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柳田悠岐を好きになったわけ〜オールスター2022

昨日から柳田悠岐が好きになった。と書いたら今までは好きじゃなかったのかよと言われそうだ。今までだって、素晴らしい選手だと思っていた。が、あの一件から「特に」「本当に」柳田悠岐はいい選手だよなぁと思うようになったのだ。そう、あのヒーローインタビューで。

「なっかじま〜! なっかじま〜!」

うわっ、まさかこの調子のまま行かないよね…。


その懸念が的中したオールスター第2戦の試合後インタビュー。スタンドにいた、なかなかに「元気のいい」お兄さんが絡みモードの大声を出して、まずは勝利監督のパリーグ中嶋監督が餌食になった。

続いてMVPの柳田悠岐が登場したのだが、ホームランを狙っていたのかと問われて否定するも、お兄さんが「狙ってたっしょ~!」と絶叫。空気を読んだギータはすさまじいアッパースイングでお兄さんの大声をすくい上げてくれた。

「狙ってました!」

アハハとスタンドから笑いが起きた。

私はこのお兄さんのような、空気の読めない人が大の苦手だ。同じ空間にいるとドキドキしてしまう。座がめちゃくちゃになるんじゃないか? みんなが嫌な気持ちになるんじゃないか…と気になってしまう。そして楽しむことに集中できない。ひょっとしたら第2戦の坊ちゃんスタジアムにいた人の中にも、同じ気持ちの人がいたかもしれない。


ある意味、ギータがすくい上げたのはお兄さんの絶叫以外に、スタンドのモヤモヤだった気もする。調子に乗ったお兄さんは、ギータが清宮幸太郎のバットを借りてホームランを打ったことを説明するくだりでも「狙っとったでしょ~!」と再び絶叫。ギータは再び「狙ってました」と返して場を和ませた。

誰が名付けたか、オールスターは球宴という。宴、祭り。そう、お祭りである。それでも巧打あり、好守備あり、快投ありで、見ているファンを沸かせるのがプロ野球選手である。オールスターは夏休みに入って間もない頃に行われるイメージ。いよいよ夏本番だという雰囲気も手伝って、いつもより開放的になるのはやむを得まい。だが、お兄さんの絶叫はなかなかにムードを台無しにした。あり得ない話ではあるが、もし自分がヒーローインタビューを受けている時にワイワイガヤガヤされたら、きっとこう言うだろうな。

「すみません、ちょっと黙っててもらえますか」

そしてますます空気が悪くなる。え? オレが悪いの? そして自己嫌悪に陥る…

ギータはそんなことはしなかった。どんよりしそうなところをカキーン!とバットをフルスイング。嫌な気持ちごとスタンドに放り込んでくれた。一連のコメントを聴いて、ラジオで解説していた田尾安志がギータを絶賛していた。このファンサービスをセリーグの選手も見習って、と。


かつて三浦大輔から横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃、破壊する特大アーチを放った柳田悠岐。スケールの大きな打撃は認知されているけれど、手強いファンも上手に対処するのを見て、人間的にも度量が大きいなと思った。だからあのヒーローインタビューから特に、柳田悠岐が好きになったというわけだ。そして見習いたい。つまらない反応をされた時でも、ユーモアを交えて収拾するスマートさを。


2022年前半戦、柳田悠岐は決して本調子ではなかった。しかし、ラストのオリックス戦でホームランを放ったり、オールスターのホームラン競争で観客を魅了したり、試合でホームランを打ってMVPに輝いたりと、このところ調子が良さそうだ。ソフトバンクはケガやコロナ感染があっていまいち波に乗れないが、ギータは立ち直りつつある。ギータの調子が上向けば、ソフトバンクがこの混戦パリーグを制することになる。柳田悠岐はV奪回のキーマンなのだ。

豪快なバッティングフォーム

たまたまではあるが、私は柳田悠岐の豪快なバッティングフォームをデザインしたスマホカバーを使っている。脇役が好きなため、最初は当時ソフトバンクにいた川島慶三モデルを注文しようとしたところ、ソフトバンクを戦力外になったからか買えなくなってしまった。在庫がある中で誰のを買おうかと悩んだ結果、一番見た目で凝ったデザインに思えた柳田悠岐バージョンを買うことにした。今、このスマホカバーを使っていることをとてもうれしく感じている。


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