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UNITETOKYOの基調講演にFlash使いの未来を見た

UNITETOKYO2018に参加している。UNITE自体は昔から興味を持っていたのだけど、Unityコミュニティの萌キャラ押しがどうしても受け入れられず、敬遠していた。

しかし、Unity自体は年々採用例が増えてきており、ゲームだけではなく設計、医療、メディアアートももちろんのこと、おそらく街のサイネージがUnityで動いているような感じもあれば、あそこの展示、ここのインスタレーション、画面の裏を覗けばUnityが動いているマシンが置かれているなんてことが日常的に見られるようになった。

流石にもう無視することはできない。ちょうどUniteの申込みが始まったところだったので、いそいそと2万円を差し出して参加することにしたのだ。

キズナアイ

基調講演には事前にキズナアイが登場するとアナウンスされていた。そしてそれは突然やってきた。基調講演はなんというか、導入の激しいムービーがあって場内アナウンスで「Please welcome」なんて言ってCEOが登場して拍手喝采。というものだが、キズナアイが前説をこなしてから静かにCEOがやってきた。この時点でやっと基調講演が始まったんだと理解できた。

基調講演

基調講演は我々がコミットしているコミュニティの未来を指し示すものだ。ここではUnityの最新バージョンに搭載された機能の紹介がベースとなり、我々がこれまで苦労してきたワークフローがどのように改善されるのかが紹介された。Unityは基本ゲームエンジンなので、ゲームの話が中心になる。Adobeツールではおなじみなアプリ連携を通して、UnityのアセットをMayaで編集し、それをUnity上で即時反映するといったものが紹介されていた。しかし、僕が興味を持ったのはワークフローでもなくCADのインポートでもなく、新しいUnityのWebランタイムだ。

驚異的な軽さのWebランタイム

UnityはWebブラウザ向けに書き出しする機能があるのだが、お世辞にも軽いとは言えなかった。Unity Playerもロードがそこそこ重かった印象がある。それが、今回開発されたランタイムはファイルサイズがわずか72KB。おそらくゲームコンテンツで使用しているどのアセットよりも軽いのではないか。そして、これを使用してWebゲームを作ることができるようになるのだ。

もちろん、ゴリッゴリの3Dではなくスプライトアニメーションを駆使した2Dでの使用がメインになるのかなと思われるが、かつてFlashで沸きに沸いたブラウザ上のミニゲームをたくさん作ってプレイできる時代が再び到来する(しかもスマホ上でサクッとプレイできる!)と思うと胸が熱くなった。

実際のプレイ画面。サウンド、エフェクトもあり、かなりリッチなコンテンツであることがわかる。

Unityを使用した場合とそうでない場合のアセット総量の比較。ファイルサイズは7分の1まで圧縮されている。

プレイアブルアド

Flashは広告分野でもかなりの成功を収めていた。動画や音声を1つにまとめて、簡単なゲームをすぐにパブリッシュすることができたからだ。ユーザーにゲームなりなんなりをプレイさせることで、製品を売り込んだり、ブランドのイメージを体験してもらったりをよりディープに行うことができた。

最近のブラウザ上でもWebGLやCanvasでそれなりの体験は作れるようになってきているが、いかんせん開発費が高くなる傾向にある。これがUnityでサクッと作れるようになるとどうだろう?

基調講演ではプレイアブルアドという名前で紹介されていた。スマホ上で動作する簡単なゲームをプレイしてもらい「おもしろいなこれ」と思わせたところで本丸であるアプリストアへ誘導するというものだ。

当然かつてのFlashのように、ゲームをクリアして懸賞に応募するとか、とうてい無理な難易度のゲームを作ってクリアできたら○○とするとか、ああ、もう、やりたいことが多すぎる。

Flash使いの未来へ

基調講演はコミュニティの未来を指し示すものだ。だが、僕はかつてFlashでやっていたことが、またやれるようになるという予想できなかった展開に、ただひたすら感動していた。そういえば僕はUnityのコミュニティにはまだジョインしていない。けど、実はこっそり買っていたUnity Plusのライセンスを、社に戻ってすぐアクティベートしたのは言うまでもない。

やるよ。Unity。

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