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【イベントレポ】あなたがここで深めたい問いはなんですか~場づくりという冒険オンラインスクール【第6期 第1回】~

このnoteは、2021年9月から12月にかけて開催された「場づくりという冒険オンラインスクール【第6期】」のイベントレポです。参加者のみなさんと自分自身の振り返りに使えればと思って書いてゆきます。

場づくりという冒険オンラインスクールについてはこちら↓



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第6期、約3か月の冒険の始まり

「じゃあ一回みんなミュート外して、声出して挨拶しましょうか」

主催・藤本遼さんの声掛けで挨拶をかわして開幕した、場づくりという冒険オンラインスクール。自分が参加者として受講した3期の時も同様の始まり方で、ただ「先生」の話を聞くだけでなく自分からも考えや問いを発信して学びを深めていく、そのための準備運動もデザインとしてばらまかれているのがこのオンラインスクールの良さだと思っています。

この「場づくりという冒険オンラインスクール」は、場づくりを生業とする藤本遼さんが、

よりたくさんの「場づくり」実践者、
これから実践する皆さんと場をシェアしたい。

という思いをもってこれまで第5期まで開催されてきました。
そして、このスクールで得られることとして挙げられたのは以下の通り。

・場づくりの先達(講師)の実践知
・多角的に場づくりを見られる
・全国の仲間たちとの出会い
・振り返りながら自分の場づくりを進化
・問いを深められる機会

第3期を受講した経験を振り返ると、「全国の仲間たちとの出会い」は僕にとって特に大きな価値でしたです。「場づくり」というものについて、深く、ある種哲学的に語り合える人は自分の生活圏内ではまだ少なく、それぞれの視点・視座から見える「場づくりとは」を持ち寄って対話する時間は本当に貴重でした。憧れるような人にも出会えて、スクールが終わってから会いに行くこともできました。

今回もそんな出会いが起きるオンラインスクールにできればと期待しております。

さて、第一回はファシリテーターの自己紹介&対談と、グループセッションで参加者同士が「自分の問い」を確認する時間がメインでした!


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ファシリテーター自己紹介

○原田優香さん
コミュニティビルダー/社会福祉士・精神保健福祉士

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・自分を動物に例えると猪
・楽しいことが好き⇒自粛期間がつまらなくて部屋にサヤエンドウを吊って豆狩りしてた(!?!?)
・トマトが苦手
・3人1組の対話によって 「自分の特性を言語化」していく「ジブン研究」を立ち上げ、実施。
・対話、多様性、人と人との関係を良くしていくことに興味関心
・以前、イベントスペースの運営に従事し、食にまつわる場づくりを実施。独立後もコワーキングやコミュニティスペースの利活用に関わる。

実は同い年で、しかも同じく関西出身の優香さん(今回のファシリテーターみんな関西人!)。「ジブン研究」など、対話の場をつくることをされていて、目の前の人をとても大事される方な印象です。スクールの中で問いを間において対話できるのが楽しみ。

ただ、なんといってもハイライトは部屋でサヤエンドウを吊っている写真でした。


渡辺直樹さん(わったん)
株式会社studio-L/コミュニティデザイナー

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・”コミュニティデザイン”という仕事をしている
・まちを地域コミュニティと一緒に作るお仕事
例:公園づくり、図書館づくり など
・最近は妻のお店にも立っている⇒一つの場を長く関わってみる経験

渡辺さんは以前、コミュニティデザインを『コミュニティと一緒に何かをデザインすること』、言いかえて『デザインの力を使って、コミュニティが持つ課題を”一緒に”解決すること』を説明してくれました。

その時、地域の人達と”一緒に”という言葉を何度も使われていて、時にはファシリテーターとして、デザイナーとして、プランナーとして、そして一緒にイベントを起こす人として、主体になりすぎないことを意識してらっしゃるのかなという印象です。

