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夢をみる(前編)【テニス】



 クロスラリーが安定して少し、相手前衛が動いたのを確認して流したストレートはシングルスライン内側。相手前衛のポーチと相手後衛が上がってくるタイミングがかち合ったために、抜けた打球は相手後衛のバックハンドボディに食い込む。ストップ。

 問題を出そう。この時、味方前衛は何を予測してどう動くか。これはテニスに限った話ではないのだが、その時気づく「分かっていてできない」の多いこと。特に時間的余裕のない状態での体現は難儀を極める。昔バスケをやっていた時に「聞けば正しい答えが返ってくるのに何でできない」とよく監督に怒られたのを思い出す。
 たぶん圧倒的に見ている絵が違う。その時、その瞬間の1秒先。後衛の私に見えるのは2枚の絵。この競技の元に戻ってきて早8年。それでいて見える絵がたった2枚というのは由々しき事態。



『ボールルームへようこそ』12巻より



「これ」は展望とは似て非なる。
 頼りない葦が、この競技のために何ができるなんて烏滸がましい。
 けれど夢見ることは赦されてる。夢を語ることも赦されてる。
 ただそれだけで十二分に幸せだ。


1、例えば態度デカくてクソ生意気な中学生がいたとする。
 例えば「部活何やってるの?」に「テニス」答えたとする。
 この二つの例にタイムラグがあった場合、とある人間の対応がまるっきり変わる事がある。
 二度見からの凝視。いい体格してるな。ガタイいいからラケットは325、しなりを活かしたいから面広で。ブルーベース。目元のやわらかさから、パーソナルカラーはサマー。だからウェアは水色。いやでもキャラクター的に赤のラケットが似合いそうだから、そうするとウェアは橙か、遊びでピンクにしてみてもいいかもしれない。赤のラケットならダンロップから今年初めに新作が出てる。ただ、それだと赤、橙、黒だからこの場合ピンクが入るとうるさいか。と、

 凝視からここまで10秒。中学生ならまだ軟式だし、気の早い話ではあるが、切り替わる前だからこそ、こんなある種変態が一枚噛みたい。
 ファッションとしてのテニス。印象から一枚噛んで、OK、後は専門家に任せる。個人の願望に始まって個人の満足に終わるそれは、純粋な享楽。「すいません、ただの変態ですが、今から用意するウェアとラケット使ってちょっと打ってもらっていいですか?」なんて、だめだ。入り口からして詰む。次の瞬間には通報されてるわ。


 というのも、某テニスチャンネル登録者数が8万人を超えたと知ったのがきっかけで、スタテニ20万人、他私の見ているチャンネルも5万前後の需要を得ていて、今年中にインスタフォロワー数2万いきたいと言っていた白石くんに関しては、当時1、1万人だったのが3月末ですでに1、8万人に達している訳で。3ヶ月で7000人。例えどこかのチャンネルの影響が大きいとしても、それはそれだけこの競技の持つポテンシャルが高いということに他ならない。つまりだ。
 それだけ影響力のある競技だからこそ、プロに限らずもっとビジュアルを強化したくなる。この競技は美しい。それは必ずしも若い女性の足に限らず(怒られるわ)きっとプレイ、ファッション、嗜みとしてブランド化できる。先日例に挙げたバーラミ。テニスと聞いて頬がほころぶと同時に憧れを宿すような、思わずマネをしたくなるような、そんな感性を刺激したい。






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