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第2種電気工事士を受けて合格できたので試験対策をまとめます

田舎暮らしをしていると、借りている家にいろいろと問題が起こることがあり、そのたびにわざわざ電気屋さんを呼んで作業してもらう様々なコストが気になったりしたのでやれる範囲は自分でやろうと電気工事士の資格を取ることにしました。

※僕は千葉県浦安市に自宅がありますが、主な仕事は長野県茅野市に仕事場を借りてやっています。文中長野からの移動についての言及がありますが、こういった事情なのであらかじめご承知置きください。

一応、電気に関連するちょっとした知識は持ち合わせていたのですが、いわゆる家庭用などのコンセントに流れてくる電気と、僕が得意としている直流の5Vなどに使われる電気は当然ながら必要とされる安全の対策や規格は異なっています。そのため、初学者の方と同じくらいのレベルからのスタートだったと考えられます。

本稿では学科試験対策、学科試験当日の行動、技能試験対策、技能試験当日の行動の4つのテーマで僕がとった方法について解説していきます。

学科試験対策

学科試験はテストセンターで行われるCBT方式を利用しました。長野と千葉を行ったり来たりしている関係で、試験日が固定されてしまうとその前後の予定の調整が大変だったからです。うまく千葉に戻っているタイミングを狙って試験日を予約しました。

試験対策は対策書籍(試験年度より1年古いもの利用)、試験対策アプリ(無料と有料)を利用しました。書籍が古いのは元々受験するつもりだった年度で受験できなかったので「まあ大して内容かわらんよね」とそのまま使い続けたものです。

アプリは無料有料のものをそれぞれ試してみたのですが、無料のものは正解かどうかしかわからないので暗記に向いていても実務には向かないなと有料のものへ切り替えました。有料のものは問題の解説が載っているのでなぜ間違えたのかをしっかり学習することができます。ただ、この解説も十分とは言えないところがあり、補助として試験対策書籍を利用しました。

腰を据えて勉強するときは書籍を利用し、スキマ時間をアプリでやるようにしてだいたい試験の1ヶ月前くらいから本格的にやり始めました。試験の難易度的に1ヶ月から数週間前から本気出すスケジュールでだいたいいけると思います。

試験でポイントとなる部分は複線図(回路図を実際の配線に変換したもの)で、複線図が起こせないと数問の問題が不正解になるということがわかり、複線図についてはしっかり書けるように練習を重ねました。複線図は苦手とするかたが多いのですが、技能試験でも必須ですし実務でも使いますからとにかくガンガン描きます。

ポイントは、白色の接地線はすべての機器に直接つなげ、コンセントは非接地の黒を直接つなげます。スイッチ(点滅器)を経由する場合は、スイッチに非接地をつないでおき、スイッチから機器は別の電線を使って結線します。

計算問題もぼちぼちあるんですが、手計算で答えが出せる程度のものに限られるので、計算問題を捨ててる人が結構いらっしゃいます。僕は得意ではなかったのですが、計算問題が最初に出題される傾向にあった場合、メンタルを考慮するとある程度対策が必要かなって思いました。

抵抗がスター結線されてるやつとデルタ結線されているやつはどちらか必ず出るようなので、公式を暗記してしまった方が楽だと思います。なお、こんなのどこで使うんだって思ったんですが、交流のモーターがそれに該当するらしく、ちょっとした工場の工事をする場合にはこれも頻繁に必要とされる知識なんだろうなって思います。

試験当日

試験会場は秋葉原のテストセンターを選びました。秋葉原は自宅から電車でも車でも行きやすく、当日何らかのトラブルがあってもバックアップの移動手段を確保しやすいということで選びました。
当日は平日だったのですが、道路状況が思ったよりもよかったので車で移動。ヨドバシカメラの地下駐車場に置いて、試験ギリギリまで復習してました。

テストセンターの場所は秋葉原東のアパホテルやイケベ楽器の近くです。

試験会場に入る前に受付を済ませ、身分証明書以外の私物はロッカーに入れます。会場の方からメモ用の紙と筆記具を受け取り、指示されたデスクで試験を受けます。なお、CBT方式の試験は試験センターで試験の体験ができるようになっています。
試験のシステムは割としっかりしたUIで、見直し機能なども用意されていて大充実してます。僕は陸上特殊無線技士の試験でもCBTを利用していたので、このあたりに不安はありませんでした。