ちなみに、主催・藤本遼さんとの出会いは京セラドームで野球をやったことだそう。


○藤本遼さん(りょうちゃん)
株式会社ここにある代表取締役/場を編む人

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・野球少年だった
・既存コミュニティに「馴染めない」感覚を覚える経験(大学・新卒)
・馴染める「場」をどう生み出すか。生きやすい場をどうデザインするか。
・様々な場づくりの活動経験
例:尼崎ENGAWA計画、カリー寺、
・⇒徐々に仕事になっていく
例:みんなの尼崎大学、ミーツ・ザ・福祉など

僕自身の遼さんとの出会いは茨城県つくば市のコワーキングスペースでのトークイベントでした。その時に聞いた「カリー寺」と「ミーツ・ザ・福祉」の話に心から惹かれて。

ミーツ・ザ・福祉のダイジェスト映像

「すべての人が楽しみながら、私としての人生をまっとうできる社会」

これを目指して活動していると話していました。


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ファシリテーターによる対談

ファシリテーターの3人による対談を30分ほど行いました。テーマは以下の9つです。全部のテーマについてレポートしたいんですが、今回は僕自身のメモが多かったものをいくつかピックアップしたいと思います!

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対話って何?

「対話の人」優香さんからのテーマ。
日常生活の中で対話的であることってどれくらいあるのだろう?場づくりの中で対話的な瞬間ってどんな時?必要な時はどうデザインしている?という問いでした。

渡辺さんは、「非言語の情報の共有」を大事にしているそう。ワークショップをするときに雑誌の切り抜きを持ち寄ったり、画用紙で模型を作ってみたり。そういった体験的な場をもつことで、お互いの価値観や抱えている想いを「交換」できることがあるのだと。

僕が入れたコメントなんですが「会話と対話の違いってなんなんですかね?」というのに反応してくれて原田さんが、「すべてが対話的である必要はなくて、関係性をつくるコミュニケーションは他にもあって、じゃあそもそも対話って何で、どんな時に必要なんだろうねと最近思っています」と。

僕も「対話」についてはすごく関心があります。

僕は、対話って「さあ対話しましょう」とはじまるものではなくて、気づいたら「対話になっている」というものだと思っています。

その関係性をどう作るかも含めて、コミュニケーションなのかもしれないですね。

そんな話を書いたやつ
『ファシリテーションの勉強会 第1回 ~会話と対話の違いってなんだろう ~』


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問題解決と価値創造

「場づくり」は問題解決のための手段だろうか
コミュニケーションは目的か、手段か

出ました。コミュニケーションの話。

手段に傾き過ぎた時に、場自体の存在価値が揺らぐ

うわ!これ!と思いました。

僕は水戸での活動の一つとして、朝のコーヒー会のようなもの(「あさみと」)をゆるゆると週1で開催しているのですが、たまに「あれって何やってるんですか?」と聞かれるんです。でも、わかんないんですよね。

それって、何かの目的、例えば「ネットワーキング」「情報交換」「人脈をつくる」みたいなアウトプット、アウトカムを設定することが、そのまま場の違和感になるような気がなんとなくしていて、何のためにやっているかをボカしたまんまやってるからかもしれません。

もしかしたら、この問い、自分の活動にすごい近い話題かもと思いました。

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アウフヘーベン

渡辺さんからのテーマ。哲学的な話になってきました。

アウフヘーベンとは、ドイツの哲学者であるヘーゲルが弁証法の中で提唱した概念。AかBかの二項対立から昇華して新たなものにはってんさせていくこと。

地域のデザインでも、様々な二項対立があって、そこをうまく乗り越えていきたいよねという話で、ひとつ思い出したことがありました。

「駅前でスケートボードをしてほしくない人たち」vs「スケボーをする場を求める人たち」(あえて若者って書きたくない)の二項対立。

どちらかが我慢という構図以外のデザインを、対立じゃなく協働することで生み出せそうな気はします。


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「場づくり」において「私」はどこにいるか

場をつくっているわたしも、当然に場に影響されている
私が場をつくるのか?場に私が作られるのか?
私は場を構成する要素の一つにすぎないのでは?

