五味フェッショナル

セールの流儀


今日はハヤカワ的セールの流儀についてメモ程度に書いておきます。


そもそもセールはなんで安いのでしょうか?

この答えは、おそらく、そもそも消化率(売れた率ですね)がウン十%の時点で利益が出るような価格設定になっていることだと思います。前提として全てがプロパー(=定価)で売れないといけない訳ではなく、ウン十%が定価、ウン十%が半額、場合によりウン%が廃棄で良い感じになるようなビジネスモデルが多いですし、一般的なアパレル小売業なんかではこれが鉄板だと思います。

なので、値段というものは全て売れる前提ではなく、諸々のコストやリスクなどを含み含んだうえで決定されますし、そういった意味ではセールの価格も妥当なものと言えます。


では、弊社の場合はどうか。

弊社はそもそも私の個人資金でスタートし、現在も私の自己資金と長期借入金のみで経営しております。

そのためもあって、かれこれブランドを始めて4年になりますが、これまでに在庫の廃棄は一切したことがありません。また、福袋などのサービス物を除いて、原価を切るような販売もしておりません。

これは、そもそも弊社のビジネスモデルが、先ほどのようなキャッシュ面の都合、また正しい価格の商品を継続して提供したいという部分の理由から「完全売り切り型」であるためです。正直、かなりデザインや売り方に依存する形なので、あまりビジネスモデルとしては綺麗ではないのですが、思想的には綺麗かなと思っています。


となると。

そもそもセールというものが成り立たないんですよね。
だって、前提として「完全売り切り型」の生産、価格設定をしているので。


では、何故セールをやるのか。

その原体験は、私の中学生時代に遡ります。


当時の私はお年玉を何万かもらうだけで、それ以外はお小遣いもあまりなく、バイトも学校で禁止されていたためできませんでした。結果的には、それゆえにネットオークションでせどりに精を出すことになるのですが、そうであってもお金がないことには変わりないので、基本的に好きなブランドの服を満足に買える機会は年2回のセールのみでした。

でも、私は、その年2回のセールが本当に本当に楽しみで。

セールの始まる前から、商品の在庫状況を自分なりに考えてなんとなくの割引率から買うものを決めておいたり、事前にネットセールで目星をつけておいて実店舗で質感を確認したり…。本当にお金はなかったけど、本当にそのブランドのことが大好きだったなあと思います。

そして、そのセール少女が今、こんな感じに立派に(?)成長して自分でブランドをやって、満足に自分の好きなものを買えるようになって。そうなると、やはり過去に熱狂したブランドのものを手にとってしまうものだなと思います。


正直、弊社の現在のビジネスモデルは全くセールに向いてませんし、なので今回のラフォーレグランドバザールも在庫をしっかり詰めるか、最終日まで在庫が持つかで数ヶ月前からヒヤヒヤしていました(特にうちの補佐が笑)。


でも、それでも私がセールにあらぬ熱量を注いでいる理由は、セールが未来のお客様に向けた投資だからです。セールで購入してくださったお客様の中から数人数十人が3年後にも弊社の商品を買ってくださっていたらラッキーですし、さらにその中から私みたいな…っていうのもおこがましいんですけど、安い買い物ではないので相応の財力を手に入れて戻ってきてくれるお客様がいたら万々歳な訳です。


ただ、その一方で了承してほしいのは「セールに向いている価格設定ではない」つまり「どこかはプロパーの時より削らなければならない」ということです(というかそうでないとプロパーで買ってくださった方に失礼ですよね)。そして弊社の場合それは、店頭のスタッフによる熱のこもった接客であり、ゆったり買い物ができないというサービスの部分です。


ということで、弊社初のガチセールであるラフォーレグランドバザールに関して、品質もデザインもプロパーと変わらず、正直プロパーで売り切る自信もある商品ですが、手厚いサービスができないとこだけ了承してくれたらセール価格で大歓迎するぜ!というスタンスです。そしてこれが私や弊社なりのセールの流儀。

---------------------------------

ラフォーレのグランドバザールは
来週木曜、26日の朝9時から(起きれるのだろうか)
毎日夜9時までやっていて最終日は30日です。

年2回のお祭り騒ぎ、是非きてね。

詳細はこちらで随時更新♡


LAVISHOP ラフォーレ原宿
ラフォーレ原宿 B1.5F
twitter Instagram

いつも読んでくださりありがとうございます!サポートは、お勉強代として活用させていただいております。