ではあとは試験開始ボタンをクリックして試験を受けます。試験時間は開始クリック時からなので、しっかり気持ちを落ち着けてから臨めるのもCBTのいいところです。

試験が終わったら正答数が表示されます。50問中30問以上正解すれば合格ですが、この場で合格かどうかは表示されません。とりあえず30問以上取れていれば勝ち確ということでOKでしょう。

技能試験対策

技能試験は工具一式と練習用の材料を買う必要があります。練習用の材料は通販で売っていますが、秋葉原の愛三電機で購入するというのが僕の周りの人たちの定番ルートになっています。秋葉原の一番大きい交差点の角にあり、1階ですべての材料が入ったセットと工具、試験対策ツールをまとめて購入することができます。プロ向けのお店ですがカードも使えますよ。

とりあえず買ったら被覆剥きの練習をやりました。YouTubeなどでは様々な時短テクニックが紹介されていますが、工具の練度に勝る時短テクニックはありません。但し、ガッチャンと呼ばれるVVFスプリッター(HOZAN P-929など)は資金に余裕があるなら買っておいて損はありませんし、現場に入る予定があるなら持っておいてもいいでしょう。このスプリッターもコツがあります。

普段工作や整備をされる方なら、使い慣れた工具をすでに持っていると思います。特にドライバーやプライヤー、ニッパー関係は普段使っているものに入れ替えてしまいましょう

まずはHOZANの工具セットDK-28をベースにします。

僕が入れ替えたり足した工具は以下です

+ドライバー、Wera Diamondの2番


ウォーターポンププライヤー、クニペックスのプライヤーレンチ


ニッパー、クニペックス(ケーブルカット用)


マスキングテープ(布定規固定等用。手でちぎれるので便利)
VVFストリッパー、HOZANのP-929

その他セット購入したりした工具は以下です

合格ゲージ(P-958につけっぱなしにしています。VVFストリッパーはゲージがないので、これで代用してます)
合格クリップ(配線を仮止めする用途ですが、スリーブを入る前に被覆の位置を揃えるなんて使い方をしました)
合格ツール(練習でコンセントとかからケーブル抜くのにめちゃ重宝します。結線のやり直しでも重宝します)

持ち込み工具から抜いたものは以下です

HOZANのプラスドライバー(Weraで代用できるので)
HOZANのウォーターポンププライヤー(プライヤーレンチに入れ替え)
HOZANの電工ナイフ(カッターの使用は自粛なので)
VVRの被覆剥きはP-958でやれます。

用意したけど使わなかった道具は以下です

直定規300mm(ケーブルカット時はだいたい350mmなので、微妙に足りずだけど、長すぎるのは持ち運びが大変なので)
ドライバー0番(グリップが細くて早回しできるけど、端子台のねじ頭に微妙にフィットしなかったので)
ラジオペンチ(のの字巻きはP-958で全然いける)
PBのマイナスドライバー(5.5mmで同じだけど微妙に面取りされていて連用枠などに使いにくい)

こんな感じで面取りされてるのでHOZANのが使いやすかったです

工具箱は用意せずHOZANの純正ポーチを使いました。
保護手袋は念のため3Mのワークグローブを入れてあります。

ナイフやカッターの使用は試験センターから「ダメとは言わんけど怪我する人が多いので控えてほしい」旨の通知が出されています。

ゴムブッシュの十字カットはニッパーでやります。

合格ゲージはあるとめちゃ楽です。P-958に付けっぱなしにして、心線を出すときにP-958で長さを測って軽く切り込みを入れておき、後でまとめてスプリッターで剥くという方法をとっています。二度手間なんですが、長さをきれいに揃えられ、作業のやり直しリスクがないためです。

合格クリップは時短になるならないいろいろな意見があるみたいですが、僕の場合は時短になると判断しました。練習でも使いまくったのですが、おそらく時間がギリギリになったときにクリップの外し忘れミスが起きる可能性があるからでしょう、人によっては利用を推奨しない場合もあるようです。
普段の練習から合格クリップを使って、仕上げのときにすべて外すクセを付けておけばいいかなって思いました。

合格ツールはコンセントなどからケーブルを抜く時にとても力を入れやすく、練習時に超役に立ちます。

ランプレセプタクルに必要なのの字巻きをやるために、それ用のラジオペンチを用意する方もいらっしゃいますが、HOZANのP-958で問題なくやれます

工具の練度を上げる間に複線図の書き方をマスターしていきます。これについては暗記してしまうという方法をとられる方も多くいらっしゃいます。候補問題は決まっていますしそれでも全然OKだと思うんですが、現場に入る予定があるなら複線図はマスターしておいた方がいいでしょう。

