストコロナ時代は生きやすいんじゃないかなぁ?と思ったりもします。

2025年の今は
Microsoft Power automateを
理由なく怖がってる人が多い印象です。
これは、RPAのアプリですが、ちょっとイジれば、自分のプログラムを作れるようになります。(難易度で言えば、20年前のExcel2000を覚えるのよりも簡単)

何が怖いのか?と聞くと、
あの時代(「Ctrl」「Alt」「Del」同時押し)と同じような、よく分からない理由を言ってます。

新しいものが好きで好奇心旺盛、
不合理なリスクを恐れない性格。
これは、ADHD の強みです。

パソコンに興味のある、令和のADHDは、いらっしゃるかな?
もし、いらっしゃったら、職場にRPAの風を入れてみて下さい。
Microsoft365のライセンスがあるなら、Microsoft Power automateは、追加費用なしで使用できると思います。(上司に打診は必要ですよ?勝手やったら怒られる)
iPhoneに最初から入ってるショートカットアプリもRPAです。
私はこれ、使ったことがないのですが、便利みたいですね。

RPAは、ADHDとの相性は良いと思います。














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