「つくる」=コントロールする、これに躍起になるのではなく、場の中にいてじっと観察し、関わり続けることが必要なのでは?という問いは「場づくり」や「ファシリテーション」にとって重要かもしれないです。

そんな話題で頭に浮かんだのは「中動態」という言葉。なんとなく知っているだけで勉強不足なんですが、「能動態-受動態の枠ではなくすべての出来事が自分を「場」として起きているという考え」だったような気が…。勉強してきますね。


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お客さん的関わりと仲間的関わり

お客さんスイッチを押す可能性の高い場とそうでない場がある

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お客さんばかりでは「場づくり」って難しいよな、と思います。

ここで思い浮かべていたのが、さっきも話題に出した朝のコーヒー会「あさみと」です。

このイベント、コーヒーは無料にしてしまって「参加費」という名目で300円いただいてます。そんな運営をしているんですが、毎度面白いことが起きていて。

最初は僕がコーヒーを淹れて振舞っているんですが、中盤くらいになると参加者の誰かが「おかわりする人~」と言い出して、コーヒーを淹れてくれたりします。「来る途中にパン屋さん寄ってきたよ~」と、差し入れを持ってきてくれる人がいて、それをまた別の誰かが切り分けて、それを眺めている主催者(僕)。

なぜかわからないのですが、お金を払ってくれているのに「お客さん」っぽくない人がいるんです。

これ、なんでなんだろう、ってこの機会に改めて考えてみようかなと思います。

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僕と同じように「中動態」「お客さんスイッチ」について取り上げている参加者とっしるさんの感想noteもぜひ読んでみてください…!
こちらの方が詳しくわかるかも!

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対話の時間:あなたが深めたい問いはなんですか?


第一回の最後は、グループに分かれての対話セッション。今回のスクールでそれぞれが深めたいと思っている問いについて、ファシリテーター対談の感想も交えながら話してみましょうという時間。

グループの中の話で特に印象的だったのが、コミュニティやワークショップの運営をしてきた大学生の方の参加動機。

「これはもしかしたら『自分の得意』かもとおもったけど、これが社会に通用するのか、社会の中で活用できるフィールドはあるのか、って気になって…。」

これは、僕自身もすごく考えていることに近くて、果たして「場づくり」は仕事にできるのか、という話。

もちろん、今回のファシリテーターの皆さんのように仕事としてされている方はいるんですが、世の中的に多くない印象。

特に自分は、とにかく間口を広く、両手を広げて人を待っているような場を好んでつくろうとするので、そうなると「お金」の面で大変になりそう、とはいつも思います。

今回、僕が深めたい問いは「場づくりはお金になるのか」かもしれません。「場づくりとお金の関係」「搾取しないお金の動きと場づくり」みたいなことに焦点をあてたいなと思います。


それから、仕事で会社内、業界内のコミュニティづくりを課されている方の話も印象的で、付け焼刃的にうまくいっているケースの「手段」だけを持ってきてやっても、それは上辺だけのもので、でも報告書には良い感じに書いて出したらそれでOKで、なんか違うなあと感じている、とのことでした。

場づくりってKPIを置けるんですかね?求められたら困っちゃうなあ。と今のところ思っています。

すごく本質的なところに踏み込むのがこのスクールです。「ビジネスと場づくり」の関係ついて深く考えるのも、今回の僕のテーマと大きくずれないような気がています。


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次回の話と放課後タイム

次回のアナウンスをして、第一回は終了。
その後はスクール恒例の「放課後タイム」に、数名残られて話足りないことを語らっておりました…!


次回は1週間後の10/4(月)!

テーマは、
全国各地の「場づくり」事例を知ろう!/場づくり概論レクチャー
講師:藤本 遼

となっております!


ではまた次回のレポートもお楽しみに~!



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