中学生で電気工事士になった方が書いた複線図にかんする書籍があります。さっくり読めてわかりやすいので、興味ある方はどうぞ。

交流には極性はないんですが、実際の結線では接地側か非接地側かという極性が存在します。基本的には接地側から「来て」、非接地側に「帰る」と覚えましょう。複線図も接地側はすべての機器に直接つなぎ、接地側にスイッチなどを設けて帰します。

複線図があるていどかけるようになってくると、これを5分以内にやれるようにしましょう、とHOZANの対策資料に書かれていました。複線図をしっかりかけるようになれば、これを2〜3分で終わらせることもできます。そのため、複線図は徹底してやるようにしました。毎日候補問題の複線図を1回ずつ全部書くというのを数日やると、もはや複線図に迷うことがなくなりました

この時点で試験まで2週間、受験票が届く頃です。

ここまで来たら単位作業の練習に入ります。頻繁に登場する作業としては
ランプレセプタクル
引っかけシーリング
埋め込み連用コンセント
連用枠にコンセントとかを取り付ける
リングスリーブ
端子台
があります。

ここにジョイントボックスや電線管の作業が入ってくる場合があります。
コンセントによっては接地線の結線作業があったりします。

ランプレセプタクルは特に頻出で、時短の効果も大きいのでしっかり練習します。被覆を40mmむいて、心線を20mm出して、時計回りにのの字巻きを作ってネジ止めする。です。このネジは真鍮でできているため、ドライバーを磁化してもネジがドライバーに付いてくれません

工具に2番のプラスドライバーを入れたのは、ランプレセプタクルと端子台の作業をやりやすくするためでした。ただ、海外製のドライバーはJIS規格のねじ頭に微妙にフィットしないことがあるらしく(ポジドライブとかそういう話ではないです)、KTCやAnex、Vesselなどの日本のドライバーを使うのもいいのかなーって思ったりしています。

ネジのキャッチという意味ではWera社のドライバーが先端に人工ダイヤモンドをまぶして摩擦を強くする加工がされているものがあり、これが有効でした。Wera社のドライバーはグリップ先端の大きさが小さく作ってあるので、つまむようにすれば早回しもやりやすくなる設計です。軸も6角形なので軸を手で回しやすくなっているのもポイント高いです。

ドライバーは手持ちのPBとWera、買ってきたVesselの電工ドライバーをそれぞれレセプタクルのネジの保持テストをしてみました。
PBは横にするだけでネジが落ちましたが、その他は保持。Vesselは軽く振る程度なら保持してくれました。WeraのDiamondに至ってはブンブン振ってもネジを保持してくれました。Weraのドライバーは愛用者を本当によく見ます。僕も10年来愛用しています。

単位作業にある程度慣れてきたら、実際の試験のシミュレーションをします。材料セットは一応候補問題をすべて1回はできる程度の材料が含まれています。もし電線などが足りなくなったら、ホームセンターで必要な分を買い足しましょう。VVRや青被覆のケーブルはそれなりのホームセンターでも売ってなかったりします。愛三電機などの専門店を当たりましょう

僕は公開されている候補問題とその解答をすべて印刷してステイプルで止めておき、別途メモを用意して複線図を書く用にして、キッチンタイマーと工具一式をテーブルに並べて練習しました

実際の試験では与えられるケーブルの長さが決まっているので、雑にカットしていくと残量が足りなくなる場合があります。そこで余力があればケーブルの総量を指定された長さ以内に収めたり、複線図を書くときに必要なケーブルの長さがどれくらいになるかを計算したりする練習を入れておくといいかもしれません。

なお、施工の長さは接続する機器の中心からケーブルの被覆を剥いた端までをさし、欠陥の基準は指定の長さの50%未満だった場合のみとされています。なので、長めに作るのは問題ないっぽいんですが、短すぎるとアウトなので、課題によってはこのケーブル残量がかなりシビアになるケースがあるとのことでした。

