猫の血尿と血栓

うちには 今年 18歳になる猫がいる。生まれた子供が 高校を卒業するまで
一緒に暮らしていたのと同じだ。
そのせいか 彼女のコミュニケーションスキルは 他の三匹と比べると 抜きん出ている。
そんな彼女の様子が 変わり始めたのは 2023年の春頃。
急に 水を飲む量が増えた。飲んでも飲んでも 喉が渇いているのだろうか?
とにかく 水を入れた茶碗のそばにいる時間が 長くなった。
それから 半年も経つ頃 これまでは 排泄は 外に行っていたのに 急に家の中でするようになった。が それも おしっこの時だけ。
何を基準に 大と小を分けているのかは いまだに謎だ。
大は外でして 小は家の中。
そして 彼女は 徐々に毛艶を無くしていき、食欲が減り、頻繁に吐くようになった。
食欲が止まり ようやく呼吸しているだけになったのは 2023年の秋。
それまでは 食べたり 食べなかったりを 数日おきに繰り返していたのだが
その辺りから 尿に血糊のようなものが混ざり 時に 尿の色が茶色がかっていた。彼女のトイレは 猫砂ではなく 尿吸い取りパッドを プラスチックのコンテナに引いている。だから 色や量を即座に知ることができるし 引っ掻いた砂を 片付ける手間も省ける。
いよいよかというあたりで 採尿した瓶とともに 病院へ連れていった。
すると ドクターに 糖尿病の可能性がありますが インスリンを注射器で
毎日 打ってあげれますか?と聞かれた。検査の結果も出ていないのに 信じられないと心の中で思った。猫の病院は 何度か 変えてみたが どこも 同じようなものだ。ワクチンをしないと猫エイズにかかりますよと すごまれたこともある。どちら様も 恐怖を煽って金儲けがお得意なようだ。
うちには 4匹の猫がいるが どの猫も ワクチンを打ったのは 去勢の時だけ。病院は “定期的に“が 謳い文句だが 連れて行くたびに 断っている。パンデミックのあたりには ワクチンをしないと診察できませんとまで言われたことがある。まるで 人間社会と同じだ。
3番目の猫は 去勢の手術の前に 3種類のワクチンを同じ日に打たれてから
アレルギーが出て いつも涙目で 肺が弱そうな呼吸の仕方をする。
だから それを理由に 打たないようにお願いすると 渋々 了解してくれる。
一度など 心音が 一定じゃないと 心臓の専門に行った方がいいと言われた。
慣れない車に30分も 乗せられて見知らぬところへ来たら 人間の心臓だって
リズムの乱れた打ち方をするだろう。
そんな素人でもわかるようなことなのに 検査にいくらかかりますか?と あえて聞くと 何千ドルだったか とんでもない金額を言われた。そこで うちには まだ 面倒を見なくてはいけない猫がいるので この猫がもうすぐ死ぬなら それは仕方のないことで 延命治療は行わないつもりだというと 先生は怒った様子で 診察室から 出て行ってしまった。
その部屋には カメラがついていて 私と猫が取り残されたのが見えて居るはずなのに しばらく誰も こなかった。その後 アシスタントのような人が来て
もう 出ていいですよと言った。カメラの向こうで その人たちは 何を思って私と猫がじっとしている様子を 見ていたのだろうか?

話は それたが 尿検査をする間 その時のドクターも 心音の乱れの話をしてきた。そこで「先日 別の猫を 病院に連れていった時も 同じことを言われたけど 頻繁にあるもの?」というと 答えも言わず 検査結果を取りに そこから立ち去った。
戻ってきた結果は 糖尿病でも 腎臓病でもなかった。
膀胱炎かもしれませんと言われたが 熱はないので それも どうかと思った。抗生物質が処方され帰宅した。
それから 2日後 15cmぐらいの長さの血栓が 吸収パッドの上にあった。
おしっこをしたときに出てきたらしかった。が その長さに 驚いた。
そして 寒そうにしているので 仕事で使っているお灸を 二日ぐらい してあげた。
すると その後 食欲が増し、具合の悪い時は 足腰もふらついていたのに
走り回って おしっこをしたのを知らせたり 台所のテーブルの上にもジャンプできるようになった。毛艶も良くなり 毛量も増え あの具合の悪かった時が 嘘のように 活発になった。

血栓の話をすると 殆どの人が 腎臓結石でもあったんじゃない?という。
が 私は 私が クライアントから 受けたシェディングが うちの猫、特に18歳の猫にも 起こったと思っている。なぜなら その猫だけが 毎日 私と
濃厚接触するからだ。
私の感じた シェディングや どのように乗り切ったかは また次の機会に
書きたいと思う。

もしも その猫が 相変わらず 外でおしっこしていたなら 私は 血栓にも血尿にも 気づくことはなかっただろう。が 彼女は 全てを知っていたからこそ
内トイレに切り替えることで 何が起こっているのか 私に知らせた気がする。
猫は 本当に インテリで 彼女たちの コミュニケーションスキルには、驚かされてばかりだ。



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