雑草詩句短歌 ブランデー詩40.
爪切り草がため息のように咲いている
曇り空に薄汚れたランプのように
ほのぼのと明るい花びらを開いている
寂しそうにあちこちに根をはっている
音も無く雨が落ちてくる
晩夏を虫が鳴き続ける
屋根もガラスも泣いている
ぼくには名前がわからなかった
炎天に香る小さな花の群れ
堅い庭に生えてきて空気のような花をつけている
小さな花には黄と赤の種があり
高温と乾燥に強く
太陽の下でランプのように強く弱い光の輪を結ぶ
せつなそうにひとり炎熱の中に生きている
何ものかの魂がぼくをひきとめる
猛暑の日も曇りの日もその台の中に
辛抱強く淡い慕情を灯している
影薄い弱い肉が強く生きている
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