ケーブルのカット基準は
両端で結線がある場合は指定の長さの100mm+100mm。150mm指定の場合は350mm
片端がランプレセプタクルの場合はそこだけ40mm
片端が角形引っかけシーリングの場合はそこだけ20mm
片端が施工省略の場合はそこは0mm
端子台は40mm
として計算するようにしました。
数値で覚えるのが面倒なんですが、作業の練習を続けていくと身についてきます。
工具セットに含まれている布定規は長さが400mmあるのでそのまま使えるんですが、いわゆる直定規はだいたい300mmなのでこれを使う予定の人は注意してください。試験の内容からして直定規の精度はいらんかなーって思います。

心線の被覆はコンセント等はスプリットゲージを参照しつつ
ランプレセプタクルは20mm
引っかけシーリングは10mm
その他は15mmで統一しました。

150mm指定のところ、75mm以上はOKってことなので、長めにカットするよりは数センチ短めカットで保険をかけておくのがいいかもしれないです。

ある程度課題をこなしていくと、似た作業がたくさん出てくることがわかります。そこで、単位作業に戻って余りやらないタイプの作業を確認しつつ、その作業が含まれている課題を中心にやり始めました。
VVR被覆剥き、各種電線管、露出コンセント、ブレーカー、200Vのやつなどです。
この時点で練習に使ったケーブルがたくさんあると思うので、単位作業の練習にどんどん使います。

露出コンセントは試験では上下の向きは不問とされています。そのため気にしなくてもいいのですが、現場ではそうもいかないよなと、配線図の上にあった場合と下にあった場合でそれぞれ練習しました。というのも、配線図の上にある場合は配線は下から、下にある場合は上からになり、接地極が逆になるので、接地極を必ず左にするならのの字巻きの向きが逆になります。うっかり逆巻きにしてしまったときはとりあえず上下逆さまで結線するか、心線を痛めますけど一ひねり入れるかでしょうか。

のの字巻きは心線の首の部分の露出が5mm以上あると欠陥と見なされます。個人的にはリングスリーブ選択や圧着ミスと同じくらいやりがちなミスかなーって思ったので、のの字巻きは気が済むまで何度も練習しました。
心線の長さは20mmとして、最初の直角曲げの位置は被覆から1mm程度にすることで、首の長さは5mm未満にできることがわかりました。

練習を続けていくと、一瞬で終わる課題とギリギリだったりタイムオーバーになる課題が出てきます。時間がかかる課題の問題点を考えて、ここで初めて時短テクニックを使うべきか検討しました。

僕がとる時短テクニックは、同じ作業をまとめて行うというものです。普段の業務でもよくやる方法です。

使用するケーブルの総量に問題がない場合、あらかじめ余裕のあるサイズで切ったケーブルを必要数用意します。
その上で被覆剥きの作業をまとめてやってしまいます。心線を出す作業もまとめてやります。
これは単純作業はまとめてやった方がトータルの時間コストが短くなるためで、基本的な時短テクニックといえます。つなげるべきケーブルと器具をペアにして、器具とケーブルの結線を行います。
配線図通りにケーブル類を並べ、リングスリーブ接続の部分のみ合格クリップで仮止めをします。
差し込みを先に済ませ、リングスリーブの圧着を次に行います。リングから心線が必要本数出ているか確認し、末端処理をします。

複線図がきちんと書けていて、複線図に必要な予備の情報(電線の色、スリーブのサイズなど)も書けているなら、その通りに結線すれば問題ないはずです。

技能試験攻略動画の方には、20分切りなどのタイトルを付けている方が多いです。初学者と比べれば練度が桁違いなので、余り参考にしませんでした。目標タイムはあくまでも30分です。もっともよく見た動画はHOZANの電工試験の虎の動画でした。

ある程度余裕のあるスピードで練習することができるようになってきたので、結線のやり直しの練習をやることにしました。

さて、ここまでは広い作業スペースで練習してきました。ケーブル類もロールからそのまま引っ張っていたので総量は考慮していませんでした。そこで、狭いスペースで作業を確実に行えるような追加の練習を入れるようにしました。

苦手な課題の復習

苦手というかしっかりやっておかないとと思った課題は、リングスリーブ中が出てくる課題とパイロットランプが同時点滅する課題です。
リングスリーブ中についてはもう覚えてしまえばOKなんですが、パイロットランプの同時点滅課題は、結線方法も複数存在するらしく自分がやった結線方法が正解かどうかがわかりにくいです。
そこで仕方ないんですけど公式の回答例を参考にするようにしました。

パイロットランプの部分は複線図に直しつつ実際の結線をわかりやすく図で描いておくようにしました。ポイントは赤色のケーブルをスイッチから負荷に直接持って行かず、パイロットランプを経由させること。つまり、スイッチの負荷側からパイロットランプを赤色の渡り線にして、パイロットランプから負荷へ赤色のケーブルを出します。

