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春侯爵詩片

緑が黄金のような輝きを帯びる
なだらかな山に囲まれた盆地にて

一度人生を味わい尽くして
故郷に流れ戻された私には

宙空を凝視しながら
時代の相似点を探し

フラクタルに
気づきました

ナチスが暗黒の津波のように
押し寄せる欧州のユダヤ人達

B29の絨毯爆撃が毎日やってくる
東京の下町の行くあてもない人々

大本営発表と鬼畜米英
マスゴミとロシア中国

何も変わらない
同じ風景と運命

やがてやってくる焼死と餓死が
今は身体の内側からの壊死焦土

ならばまた
あの何もない
吸い込まれるような
蒼い蒼い空に
還ってゆけば
よいのですね

またあのモノクロ世界で
たくさんの懐かしい人々と
再会できるんですね

もうすでに
あちらに行って
私を見守ってくれている
ずっと前から見守ってくれている

たくさんの懐かしい人々とともに
ご飯を頂きコーヒーを愉しみ
いよいよ舞台に上がって
ひとさし舞って踊りましょう

ただそれだけのこと
夢中で生きるだけのこと
夢中で死ぬるだけのこと

またあの蒼い蒼い空に
還ってゆくだけのこと


■画像はヤフー、焦土の蒼い空画像より。
■エディット・ピアフ、『愛の賛歌』を聞きながら。

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