接地側も一度パイロットランプに結線してから、白色の渡り線をコンセントの接地側につなぎます。
黒色も直接コンセントへ行きたくなりますが、一度スイッチに結線してから、黒色の渡り線をコンセントに結線します。

仕事の都合で何日か練習しない日があり、試験も迫っているのでやるかーと練習してみたら、意外と手が動かない(工具の扱いなどがうまくできていない)ことがわかりました。

試験の3日前くらいになると買ってきた材料はほとんど使い切っていて、単位作業くらいしかできることがなくなりました。しかし練度を上げるという意味では単位作業でも十分練習になります。あとは苦手だったパイロットランプの結線、一度しかやってない3路スイッチ、4路スイッチの結線あたりを復習することにしました。

試験は土曜日の朝なのですが、仕事の都合で自宅に戻るときはいつも深夜になるため、長野の仕事場は木曜日の夜に一旦Closeして金曜日午前には自宅に戻るようにし、試験に備えました。

ちなみに練習用の材料を持って帰ったんですが、一度も練習しませんでした。

技能試験当日

復習のしようがないので、忘れ物をしないようにだけ十分注意しました。工具の故障を考慮する方もいるようです。機構が複雑なVVFスプリッターは古いと確かに動作不良を起こすかもって思います。P-958も一緒に持ってることが多いと思うので、これをバックアップにすればいいでしょう。

工具ポーチの中はざっくりと整理しました。電光ペンチ、プライヤーは最下層、そこから順に圧着ペンチや合格ツール、プラスドライバ、ニッパー類とマイナスドライバ、メジャーとマステです。

工具は全部ポーチに入らなかったので、Maker Fire TOKYOのトートバッグに入れて持って行きました。

移動手段

自宅は京葉線沿線なので、電車で大崎まで行ってそこから歩きで行きました。地図読みが苦手な人は最寄り駅から歩いた方が絶対いいです。
駐車場もあるので車で行く選択肢もありますが、試験日が土曜日ということもあって道路の状況が読めないのでやめました。

入室まで

試験開始は11時30分ですが、入室時刻の10時50分〜55分までに入室を済ませなければ失格となってしまいます。そのため、だいたい30〜60分前には会場周辺に着いている人が多いようです。
僕の会場は五反田駅から歩いて10分くらいのところにある五反田TOCでした。駐車場もあることはあります。

TOCの正面入り口に行くとかなりの人が入って行くのが見え、入り口などでは係員の方が誘導してくれていました。

会場は13階なんですが、荷物用エレベーターを直通運行して会場階へ行くことができるようになっていました。エレベーターを出たら自分の番号が割り振られた部屋に入り、さらにその中で区切られたエリアを探し、作業卓を見つけます。所々に係員の方がいらっしゃって、すごくよく気がついてくれるので、特に迷うことなく中に入ることができました。自分の作業卓を探し、着席します。時間前ならこのときにトイレに行ったりできます。

なお、メジャーを机に貼る作業をこのときに行うと解説している動画を見た記憶があるんですが「メジャーの貼り付け等の作業は試験開始後じゃないとやっちゃダメです」と何度もアナウンスがありました。

試験の説明と問題用紙の配布

問題用紙は材料確認に使うため、試験開始前に配布されます。もちろん、中を勝手に見ると失格です。
材料の一覧は見ることができるし、単線図はうっすらと透けて見えているので、この時点で「あーこの問題か」と目星が付きます。

出題されたのは200Vのコンセントがある課題番号5番でした。端子台があるんですが、ジョイントボックスはなく、スリーブも小のみ、差し込みコネクタは4本用が1個のみのシンプルな配線です。

材料配布と確認

準備時間は配布された材料に間違いがないかなどのチェックも行います。この時点でどんな課題かはある程度の練習をしてきていればわかると思います。この確認で足りない材料や不具合がある場合は支給や交換に応じてもらえますが、試験開始後は応じてもらえません。リングスリーブや差し込み端子、ランプレセプタクルのネジなどは追加支給を受けることができます。

材料箱は専用に作られた(しかも使い捨てダンボール)もので、中身もきれいにレイアウトされていてびっくりしました。もっとこう、買い物カゴみたいなものに雑然と入れられてるのかと思ってました。
切りくずを入れるビニール袋にまできちっと「切りくず用」と印刷されているあたり、至れり尽くせり感がすごかったです。

材料も新品が用意されているようでした。

確認が済めば試験官の合図で作業開始です。

試験中は自分のことだけに集中するようにしました。中には複線図を描かずに結線作業に入るような人もいるので、物音が結構します。十分練習してきたのなら焦る必要はないでしょう。

試験中の僕の行動をある程度メモしておきます。

メジャー貼りと袋の貼り付け(袋は机の縁、おなかのあたりに貼り付けてゴミを捨てやすく)
複線図作図(3分くらい)
端子台のネジを全部緩めておく
スイッチとコンセントを連用枠に取り付け
2.0mmの2心VVFと3芯VVFの被覆剥き
1.6mmのVVFのうち、省略部を含んでいる短いケーブルのカットと被覆剥き
ランプレセプタクルにつながるVVFのカットと被覆剥き
連用枠につながるVVFのカットと被覆剥き
200V側の結線
ランプレセプタクルの工作と結線
連用枠の結線
差し込みコネクタの結線
リングスリーブの結線
残り10分
各端子などで被覆咬みがないか、欠陥につながるミスがないかをチェック
スリーブから出てる心線を美しくカット
残り5分
渡り線が気になったので余ったケーブルで作り直し
気が済むまで結線が正しいかをチェック
名札つけ
終了

終了直前までかなり慌ただしい感じでしたが、基本的な作業は30分で終えられました。
周りの方を見ていると結構ギリギリまで作業されている方が多く、何名かは係員から作業を止めるように言われていました

問題配布時点で「楽なやつがきたな」という印象だったため、やり直しが発生しないように慎重に作業をやるように心がけました。練習ではケーブルをまとめてカットして一気に結線するという方法をとっていたのですが、ケーブルの残量が気になりすぎたので端子台やレセプタクルの分を先に被覆剥きまで済ませておいて、どのケーブルがどれに当たるのかを判別しやすくしました。

練習で使っていた部材と試験の部材が異なることで、作業がやりづらくなることがあったようですが、僕の場合は試験の部材が全部Panasonic製で、特にケーブルの抜き差しがやりやすくて感動すら覚えていました。
ストリップガイドは練習で使っていた部材よりも2mm短い、10mmでした。

さて、やることはやったので後は帰るだけです。

退出まで

作品に名札を付けて工具などを片付け、材料箱を机の上に置いて、ビニール袋を置いたら、それ以降は作品に故意に手を触れてはいけなくなります。(上着を着たりするときなど、偶発的に当たってしまうのは仕方がないので、特に注意を受けることはありませんでした)

退出は会場のエリアごとに、1名ずつの退出になります。退出時に作品に名札があるかなどをチェックしてもらって、問題なければ退出票を受け取り、荷物を持って外に出ます。外に出るときに退出票は回収されます。このため、退出票を持たずに勝手に外に出ることはできません。

僕は最後の最後の退出だったため、周りの人の作品が目に入りました。完成できてる人は6割くらい、未完成の人が結構いらっしゃいました。お手本のようなきれいな結線をする人もいれば、どうやったらそこまでケーブルを曲げられるんだろうというスパゲッティな結線(でも見た感じ合っている)をしてる人もいたりして、なかなか見応えがありました。

五反田TOCを出てあー腹が減ったなーって思いましたか?適当にピックアップしておきました。なお、五反田TOCは営業を終了したので、次からは別の会場になると思います。

僕は願掛けでお酒を飲むのをやめているので、そうでなければFar Yeastに行ってました。

技能試験で気になったことなど

技能試験で周りの人を試験前などに見たのですが、それぞれ様々な工夫を凝らしていて勉強になりました。
ある方は腰道具セットを机の上にドカンと置いて作業されていました。腰道具セットは工具の出し入れが簡単にできてかつ、整理されているので使いやすいのでしょう。
時計ではなくキッチンタイマーを持ち込んでいる人もいらっしゃいました。音が出なければストップウォッチでもいいそうです。試験官の時計は手持ちの時計より13秒ほど遅れていたので、キッチンタイマーの方がいいなって思いました。
HOZAN謹製の布メジャーとは別に、コンベックス(工事関係者の人が持っている巻き尺)を持ち込んでる人がかなりの数いらっしゃいました。確かに、材料確認の時に1650mmとか400mmメジャーで測るの大変ですもんね。

以上です。

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